【廃墟マニヤ File016】
N岸競馬場(神奈川県)
(その2)
宮本隆司氏の写真によってその存在は知っていたものの、なぜか行く機会のないまま十数年。務めを果たすという感じで、ようやく訪れたのは2003年のことでした。
N岸競馬記念公苑からの眺めです。正面スタンド側には米軍基地が隣接しているため、金網越しか、このように遠くからしか見ることはできません。
コンパクトデジカメには厳しい逆光です(それを差し引いてもひどい写真ですが……)。スタンド側がいい雰囲気なのに、回り込めず歯がゆい感じ。
蔦、錆びた鉄骨、古びたコンクリート、周囲に意匠の施された丸い窓など、廃墟の中でもココだけが好きというファンが多いのもうなずけますね。
反対側にまわりました。元は二等馬見所がこの隣に存在していたそうです。
鉄骨は相当傷んでいるように見えました。なんらかの対策をしないとそのうちダメになるだろうし、かといって補修工事をしたら私がこの建物から感じている魅力は半減するだろうし、難しいところですね。
公園ではたくさんの家族連れが憩いのひとときを過ごしています。皆、慣れてしまっているのか、この建物に関心を示している人はいませんでした。
さて、このN岸競馬場跡、その趣は期待を裏切らず、安全・美麗(?)の万人に勧められる廃墟だと思っていたのですが、その後、内部に潜入している人が存在することを発見。終わったつもりだったゲームに、実はリスキーでエキサイティングなステージがまだ残っていることが判明したのです。
ところがこの当時、テロに対する警戒が非常に厳しい時期だったため、米軍基地に隣接してあるという立地条件を考えると今一歩踏み出せず、しばらく様子を見ることにしたのでした。(ここまで2003年1月)
……というようなことを言っているうちに、老朽化した屋根の鉄骨部分を撤去するという話が聞こえてきました。ちょっと心配になって様子を見に行くことにしたのですが……。
(続く)
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