【珍スポ観光 File024】
T総合研究所（茨城県）
（その5）
この林、目の届く範囲全てに看板が……。
それ単体で見たらひょうきんにも見える「へのへのもへじ（？）」ですが、この組み合わせでは逆に危うさが強調されている感じです。
「場可魔釣」は、やはり「ばかまつり」でしょうね。
さらに先に進んでいくと、看板類と同じテイストの柵が出現！
あ、あからさまに怪しい……というか、どう見てもここが全ての発信源です！
重要文化財が国宝っていうのも間違っている感じですが、国宝の「鳴き竜」が「石油ストーブ」って……？
丸太や針金をバリケードのようにめぐらせた庭は、明らかに外部からの進入を拒んでいます。さらにこの写真ではわかりにくいのですが、玄関にはヘルメットを被ったマネキンが、番人のように置かれていました。
おそらくここが目的地「T総合研究所」であることは間違いないでしょう。しかし、さすがにこの中に入る勇気はなかったので、これで引き返すことにしました。
一応ここまででこの話は終わりなのですが、家に帰ってフィルムを現像に出したところ……
なぜかカメラのフィルム送りがおかしくなっていて、こんな多重露光の写真がたくさん撮れていました。それまで一度もこんなトラブルはなかったのですが、やはり、NNX法則の結果でしょうか……。
茨城県つくば市
END
（1989.6）
※蛇足かもしれませんが、実はちょっとこの後の話があります。
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翌年（1990年）の9月、ビデオカメラを手に入れた私は、再度この「T総合研究所」を訪れることにしました。
ところが、あれほど広い範囲に大量にあった看板類はほとんどなくなっていて、研究所（？）にも人の気配が感じられなくなっていました。おそらく看板を作っていた人物が亡くなり、撤去されてしまったんだなぁ、と勝手に想像して、その時は引き上げたのでした。
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それから10年ほどしてブロードバンド時代がやってきて、我が家にも高速な回線が開通しました。面白半分にいろいろなWebサイトを見ているうちに、ふとこの「T総合研究所」のことを思い出して検索してみたのです。
すると1987年に「T総合研究所」を訪れ、所長にインタビューをしたというページにヒット。今でもこのサイトは見ることができるので、詳しいことはそちらをご覧いただくとして、私が訪問したときに不明だったことがおかげでかなり判明しました。
概略を紹介すると“運隆撞覇”（うんりゅうどうは）と名乗る人物がこの看板類を設置して歩いた張本人で、彼の主張は「南北朝時代、本来正統であるはずの南朝が敗北し、その後北朝が正統となったことに対し、八大龍王神が怒り、さまざまな災厄を引き起こしている」ということであったようです。
ちなみにこのサイトには、彼が過去に『世界の七不思議-N法則・超科学的分析-（筑波EXPO'85万博号）』という本を出していたことも書かれています（この書名からわかるように「NNX法則」は元は「N法則」でした）。この本によると「N法則」とは、以下のような内容のようです。
『自分と相手という相対関係の「| 」がもう一つプラスして「 |」 その対角線をつなぐ斜線「＼」を引けばこれこそ「N」の字に成る原理である。これは、ローマ字によってこの考証であるが、此れが法則の解明として、空飛ぶ「雲雀」（ひばり・告天子）skylarkを対象として、私の研究は始めたのである。
これが「過去、現在、未来」を一極として解明する超科学的考証の研究方法であります。そしてこれなる「素材」を「人」と「生物」と「地画」と「地名」とを結ぶ線それが前記した通りのN式相対的対線の研究だから「N」「型」として「法則」の分析と立証的考証なのです……』
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さて、それからさらにしばらく経った2004年のこと。
私の中では既に終わってしまっていた「T総合研究所」でしたが、なんと雑誌に取り上げられているのを発見。しかも、いまだに活発に活動しているというじゃないですか！
どうやら私が2度目に訪れたのは、町内の自治会によって看板類を撤去された後だったようです。
彼はこのとき「桃太郎」を名乗っており、近隣の住人を鬼に例えています。周囲の人たちから迫害され続けたためか、前述のサイトのインタビューの時より明らかに悪意が増幅していて、自分へ嫌がらせをする人間は皆コロコロ死ぬといった話をしていました。
その他、交通事故の現場から「オブジェ」の材料を持ってきたり、動物の死骸があったら塗料をその上からスプレーして地面に転写したり、動物の死骸を研究のためと称して持ち帰り冷蔵庫いっぱい保管していたり（しかも冷蔵庫には電源が入っていなかったそうです）、元からその傾向はありましたが、この数十年の間で彼の精神はかなり暗黒面に傾斜していってしまったようです（ちなみに「NNX法則」は「NNN法則」となっていました。N、NX、NNX、NNNX、NNNと進化してきたらしいです）。
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そして2005年12月、サイト「動物園、B級SPOT大好き！」の管理人である荒川聡子さんが、この「T総合研究所」を訪れたということで、そのときの様子を教えてくれました。
それによると、彼女の訪問時には、所長（？）は入院してしまっており、研究所の周囲の看板類はすべて市によって撤去され、キレイになっていたとのことでした。ただし、離れた場所に描かれたメッセージ類は、まだ一部残っていた模様です。
（以上2006年1月追記）
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