【珍スポ観光 File022】
河童神社(群馬県)
(その3)
意外にも参拝に来る人がそれなりにいるのか、供え物が散乱していて(生のキュウリだと傷むせいか、パックに入った「たまり漬」がたくさんありました)、ちょっとゴミ捨て場っぽい雰囲気を醸し出しています。まあ、それは我慢するとして、カッパの石像に若干の疑問が……。
メスカッパのボインちゃん(死語?)は、小島功のカッパのイメージが日本人に刷り込まれているせいかもしれないので、まあいいとしましょう。
しかし、これはどうですかね? 小便小僧ではなく、何か別のものを発射しそうな雰囲気なんですけど……!?
足下には可愛らしくペイントした石もありましたが……。
さて、脇になにやら看板的なモノが埋もれていたので、引っ張り出してみたところ、以下のような内容でした。
※句読点は読みやすいよう私が多少手を加えています。なお、?をつけた部分は解読したものの疑問の残る部分、●は伏せ字です。
『(昭和六十一年五月二十四 桐生タイムス掲載)
毎年八月第一日曜日、河童祭りを行います。見物(ミモノ)は河童仮装行列、かっぱ大行進です。参加賞、優秀賞、アイデヤ賞、ユーモア賞、努力賞、赤飯等皆さん奮って参加してください。桐生市梅田町の名物にしたいと思っております。
神秘の岩の河童渕 思い出の詩
作詞曲 ●田芳平
(一)一千百(米)の野峰山、態(熊?)笹茂る山の峰
ヤシオツツジの紫に、山にこだます鹿の声
(二)まがってひよ川、なんじきと清き流れの
セセラギに鶯(?)す鳴きて山の里
梅の香薫る春うらゝ
(三)伝統梅北小学校、明治の始めに開校す
ランプの灯り懐しく、歴史の重み苔むしぬ
(四)ゆぬ沢上流岩を切り、足尾銅山支えつゝ
鉄索(?)長さ沢入まで、昼夜の別なく送りたり
河童神社を守る会の会員募集、会費無料
連絡先桐生市●町三丁目●田商店
文具、やきそば、お好み焼きの店
●中小学校入口(電話)○二七七、四四、●●●●)』
……こちらの神社の規模からすると予想外のことですが、毎年8月には「河童祭り」が行われているようです。さらに「河童神社を守る会」の会員も募集していると書かれています。
続いて付近を探索していると、道端で先ほどのモノと同じようなデザイン(?)の看板が草に埋もれているのを発見しました(この写真は、見やすいよう看板の位置を動かしています)。
ちなみに、その内容は以下のとおりです。
※?をつけた部分は解読したものの疑問の残る部分、■は解読不明の文字、●は伏せ字です。
『(昭和六十年六月八日 桐生タイムスに掲載)
此の下、昔から数々の伝説のある不思議な河童渕。かっぱが住んでいた穴もあります。昔は道路も低く深く廣い素晴(しい)渕でしたが、戦時中、道路工事で間違って三角の大石を渕に落した為、浅く少(小?)さくなり流れも変り誠に残念です。私の願いは此の大石を取り除き、昔の流れに戻したいのです。皆様の協力をお願い致します。小供の頃は水も多く魚を取り毎日樂しく泳ぎ体を丈夫に育ててくれた懐しい渕です。(和歌)清流に神秘の岩の河童渕
昔の伝説今も語りつ(昭和五十■年七月五日 読売新聞掲載)
神秘の岩の河童渕 思い出の詩
(一)一千百(米)の野峯山
態(熊?)笹茂る山の峯
ヤシオツツジの紫に
山にこだます鹿の声
(二)まがってひよ川、なんじきと、
清き流れのセセラギに
鶯(?)す鳴きて山の里
梅の香薫る春うらゝ
(三)伝統梅北小学校
明治の始めに開校す
ランプの灯り懐しく
歴史の重み苔むしぬ
(四)ゆぬ沢上流岩を切り
足尾銅山支えつゝ
鉄索(?)長さ沢入まで、
昼夜の別なく送りたり
(根本山歌)作詞曲 ●田芳平
(一)ハ〜 根本山より湧き出る水はヨ〜
石鴨、津久原、蛇留渕と
ハ〜 流れ流れてダムに入るヨ〜
(二)ハ〜 北に日光、南に赤城ヨ〜
お湯の馬立、忍山と
ハ〜 今日も聞える湯も唄ヨ〜
(三)ハ〜 霧の深さに山吹咲いてヨ〜
滝のしぶきに岩魚跳ね
ハ〜 かじか鳴く声懐しいヨ〜
(平成2年11月20日桐生タイムスに掲載)』
……そういえば説明を忘れていましたが、ここ桐生川にはカッパにまつわる伝説がいくつかあって、それでこの地に河童神社が作られた模様です。そして、どうやら祠の岩穴が、カッパの棲んでいた穴ということのようですね。
だいたい一通り見終わった頃には日も傾き、寒さに耐えきれなくなってきたので帰ることにします。きっとこの寒さではカッパも冬眠していることでしょう。
……ところで、帰る前にたまたま通りかかった地元の方に、「河童祭り」はどこで行われているのか尋ねたところ、この神社を作った方が亡くなったため、ずいぶん前からやっていないとのこと。う〜ん、残念……。
(機会があったら、看板にあった「文具、やきそば、お好み焼きの店・M田商店」へ行って、詳しく話を聞いてみたいものです)
群馬県桐生市梅田町
END
(2010.12)
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