【珍スポ観光 File002】
F博物館・Aコレクション(山梨県)
(その2)
この博物館、もともと河口湖畔にあった約300年前の豪農の館を復元して利用しており、なんでも山梨県で一番最初につくられた博物館なんだそうです。
1階部分は、古い道具や生活用具類など、いかにも民俗的な展示になっていました。
どれも真面目な内容で、あまり私のサイトで紹介する意味がないので、ここでは割愛。唯一気になったカッパの像だけ載せておきましょう。ちなみに河口湖には河童の伝説がいろいろあるようですね。
さて、私の目的とする「Aコレクション」は2階にあり、普通に公開されている様子です。ただ、パンフレットをみると、やはり学術的な意図で収集したものなのか、かなり真面目な鑑賞態度が要求されるようです。
階段を上がると、六畳二間ほどの屋根裏部屋に、さまざまな木彫や泥人形、石の道祖神などが陳列されていました。コレクションの総数は1万点を超えるという話だったのですが、どこか別の所に収蔵してあるようで、ここにはそれほどの点数はなさそうです。
これらを収集していたA氏、名前は「徳」さんで、都留出身の人だったとのこと。経歴等は、手を抜いてちゃんと調べていないので不明ですが、コレクションを公開したのが昭和のはじめだったという話なので、生年は明治どころかその前かもしれません。そんなわけで、コレクションの内容も、それなりに年代を感じさせるものばかりです。
猿の像に性器をつけたものが多い理由はほかのところでも書きましたが、江戸時代に山王神のつかいである猿に女陰を彫り込んで、子授けの像として信仰することが流行ったためだそうです。
このへんは定番ですね。ひとつウチにも欲しいんですけど、入手するにはそれなりの熱意が必要なようです。
木彫でよく見るポーズ。
陰陽の御神体。手前は牛か犬かわかりませんが、なかなか可愛いじゃないですか。やってることは、あんまり可愛くないですけど。
……ということで、すみません、当時はあまり写真を撮らなかったので、これでおしまいです。
私が訪問してから何年か後、この「F博物館」は惜しまれつつ閉館してしまいます。誰もがそのままなくなってしまうのだろうと思っていたところ、なんと2年ほど経った2004年4月、不死鳥のように甦ったのです。
ただ、復活したF博物館には、肝心の(?)「Aコレクション」の姿はありませんでした。どうやら館長が物見遊山で訪れる客(つまり私のような客ですね)に閉口して、公開をやめてしまったようです。
山梨県南都留郡富士河口湖町船津3964
END
(1997.11)
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