その４−２） この患者様のその後の経過
その４）で『太ってないスリムな糖尿病患者でも薬なしで治せるか？』という命題に４０歳台男性が挑戦することになったことを紹介しましたが、何とあれから８年たちました。
この、患者様のその後の経過を報告します。
この方は職場健診や診療所で高度の糖尿病と診断され、薬物療法を勧められていたのですが、インスリンなどの薬物治療を避けたいと考えて私に相談にみえました。 この方のお父様も糖尿病で現在もインスリン治療中で、家族的な素因の強い方です。
私は糖尿病の専門医にこの方の診察をお願いし、どのようにしたらいいか相談したのでした。 その結果、まずは私の指導下で『食事療法と運動療法』をやってみて、うまくゆかなければ糖尿病の専門の先生にお任せする、ということになりました。
ちなみに、この方の様に太っていないスリムな体型の糖尿病患者におけるこの挑戦は、とても大きな意味を持っていると考えました。 なぜなら、２型糖尿病患者の約７割はこの様に太っていない（非肥満型）体型だからです。
さて、この方の経過報告をしましょう。
糖質制限食のもとに運動（主にウオーキング）にも心がけてもらっていたところ、当初の５年間ほどは空腹時血糖値もHbA1c値も正常近くに落ち着いていたが、次第に高い値をとるようになったため、当院糖尿病内科に相談した結果、「教育・血糖コントロール」のための入院となり、その結果、経口糖尿病薬で血糖コントロールすることになりました。
やはり、太っていないスリムな体型の糖尿病患者様の場合、『食事療法と運動療法』だけではうまく行かないことが多いのかもしれません。
以上、残念な結果のご報告させてもらいました。
