平成16年元旦 記す

病から回復して思うこと

 今日、平成16年の元旦を迎え、感慨無量のものがある。一昨年の8月末に極度の過労から病に倒れ、4ヶ月の入院加療の後、仕事に復帰したのが昨年の元旦であったから、あれから丁度一年が経過したことになる。突然の入院により、職場の多くの方々に大変ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ないことであった。病気が完全に回復したとき思ったことは、主治医、家内、家族、教室員をはじめ多くの方々の暖かい、筆舌につくしがたい尽力により、こうして再び元気に働かせてもらえることになったからには、残された人生を、周囲の人々や世の中のために、お役に立てるよう、滅私奉公で生きてゆこうという決意であった。もちろん、健康がその原点であるから、無理をしないで、病気前の半分のスピードで、しかし目標をしっかり見据えて、生きてゆこう、と、そう一年前の元旦に決意したのであった。納先生は変わった、と言われる度に、自分でもその変化に気づいていただけに、とても嬉しく思うことであった。まず、患者さんに接する時の気持ちが以前とはまるで変わったと思う。医局員一人一人にたいしても、時間をかけて面倒をみるようになった。これは単に病院長職を離れたから、時間がとれるようになったというだけでなく、何か、変わったのである。学生にたいする気持ちもとても変わったように思う。どう変わったかといわれても、うまくは、表現できないが。このホームページの作成も、その流れのなかでおこったように思う。あのまま、病院長で走り続けていたら、日曜日に時間を作って絵筆をとる現在の自分の姿はありえなかったと思う。神様は、私に、もう一度、人生の生き方を考えさせるために、病に倒れさせてくれたものと思えてならない。
 来年の元旦も、元気に迎えたい、そのために、健康に気をつけながら今年一年を過ごそうと思う。