思うこと 第61話           2006年1月24日 記       

2006年の“年の初め”の読書 −その6− 

日本の今後 −その5−


 読んだ17冊の本のうち、2006年の日本経済の大発展を予測したものが2冊あったことは題58話で紹介したが、その最たる本が長谷川慶太郎氏による「大展開する日本 2006」(左写真)である。 この本の中で、78歳になられる著者は、私達が圧倒されてしまうような熱い情熱で、明るい日本の今後の展開を、明快な口調で予見しておられる。 長谷川慶太郎氏はこれまで幾度も予見を的中させながら第一線のジャーナリストとして活躍し続けてきた実績を持つだけに、タイトルをみて思わず嬉しくなる。
 興味津々で読み進むうちに、一気に読み終えてしまった。歯切れがいい文章も読むスピードを助けた。
 読み終えて、すごい方だと思った。 1頁に2つぐらいのテーマをもうけ、それをわずか10行前後にまとめて論じている。 だから、明快である。 なるほど、なるほど、と納得しながら読み進んでいるうちに、気がついたら読み終わってしまっていた。
 証拠をあげながら強調しておられたのがアメリカの力強さ、そして、日本の底力。だから、世界中のだぶついたお金はアメリカと日本に、今後ますます集まると説く。だから、巨大なアメリカの双子の赤字など、問題にもならないし、事実、だれも問題にしてないからこそ、アメリカにお金が集まると説く。
 私達の学問の世界では、本当にわかった人の書いた論文や著書は単純明快な事が多いのを知っている。 ジャーナリズムや経済分析の世界でも同じようなことがいえるかも知れないとさえ思った事であった。
 ただ、明快な中に、ひょっとしたら、論理の飛躍があるのかもしれない、そう思って読み返すうちに、その可能性もあるような気もしてきた。 
 それにしても、78歳になられてもこれほどの頭脳明晰なご判断をされている長谷川慶太郎氏はすごい方だと、感銘を受けたのであった。