思うこと 第141話 2006年9月17日 記
「任せきる」ことと「信念(夢)を語る」ことの大切さ
『思うこと139話』と『思うこと140話』で人育てのありかたについて述べたが、今朝、私達の教室運営と同じ座標軸の考えに出会い、感動したので紹介する。 それは、数日前に送ってきた日経ビジネス9月18日号の有訓無訓のコラムの中で、ブックオフコーポレーション会長兼CEOの坂本 孝氏が述べている内容だ。 『アルバイトに任せきる「人」で築いた参入障壁』という一見意味不明のタイトルであった。 坂本氏が、16年前、ブックオフの一号店開設にあたりアルバイトを募集したところ、面接に来たのはビデオレンタル店などで不採用になった人ばかりであったことに驚いたと言う。結局、15人ほど採用したけれど、「こんなヤツらで仕事ができるのか」と思わずにはいられなかったという。 金融機関からは融資を拒否されたので、商売を大きくするには(坂本氏の夢は最低でも30店に増やすこと)、出した店で確実に利益を上げる必要があった。 「そのためには、雇った従業員にとにかく頑張ってもらうしかないと考え、彼らの潜在能力に賭けてみることにした」という。 開店準備の期間中、坂本氏は一日の作業が終わると、全員を集めて、毎日話をした。 床に置いたみかん箱に、自分で買って来たビールとするめをすすめながら、夢を繰り返し語った。 「この商売は必ず当たる。 東京進出はもちろん、いずれは東京にもパリにも店ができるよ」と。 このように、夢を語るうちに、アルバイトの目が輝いてゆくのを実感したという。 オープン当日、従業員に「明日からは店の管理を全部任せる。レジのお金も、店の鍵もあなた方に預けるからよろしく」と言った。言われた方は当然「えっ、我々はバイトですよ」と驚いたという。 一号店は順調に発展し、坂本氏は「任せれば人は育つ」ということを確信し、その後も同じやりかたで店を増やし、今では878店に増えている。 ちなみに、今年社長を譲った橋元真由美氏は一号店で最初に雇った15人の1人であったとのこと。
私は、この話を読んで、私達の教室運営の歩みと、基本的考え方が同じであることに感動したのであった。