思うこと 第117話 2006年7月25日 記
『昭和天皇のご発言』に関する従兄弟からのメール
20年前に自ら創業した会社の社長として東京で活躍している従兄弟(70歳)から『小泉首相の靖国参拝は百害あって一利なし』と憤慨のメールをもらったことについてはかって「思うこと53話」で話した。その従兄弟から、私が「思うこと116話」をアップしたその日(7月21日)に次のようなメールをいただいた。
『「思うこと116話」読ませて頂きました。 全く同感です。 日経の今朝の社説も読みました。 日経の社説はたまに首をかしげる場合がありますが、今朝のはまともでした。小泉さんは、地裁が「首相の靖国参拝」に違憲判決を出そうと、昭和天皇が靖国参拝をお止めになった理由のメモが見つかろうと、全く動じない、何も考えない、全然反省しない、お人です。 こんなお人が5年間日本の政治を牛耳ってきたのです。 恐ろしいことです。
率直に申しますと、昭和天皇には何となく反発を感じていましたが、このメモを読んで、彼もなかなか立派な人だったのだと見直しました。 彼に反発していた理由は、彼のラジオの声明で戦争が終わりました。 戦争を終わらせる力があるのなら、始めなければ良かったのに、と思っていました。 あの戦争で亡くなった日本人は300万人以上と言われています。 その他、世界各国で多くの死者が、特に中国で日本軍に殺された人は、一説では2千万人以上と言われています。 実際の数字は今のところ誰も分かりませんが、とんでもない数字であったことは間違いないと思います。
金正日をマスコミを通して見てますと、彼はさっさとこの世から姿を消して欲しいと思いがちですが、この傍若無人な独裁者にも生きる権利はあるのです。 日朝間の問題は話し合いで解決するしかありません。 ミサイルに燃料の注入が始まったら先制攻撃をしていいというものではありません。
盧溝橋で日中戦争が始まり、パールハーバーで日米戦争が始まりました。 もう日本が先制攻撃をかけるのは止めましょう。』
私は、この従兄弟から折に触れメールでいろいろなことを教えてもらっているが、どちらかというと政治音痴のは私にとっては、とても貴重なメールとなっている。
小泉首相の靖国参拝に関しては、私と従兄弟は同じ意見であるが、小泉首相が行ってきた構造改革に関しては、私は一定の評価をしている点、従兄弟と若干の意見の相違があるように思う。 小泉政権前の自民党は、支持基盤の意見を集約する形で動いてきたが、その様な形態が許されないところまで財政収支が悪化してしまった以上、小泉首相みたいな“信長的”、森・元総理の言葉を借りると“変人以上の”個性を持った人間でないと、我が国が追い詰められていたどうしようもない事態をぶっ壊すことは出来ないことを、国民は直感し、小泉首相を選択したともいえよう。 ちなみに、私は、小泉首相が竹中平蔵氏を金融改革の責任者にしたことは、小泉首相の最大の功績の一つと考えている。 竹中平蔵氏をはじめ、民間からのブレーンに力を与えたからこそ、不良債権処理や構造改革に一定の道筋をつけれたと思う。
もちろん多くの課題を残したままでの退陣であるから、小泉首相の後継者には、ひとまず改革を効率よく引き継ぎ推進する“秀吉”が必要であろうし、その後を引き継ぐ者こそは、隣国からも尊敬されながら、日本を理性と英知をもって繁栄する国に安定的に導く“家康”を国民は待望しているし、そしてまたその様な選択することになるであろう。 今、私の願いは、中継ぎ役の“秀吉”が“信長”の悪癖(靖国参拝)だけは引き継いでほしくない、という祈りにも似た願いである。