思うこと 第103話           2006年6月22日 記       

稲盛 和夫氏の訓話に感動して
ーその1ー 無心の心が人を動かす


 稲盛氏の106の訓話の一つ、『無心の心が人を動かす』は、本当にそうだと思い感動した。 会議の最中、大きな声で正論をはく人がいても、その発言の陰にその人の私欲をわずかでも感じたら、それがいかに正論であっても、人はついてゆかない。 稲盛氏曰く、『人を動かす原動力は、ただ一つ公平無私ということです。無死というのは、自分の利益を図る心がないということです。あるいは、自分の好みや情実で判断しないということです。』 この教えは、以下にもう一度示す『出水兵児(へこ)修養掟』の中の赤字の部分、「士は節義を嗜み申すべく候。節義の嗜みと申すものは、口に偽りを言はず、身に私を構へず、心直にして作法乱れず、礼儀正しくして上に諂らはず、下を侮どらず、人の患難を見捨てず、己が約諾を違ヘず、甲斐かいしく頼母しく、苟且(かりそめ)にも下様の賤しき物語り悪口など話の端にも出さず、譬(たとえ)恥を知りて首刎ねらるゝとも、己が為すまじき事をせず、死すべき場を一足も引かず、其心鐵石の如く、又温和慈愛にして、物の哀れを知り人に情あるを以て節義の嗜みと申すもの也。」にあたる。 私の身近な人で、無心の心で人を動かしていった手本は『井形 昭弘先生』である。 先生の薫陶を受けた人々は、いつの間にか『身に私を構へず』の姿勢が身についていった様に思う。 稲盛氏のように世の中に抜群の影響力のある方が、多くの若者にこのような訓話を語りかけてくれていることの意義は測り知れないものがあると言えよう。