個人的出来事 第30話 2006年2月18日 記
オーロラを求めてーその8−
アラスカ7日目
2月17日の朝、パイロットがホテルまで迎えに来てくれた。
マッキンリー遊覧飛行は、ここ10日ほど飛行機が飛べる状況になかったが、私が申し込んでいた今日は、朝から快晴で、風もなく、久しぶりに飛べる状況とのこと。
9人乗りの飛行機に乗客は我々2人だけ、貸切の状態。
マッキンリーの頂上の6000メートルまで上がるにはセスナ機では不可能で、この様なちゃんとした飛行機でないとだめとのこと。
2時間の長時間飛行なので、まず、トイレで膀胱を空にして、用意万端、私は副操縦席に乗り込んだ。。
30分ほどで、目指すマッキンリーが目前に迫ってきた。
この山の見所は、雄大な氷河。
氷河は主峰を取り巻く山々をも取り巻いて、何本も走っていた。
6000メートルの山頂付近の山肌をすりぬけての飛行はスリルと迫力満点であった。
主峰の周囲の山々もまた霊峰とよぶにふさわしい荘厳な姿であった。
滑走路に降り立ってからは、操縦桿でのハンドル操作を託された。
エクサイティングな2時間を満喫したのであった。
もちろん、カメラの全てのアングルは日本画をイメージしながらシャッターを押し続けたので、いつの日か私のHPの画廊に日本画での姿をお見せしたいものである。
17日の夜は、アラスカ旅行最大の出会いがあった。
単に、アラスカ旅行最大というのにとどまらず、私の今後の人生に大きな意味を持つ、重要な出会いであった。
私は、教職の身にあり、学生には常々、「出会いを大切に」と説いてきた。
私は、妻との出会いを筆頭に、井形昭弘先生との出会い、日野原重明先生との出会い、村居正之先生との出会い、等、私の人生を変える大きな出会いがあった。
旅先のホテルで一度だけお会いしたエム・ナマエ画伯も、私にパステル画の扉を開いてくれ、画伯の生き様に、人生の生き方を学んだ。
17日に私が出会ったのは、写真家・柳木 昭信氏である。
柳木 昭信氏はご自身で車を運転されて、ホテルに夜10時に私達夫婦を迎えにきてくださった。
私の、この時点での柳木 昭信氏に関する知識は、この旅行を申し込む時にJTBのパンフレットで下の案内を見た知識だけであった。
撮影法を教えてもらいながら、オーロラ撮影を楽しめることに期待して、申し込んだのであった。
多い時には30人ほどの希望者を相手に教えることもある多忙な柳木昭信氏であるが、この日は、私達夫婦2人だけとのことで、貸しきり状態の車で40分ほど南に下り、私が撮影した下の写真の、フランス人が経営するオーロラ観測ロッジに案内してくださった。
ここに着くまでの車の中で、柳木昭信氏から、オーロラ撮影法の極意を教えていただいたのであったが、私はそのことよりも、これまでの柳木昭信氏の生き様にいたく感動した。エム・ナマエ画伯と出あった時の感動ともまたちがう、不思議な感動であった。私は、オーロラ撮影は中止して、柳木昭信氏の話をお聴きすることに専念したくて、そのようにお願いしたところ快く応じていただけた。
下の写真はロッジ内での柳木昭信氏との記念撮影である。
私の宿泊しているホテル内に柳木昭信氏の写真の展示場があるとお聞きしたので、ホテルに着いてから案内していただいた(下写真)。
お別れしてから、ネットで柳木昭信氏について検索したところ、1,270件出てきた。
その幾つかを紹介しよう。
先ず氏の略歴:
http://www.qphoto-int.com/about/about_Yanagi.html
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柳木昭信氏略歴
柳木昭信 AKINOBU YANAGI
1951年 富山県生まれ。 東京写真短期大学(現 東京工芸大学)卒業。
20代前半より、アラスカ、オセアニア、グリーンランド、ヨーロッパアルプス、中国など世界の大自然をテーマに取材活動を続ける。
1975年〜1982年 単独でアラスカ取材。 1981年〜1986年 ニュージーランドの取材を開始。 1983年 オーストラリアの取材を開始。
現在、世界各地と日本の自然と風土に取り組んでいる。
撮影テーマ 世界の大自然、日本の自然
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写真展 |
「極北・光あり」」 |
東京・大阪 |
1983 |
「大いなるアラスカ」 |
名古屋 |
1985 |
「アラスカの大自然」 |
富山 |
1986 |
「南回帰光」 |
東京・旭川 |
1987 |
「クリスタル・サイレンス」 |
鎌倉 |
1991 |
「オーストラリア大陸」 |
東京 |
1994 |
「地球の大自然」 |
東京ガス新宿ショールーム他 |
1999 |
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出版物 |
「アラスカ」 |
ぎょうせい |
1982 |
「PEACE」」 |
小学館 共著 |
1984 |
「LOVE」 |
小学館 共著 |
1985 |
「ニュージーランド」 |
教育社 |
1986 |
「世界の子供たち(ニュージーランド)」 |
偕成社 |
1986 |
「世界の子供たち(オーストラリア)」 |
偕成社 |
1987 |
「クリスタル・サイレンス」 |
I・P・C |
1990 |
「日本の森を歩く」 |
山と渓谷社 共著 |
2001 |
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氏の作品:
Nikon | ウェブギャラリー | 2002年5月 | 柳木 昭信(やなぎ あきのぶ)<文中敬称略>
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/feelnikon/webgallery/200205yanagi_akinobu/
Amazonで著書を検索したところ22冊でてきた。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-author=%E6%98%AD%E4%BF%A1%2C%20%E6%9F%B3%E6%9C%A8/250-4268742-0134601
この、本当にいい出会いの感動を胸に、ベッドに入ったのは午前5時であった。