日本画の究極の師との出会い
日展の審査員も務めておられ、日本画の世界ではとても著名な村居正之先生が月に1回だけ土曜日に福岡までお弟子さん方を教えに来ておられるとの驚くべきニュースをキャッチし、ツテを頼って入門をお願いした。しかし、入門の掟に“60歳未満であること”の項目があり、この掟は絶対的な条項なので入門をあきらめてほしいと間に立った方から連絡を受けた。村居先生の群青の日本画を本で見て、その絵にすでに魅了されていた私としては、絶対にあきらめるわけにはいかなかった。生物年齢は62歳であるが、日本画に対する情熱では若者に負けないので、ぜひとも入門のご許可をお願いしていただくよう頼みこんだが、それだけでは不安だったので、直接先生にお電話し、入門をお願いした結果、ついに入門のご許可をいただくことができた。感動であった。夢のような出来事が現実に起こったのである。日本画に独学で挑戦してより8ヶ月目目の5月7日に第3作目が完成したのであったが(http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/garou/nihonga/nihonga-dai3sakume/nihonnga-3sakume-kannseimade/michinori.html参照)、その翌日の5月8日(土)に第一回目の指導を福岡で受けた。朝10時から午後5時までの7時間、他の約10人弱のお弟子さんと一緒に教えていただいた。お弟子さんの一人一人が私から見ると雲の上の世界のすごいレベルの方々で、ただただ驚きの連続であった。先生がお弟子さん方を指導される一言一言に感動し、「目からうろこ」と言う言葉があるが、私の場合、何枚のうろこが落ちたかしれない。目標ははるかかなたで、いつたどり着けるか見当もつかないが、努力して、出来れば命のあるうちにたどり着きたい、と、本気で考えて青年の心を燃やしている今の私である。
(平成16年5月14日、神経学会総会から帰る途中に羽田空港にてこれを記す)