たかがクルマのことだけど
修理を依頼するときに
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名医よりヤブのほうがアテになる。これが私の経験です。有名な医師にかかるためには金も時間もかかって痛いときにすぐ見てもらえない。でも、かかりつけの医師は気楽に出向き、過去の病歴も互いに共通に認識しているから説明も簡単だし対応も弾力的に行えるからです。クルマの修理や点検も似ています。どういう使いかたをし、どのくらいクルマの知識や経験があるかを互いが理解してるほど相談がしやすい。
今ではクルマもめったに故障しないから整備士とは疎遠になっていますが、過去の経験をこれから記録しておきますので何かの参考にしていただければ幸いです。
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私はクルマについてわからないときは知り合いの整備士に相談する。「燃費が悪くなっている」と私が言うと、その人は「どんなところを走らせて、どんな症状が出てるんだ」と必ず質問する。この整備士はいつも、「感覚だけじゃダメだ、もっと具体的に説明しろ!」と説教をたれる。
私は燃料を入れるときに積算計(オドメーター)の走行距離を記録してから0に戻す。だから1?あたりの走行距離を出して前回の走行と比べる。また、走行のたびに前回と比較してクルマをチェックする。しかし、外装のことはあまりかまわない。月に2度洗車する程度だ。
整備士はすぐにエンジンルームを開けず、クルマのまわりを回って私に説教を始める。「走らせるヒマがあったらクルマを洗っておけ」、「こんなに荷物を積んでいて何が燃費だ」、「遊びまわっているくせにケチケチしやがって」などと私をさんざんけなす。
オイル交換、タイヤ点検、バッテリー点検、ライト交換などはその人はやってくれない。「そんなことは工具を貸してやるから自分でやれ!」と言う。ただし、私がやり終えてから必ず点検してくれる。
そこで私も修理や点検を依頼するときには、彼の作業のじゃまをしないようにして作業をじっと見ている。この整備士は故障箇所を見せて原因を説明してくれる。たまには作業の手伝いまでさせられる。クルマをジャッキアップして私にクルマの下まで見せる。しかし、整備士によっては他人が傍にいるのを好まぬ人もいるし、質問を嫌う人もいるから相手に応じて対応すべきだろう。
この整備士の場合は凝り性で私の質問に快く応じてくれる。そのたびに、「クルマを動かすのならちゃんと構造を知っておけ」とか、「アイマイな知識を口にするな」と冷やかされっ放しである。
整備士は口うるさくて頑固な人が多いけれど、ドライバーが教えを請うと面倒をみてくれる。彼らは専門家としての自負が強いからアイマイな知識を口にしたり、クドクドと質問すると耳を貸してくれないときもあることを知っておこう。
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ここで忠告をひとつ。修理を依頼したときは必ず明るいうちにクルマを引き取ろう。できれば一度走行した後に引渡しを受けるべきだ。依頼箇所以外の故障が生じやすいからである。エンジンの調整をしたらウインカーが点滅しなくなって大慌てしたこともある。
専門家だってウッカリすることがある。修理の都合で外した配線を元に戻すのを忘れるときもある。また、依頼前よりもクルマの調子が悪くなることもある。点検基準に合わせるためにいろいろ調整してギクシャクすることもある。
専門外といえ、クルマを走らせるのはわれわれドライバーである。自分のクルマの調子ぐらい自信を持って把握しておきたい。依頼した修理や点検がどうだったか確かめるのもドライバーの仕事である。
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