たかがクルマのことだけど

他人を同乗させるとき


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目次
 気苦労のもと
 ●同乗させてはならぬ者を知る
 ●同乗させたい人

 同乗させるときの注意事項


 クルマの運転に慣れないうちは誰かが同乗してくれたらと思うものである。そういうときには他人に同乗してもらうのもひとつの手である。でも、口うるさいベテランは避けたほうがいい。ああだこうだとミスを数え上げ、自分のやり方を押し付ける人に緊張を強いられるのはマイナスである。また、理想を並べ立てるベテランも避けたい。自分だって最初はヘマを繰り返したことを忘れて、ドラ一バーの心理負担や経験不足を無視した説教を並べるのも無責任だ。適度にリラックスさせ、相談しやすいベテランに同乗してもらうのがいいだろう。

 クルマはドライバーが走らせるものだ。不慣れだからといって脅えたり居直ることは禁物である。そして、同乗者のアドバイスや注文は参考意見であって、言われるがままにそれを実行してはならない。同乗者のアドバイスは無責任なものが多い。自分がハンドルを握らないですむ気安さで、自分にできそうもない無理強いをさせるアドバイスもある。経験不足や技術未熟を忘れた意見に惑わされないことだ。クルマを走らせるのは自分であり、そのすべての責任を自分がとらなければならないことをドライバーはいつも忘れないことだ。
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気苦労のもと

 ひとりでクルマを走らせることに慣れると、他人を同乗させるのが気苦労のもとになるときも多い。自分のリズムを崩されるからである。ロクに運転ができぬ者が、聞きかじりのレーシングテクニックを並べ、他車がどうのこうのと煽り、あげくの果てにはドライバーの技術にあれこれ口出しするのが腹立たしい。また、同乗者が年長者や上司であったり異性であるとトイレタイムなどの配慮を強いられるからだ。

 ドライバーが優先することは、同乗者への配慮より、他車や歩行者に注意してクルマを走らせることだ。でも、同乗者に気をとられてまわりを見ていないドライバーが多い。かっこうよく見せようと無理をし、そのツケを他車や歩行者に押しつけるなど本末転倒だろう。いかなるときでも、「気どらない」・「腹を立てない」・「迷わない」の三つを肝に命ずるしかあるまい。
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同乗させてはならぬ者を知る
 
 ストレスが増えればミスは増す。経験から言わせてもらえば次のタイプは同乗させないことである。いずれもドライバーを腹立たせ冷静さを失わせる者で、カッコ書きがその理由である。このほかに気づかいを強いられるタイプもいるが省略したい。
  @知ったかぶりをする者(事後にあれこれ言い出す卑怯者)
  A役に立たない者(お客様気分で気を散らすオドケ者)
  B押しつけたがる者(できもしないことを放言しまくる偽善者)
  C煽りたがる者(違反行為を強いるお調子者)
  D何かと話しかける者(運転のじゃまになる浮かれ者)
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同乗させたい人

 大勢で行動したり、長距離走行をするときは負担を軽減し、疲労防止を図るために同乗してもらったほうがいいときがある。相性が合わない人は極力避けたいが、才能を優先してまかすことも大切だろう。
  @地理に詳しい人、地図を読める人(運転に専念できる)
  A運転が信用できるドライバー(交代して走行ができる)
  Bまがりなりにも運転できる人(長距離走行の場合のリリーフ)
  C気が合う人(運転ができなくてもよい)
  D話題が多い人(他の同乗者をまとめてもらえる)
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同乗させるときの注意事項

 やむをえず同乗させるとしても、ドライバーが忘れてはならないことは「同乗者への思いやり」と「運転上のけじめ」の二つを明確に示すことである。また、人間を乗せることと貨物を積載することとを区別し、ブレーキのかけ方さえ違うことも知っておこう。互いの気苦労を減らして安全に走行させるのがコツである。

 @同乗者への思いやり
   イ トイレや休息時間の確保
   ロ 急ブレーキの禁止
   ハ 不安を増す発言はしない
   ニ 座席の交代(ローテーション)
   ホ 安定した走行

 A運転上のけじめ
   イ ドアの開閉の指示・確認
   ロ 座席ベルトの装着
   ハ 物の投げ捨て禁止の徹底
   ニ 互いの役割の再確認
   ホ ドライバーに話しかけさせない

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