コード進行の修飾
誰にもわかるコード進行 12



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おとずかい
  
音楽ガイド  フォークのこと


誰にもわかるコード進行

(1)転回形と根音・ベース音
(2)クリシェ(ライン・クリシェ)とカウンターライン
(3)セカンダリー・ドミナントやサブドミナント・マイナー
(4)フォークとGSのちょっと凝ったコード展開
終りにあたって

 ここでは四和音や「テンションコード」(四和音に9度以上の音を加えた和音)にはふれません。
 細かい説明は読む人に退屈でしょうし、音符を持ち出すのも面倒です。
 この先はあなたが調べてください。インターネットには詳細な解説があります。
 そのための準備として次のことを知っておくのも無駄ではないでしょう。
(1)転回形と根音・ベース音
 和音の構成音を積み重ねた時の土台の音を「根音」と呼びます。
 また、同じ和音の構成音は順番を移動しても同じとみなされます。
  例:ドミソ(基本形) ・ミソド(第1転回形) ・ソドミ(第2転回形)
 このとき一番下の音を「ベース音」といいます。基本形ならド、第1転回形ならミ、第2転回形ならソですね。
 つまり、根音とベース音が同じのは基本形だけです。
(2)クリシェ(ライン・クリシェ)とカウンターライン
 同じコードが続くときに装飾的に加えられる全音または半音で順次進行させるのがクリシェです。
 根音の2度進行との違いは半音の順次進行がクリシェに含まれることでしょう。
 この場合はコードネームは変わりません。
 また、分数コードを使ってベースラインをそろえることを「カウンターライン」といいます。
 この場合はコードの名前が変化します。
 混乱しないように例をあげておきます。
 ●クリシェの例
   C・C6・C△7・C    ビリーバンバン「白いブランコ」:すべてがCコード内の進行です。
 ●カウンターラインの例
   C・G/B・C7/B♭・F/A  コード名はC、G、C7、Fと変わりベースが半音ずつ下がります。
(3)セカンダリー・ドミナントやサブドミナント・マイナー
 他の調から和音を借用したコードの修飾がセカンダリー・ドミナントやサブドミナント・マイナーです。
 セカンダリー・ドミナントは長調や短調で使われますが、サブドミナント・マイナーは長調だけです。
 ちなみに、サブドミナント・マイナーは長調のコード進行に短調のサブドミナントを使用することです。
 具体的には、Cメジャーの場合Fの次にFmを加えたコード進行です。
 1970年代後半のフォークはこれらの借用和音を使った転調が目立ちます。
 別紙14の循環コードで多少ふれています。
(4)フォークとGSのちょっと凝ったコード展開
 フォークとグループサウンズの始めと終わりを分析しているうちに気になったパターンをまとめます。
 いろいろ工夫をしてるんだなと改めて感じています。
 Aグループサウンズ短調の代理コードF・GとG・Fの使用
  *Fをトニックにするかサブドミナントにするかと悩みます
  北国の二人 Am・F・G・E7
  忘れ得ぬ君 Am・F・G・G
  雨よ降らないで Am・G・F・Am・G・F・Am
  朝まで待てない Am・G・F
  君だけに愛を Am・G・F・E7
  モナリザの微笑 Am・G7・F・E7・Am・F
 Bフォーク:コードの細分化による進行です
  白いブランコ C・C6・C△7・C・A7・Dm     Cの微妙な移動
  紙風船 C・D・Em・C・D・Em        1・2・3・1・2・3
  酒と泪と男と女 C・Dm・E♯m・F・・・        1・2・3・4・3・2・5
  風 C・E♯m・F・G7           1・3・4・5
  ひこうき雲 C・E7・F・△F・Dm         1・3・4・4+・2
  こころは気紛れ C・E7・F△7・C・E7・F△7・E7 まったく気紛れだ
  いつか冷たい雨が C・E・F・G7・Am・C・F       1・3・4・5・6・・・
 終りにあたって
 作曲や編曲に立ち入る気がないのでコードの基本進行はここまでとします。
 順番並べ替えでつまって、棚上げにしたままだったコードの進行を整理しただけマシだと思います。
 箸にも棒にもならない分析にお付き合いいただきありがとうございます。

追記
本文よりも補足や別紙が多くなりましたのでわずらわしいかもしれません。
このコーナーは音楽理論書を読んで理解できなかったことを整理しています。
わからないままでいるより、わかるための試行錯誤も欠かせないと思います。
楽器は音を出して確かめないとおもしろくありませんね。
ひとつでも参考になれば幸いです。

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