ラのつく言葉は紛らわしい
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ラがつく言葉はまぎらわしい。ライターは火をつける道具(lighter)だと思っていたら書き手(writer)だったり、ライトが正義や右(right)でなく明るいとか軽い(light)だったりする。温泉に登場するラドン(radon)とラジウム(radium)も区別がつかない。両方が温泉法の物質に含まれても、療養泉にはラドンしかないのも不思議だ。
ラジウムといえば発見者のキュリー夫人を思い出す。彼女の死因は放射能被曝だったといわれる。それと温泉が結びつくと腰が引けるのは臆病者のわたしぐらいだろう。ラドンはラジウムの水溶液から気体を分離した元素だそうだ。昔はやったヘルスセンターはラドンやラジウムの薬効をうたっていた。放射性物質も使い方で役に立つのだろう。
先日は市内のラドン温泉とラジウム温泉に出向いた。それが銭湯の入浴料金で入れるのが嬉しい。銭湯を沸かし湯だと思い込んでいるのもわたしの無知だった。もっとも、茶褐色の湯になじむのは慣れが必要だろう。
最近は黒っぽい色の温泉に慣れたが、若いころは色付きの浴槽になじめなかった。食べ物の好き嫌いを目でするように温泉も目で判断するクセが抜けきらない。透明とか白い肌にひかれるのは同じようだ。余談になるが、最近読んでいる.新野直吉さんの『秋田美人の謎』(中公文庫)もけっこうおもしろい。
ともあれ、ラがつく言葉はまぎらわしい。ラーメンというから中華そばと思っていたら、強固な建築構造をさすこともある。漢字にしても裸体は「らたい」で、裸足は「はだし」の違いがある。しかたないから、「はだか」と「素足」に使い分けても娘に「お父さんたらいやらしい」と言い出されるのも腹が立つ。入浴の説明もあらぬ疑いを生むもとである。
参考までに辞典をひけば次のとおりです。
●ライター〔lighter〕
点火者。点火器。たき付け。つけ木。喫煙具としての点火器。
●ライター〔writer〕
書き手。作家。著述家。作曲家。記者。
●ライト〔light〕
@光。光線。輝き。灯火。
A明るい。淡い。
B軽い。少ない。軽快な。
●ライト〔right〕
@正しい。正当な。健全な。
A表の。正面の。
B右の。右側の。
●ラドン〔radon〕
希ガス元素の一つ,Rn。
ラジウム塩水溶液から発生する気体を分離して得る。ガンマ線源として使う
●ラジウム〔radium〕
放射線療法や蛍光塗料に使われる放射元素の一つ。Ra。