4ー2 消えてしまった施設

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 確かに出向き、家族の話題にもあがる温泉や宿がガイドブックに見当たらない。反対に、ウサン臭く感じた宿がやけに立派な施設に変わっている。これも時の流れであって、経営手腕や営業努力だけで語りきれるものではない。移り気な観光客に振り回されたあげくに見捨てられられた温泉や宿もあったにちがいない。

ヘルスセンター

 日本で初めてできたのは船橋ヘルスセンターだという。今でいう「健康ランド」で、湯浴びとレジャーを組み合わせた施設だった。都市に隣接した場所にあって、歌ったり踊ったり見たりして憩う場であった。風呂は沸かし湯だったが気晴らしに家族で出向いたものだ。わたしも祖母に連れられて何度も出向いたが最近は姿を消している。

早川温泉

 小田原厚木道路の箱根口付近にあった土産物店が併設していた「早川温泉」が姿を消して久しい。箱根ターンパイクに向かう途中にあって、我が家では箱根や伊豆へ無線交信に出向いた帰りに入浴して汗を流した。二階に食堂もついていて近所の溜り場的銭湯で繁盛していた。風呂は地下にあったが詳しいことは忘れた。夜に立ち寄り食事を済ませて帰るのに重宝していた。慢性渋滞だった小田原厚木道路が西湘バイパスや箱根新道と接続して今ではここで立ち寄ることもなくなった。

御殿場にあった日帰り温泉

 名前は忘れたが東名御殿場インターから箱根に至る旧道にあった日帰り温泉が消えた。バイパスが開通して車の流れが変わったからだろう。まわりにレストランや美術館もあって集客の見込みがあっただろうに、できてすぐに廃業した。近くに市営の温泉会館があるから浮気な観光客を当て込んだのが失敗だったのだろうか。

ガイドブックから消えた

 新しい温泉ができるたびに華々しく紹介されるが、実際にあるのに紙面の都合で掲載されなくなる温泉も多い。市町村合併で統廃合されたと思い込んでいた伊豆の温泉会館をインターネットで調べてみると営業しているのに驚いた。これと同じことがほかにもあるだろう。

ブームで新設されたキャンプ場

 10数年前のオートキャンプは爆発的な人気だった。予約をとるのも大変で人気の施設は2〜3ヶ月待ちもざらだった。そのころは混雑に耐え、入浴するために夜中まで順番を待った。予約をしても使わない者もいて呆れたこともある。我が家にしてもテント設営が面倒でエアコン付きのログハウスに味をしめてからキャンプから遠ざかる始末だ。脱サラ(サラリーマン)で始めたペンションと同様に姿を消したキャンプ場もあるのだろう。