*2008年4月のワタクシ。2*

 

4/22(火)

半年ぶりのダイビングのために、沖縄に出発。
航空券も安く混み合わない連休前に一人で沖縄入りして講習を受け、そのまま後発隊と合流して石垣島へ向かう予定なんだけれど、出発の数日前に郵送されて来た書類には航空チケットらしき物が無い。よくよく見ると、『航空券控え』なるペラ紙にQRコードがポンと入れてある。
心配になってツアー幹事のM氏と石垣班引率のT氏にメールで問い合わせ。多分いいんじゃない、みたいな返答。和裁教室でよく海外出張をするという人がいたので聞いてみたら、最近はそうなんだよと言うのでやっと少し安心した。
旅行は好きだけど準備と後片付けは嫌い。もうダイビングツアーも3回目なのに、何を持って行っていいのか良く分からずグズグズと荷造りする。
でも、今回は夜8時羽田発の便なので、早起きのプレッシャーが無いだけ気楽だったかな。

万が一を考えて早めに出たつもりが、羽田空港に着いたらちょうどいいくらいの時間になっていた。
まだ半信半疑で、取りあえずANAのカウンターで確認して、ちょっとドキドキでQRコードをかざす。ピンコン鳴って搭乗券が出て来る。やれやれ、一安心。
しかし、このペラ紙一枚が、今回のツアーの搭乗4回全てを引き替える、と言うのだから、途中で無くしたりヨレさせないようにしなくっちゃね。どうも苦手だ、デジタルは。

乗ってしまえば沖縄なんてすぐ。10時半には那覇空港に着いて、那覇から『ゆいレール』に初めて乗って、ホテルへ向かう。
ゆいレールは沖縄っぽく、到着音楽も沖縄民謡。駅の改札前には、ちゃんとペアのシーサーが飾られてる。
ネットでホテルまでの地図もGetして、駅から一本道を数分のはずが迷った。電話したら「それは行き過ぎです」と言われた。
慌てて戻ると、見逃した看板がすぐ見つかる。フロントにアロハ姿の“ぐっさん"似のお兄さんが笑いながら待っていてくれた。
その顔を見て話し声を聞いて、ああ沖縄だ〜と実感がこみ上げる。
日頃の夜行生活が祟って、なかなか寝付かれないが、明日は7時半にJAMのスタッフが迎えに来てくれる。6時には起きなくては。
自販機で買ったオリオンビールを2本空けて、それでもなかなか眠れない。

 

 

4/23(水)

7時30分にダイビングショップ『JAM』のMarinaさんが迎えに来てくれる。“ぐっさん"に見送られてホテルを出て、半年ぶりの嘉手納へ。
直接港へ行って、そのままワゴンに荷物を置いて、Jinさんの操船する『友遊丸』に乗船。水着は中に着て来たので、ジーパンをジョギパンに履き替えるだけ。
今回の嘉手納での目的は、AOW(アドヴァンス)取得、という事で、今日明日を使って講習を受ける。
予報が「雷雨」なんて出てたので心配した天候も、まあまあの薄曇り。
今年は東京も暖かい日が多かったせいか、特に気温が高いとは感じないけれど、ボートの風が気持ちいい。
お馴染みさんらしき若いカップルが同乗していて、旅行者かと思ったら沖縄に移住して入籍したばかりの新婚さんなんだとか。

船が止まる。一本目は『大山』。最初の一本は、すごく緊張する。
アドヴァンス講習は、必須2+選択3ダイブ。
まずは『選択1:ボートダイブ』と称して、船の各部の名称等を説明してもらう。高所恐怖症かと聞かれたので普通だと思うと答えると、Jinさんが「じゃ今日は前からね」。
ボートの脇に座って後ろ向きに落ちる『シッティングバックロールエントリー』は体験済みだが、高い位置からの『ジャイアントストライドエントリー』は、最初の時にプールでやったきり。ウェットスーツを着込んでタンクを背負う。
船首に立ってみると、高い。しかも、波は穏やかでもけっこう揺れるし、足下はフィンで不自由だし。マスクとホース類を押さえると両手離しで船首ギリギリに立たなくちゃならない。怖がる暇も無く踏み出した。
船首からJinさんが、「もう少し顎上げた方がいいよ」と声を掛けて来る。海の中で待っていたMarinaさんが引っ張ってくれる。まだ、潜行は思うようにいかず、最初に沈むのをロープに頼ってしまう状態。
Iさん夫婦はかなりベテランみたい(と思ったらダイブマスターですって!)で、お魚になっている。
大山はソフトコーラルとハードコーラルが両方見られるスポット。しょっぱなからシマウミヘビが優雅に泳ぐのに遭遇。綺麗で可愛らしいオオアカホシサンゴガニがサンゴの枝から覗く。
初回は緊張する事もあってか、癒し系ののんびりダイビングでリラックスできました。

続けて2本目は『残波』で、アドヴァンス必須の『ディープダイブ』要するに深い所へ行ってみる、というもの。
事前にボート上でMarinaさんにボード(水中で筆談できるマジックボード)を手渡され、「☆マークを30個描いて時間測ります」これを水深30m(アドヴァンスの基準は18m)でも測って、差を見るんだというもの。☆も30個も描くと、途中で何やってんだか分からなくなって来る(笑)。「たま〜に水中の方が早い人がいるんですよね」Marinaさんが言ったが、やってみたら私もその一人だった(爆)。
水深30m。Marinaさんに付いて耳抜きだけ気にして潜ったら、あっという間に着いてしまった。
言われてみれば確かに、身体が重い。水圧がかかってるのが実感できる。動くとなんだかギシギシする感触。人によっては、『窒素酔い』と言って酒酔いみたいな気分になるそうだけど、それは感じなかった。時間も短かったからかな?
残波は岩のゴツゴツ隆起した『地形ポイント』。ちょっとしたトンネルみたいな所も潜ったり、岩越しに降り注ぐ光を見たり。
ちょっと深いせいか、大きめの魚もたくさん見られた。
岩場に人だかりが出来てるので見に行くと、黄色い大きなヘリゴイシウツボ(→写真はJAMのサイトからいただきました)!スゲー!ウツボでけー!凄い歯!こわ〜い!大興奮。
上がってから「怖がらないね〜」とスタッフのYanさんに言われたけど、いえ、怖いです(笑)。

普通、午前中2本潜ったら昼食を挟んで午後にもう1本、というパターンが多いんだけど、今日はもう一本続けて潜ってしまった。
場所は『ボーロー』やはり地形ポイントで、『選択2:ドリフト』。ボートから飛び込んで潮の流れに乗って移動し、浮上した所にボートに迎えに来てもらう、という物。
途中、岩の隙間に『ホワイトチップ』がいる、とMarinaさんが教えてくれたが、ライトに照らされて見えたのはひるがえるヒレのみ。後から聞いたら、サメの一種だそうな。惜しかった!
そろそろ浮上、という時になって、新米の私が一番先に上がって行ったら、下の方に虹色に光る細長い物が漂っている。横にいるMarinaさんの身長の3分の2くらいの長さに見えた。ウミヘビ!?と思ったけど、クラゲの一種だったらしい。
海って不思議な物がいっぱいだ……触ったら危なかったのかな?はるか足の下だったけど。
本来ドリフトって、流れの早い所でやるようだけど、そうでもなかったみたい。
でも、一通りの方法を知る上でやって良かった。marinaさんがフロート(目印になる浮き袋のような物)を上げて浮上してから皆が一繋がりになって待つと、友遊丸が近付いて来る。海面から見てるとぶつかりそうで、ちょっと怖い(笑)。
この方式だと流れに逆らって泳がなくていいし、同じ場所を回らなくていいから、慣れると楽しそう。
すごい人達になると、本当の急流を回遊魚に会いに行くんだとか。回遊魚の群れは見たいけど、私はまだまだだな。

参考:『はなちゃんのドリフト入門

3本終わって、懐かしのJAMのショップへ。
スタッフであり、私の最初の先生であるMiharuさんが出迎えてくれる…が、その顔、口元に痛々しいカサブタが。自転車でコケたんだそうで、しばらく水に入れないとか。ああ痛ましい…お大事に。
ホテルのチェックイン時間前なのでJAMでシャワーを使わせてもらい、これまた懐かしい近所の沖縄そば屋さんで皆で昼食。トロトロのソーキ(軟骨を含む豚あばら肉)が、最高!
食べ終わって店を出ると、雨が降り出している。かなりの雨脚、ちょっと寒い。
ショップに戻ってログ付けや出会った魚のチェック。
…が、なんてこったい!
私、ログブック(記録用ノート)もダイコン(ダイビングコンピュータ)の取説も、忘れて来てる
荷造りの時に、確かに用意して、布袋にしまって、……そのまま机の上に置いて来た(事が帰宅後判明)。
旅行社が送って来た書類を全部持って来ていたので、その中から用済みの物を選んで、その裏にログを書く。ダイコンは、Marinaさんが使い方を教えてくれた。
すみません、手のかかる生徒です…何しに来たんだ、全く。
ダイコン忘れなくて、せめてもでした。

そうこうするうち、ホテルに入れる時間になったので、お向かいの『ホテル ナヴィー』にチェックイン。
最初の時、ここの部屋があまりに煙草臭いので閉口したが、今回はそんな事も無く、明るい角部屋で気持ちいい。
明日の課題は『コンパスナビゲーション』と『水中撮影』なので、Marinaさんが読んでおいてと教材本を貸してくれたんだが、読もうとすると眠気が襲って来てダメ。今朝早かったので、昨夜あまり寝てないし。
しばらくウトウト、起きてはお勉強を繰り返した後、ちょっと小降りになったので、食料の買い出しに出た。
JAMから徒歩3分程度にショッピングモールがあって、食品、衣料、100均まで揃っているんだが、そこで当面の夕・朝食を仕入れて、服なんか見てブラブラ。水着もある。
実はダイビングを始めて、一番困ってる事が、トイレの苦労だったりする(笑)。ボートにトイレはあるものの、ウェットスーツと水着を脱いで、また着て、というのはけっこうな手間。せめて水着がビキニだとまだしも楽だな…と、物色するものの、断念。
この腹の肉を削ってからだな……次回は、ぜひ

 

4/24(木)

アドヴァンス講習2日目は、ちょっと遠出して『大渡海岸』。ビーチからエントリーして、わりと浅い所で必須項目の『コンパスナビゲーション』。
まずはビーチの駐車場で、服を着たままコンパスの扱いを教えてもらい、何度か陸上でナビゲーションの練習をしてみる。
それから準備して、いよいよ水中でのコンパスナビゲーション。
なんだけど、フル装備でビーチの岩場を歩くのはかなりの重労働、足下も滑るしゴツゴツだし、潜水できる頃には息が切れてる(笑)。
浅めの砂地で、講習スタート。
まずは自分の水中での歩幅と言うか、フィンキック一往復で進む距離を割り出すため、Marinaさんがメジャーを引っ張って30m行って戻って来る。
「ここで待ってて」と言われて砂地で岩に捕まってじっとしていると、どんどん魚が集まって来る!ちょっと感激。いつもジタバタしてるから逃げられるんだね(笑)。
Marinaさんが戻って来てから、砂地に伸ばしたメジャーの上を、フィンストロークを数えながら30m地点まで行き、また数えながら戻って来る。行き27、帰り24。あらら、流れも無いのに、違うものだ。
それから、コンパスを使って行って戻る『180度ナビ』と、右回りに90度ずつ同じ距離(フィンキック回数)回って元の位置に戻る『四角ナビ』。往復はなんとかイッパツでできたが、四角の方は行く手に大きな岩があったりすると、かなりズレてしまう。流れが早い所や、水の透明度の低い所だと、なおさらだろうな。何度かやり直して、かろうじてOKをもらった。

ナビゲーションはなんとかOKを出してもらって、今度は同じタンクで(深度が浅いと空気の減りも少ない)『選択3:水中撮影』の講習。
「スギモトさん魚好きなの見てて分かるから」と、Marinaさんがデジカメを持たせてくれて、魚の集まる岩を教えてくれる。「最低5種類撮影して、後でショップに戻ってから魚辞典で見分けをやります」。
これが、案外難しい。
魚は素早い、私はのろい(水中ではますます)。おまけにデジカメはシャッターにタイムラグがあるから、狙って撮っても逃げて行く魚のシッポしか写らない(泣)。浅い所では身体が浮き易く、砂地でジタバタすると砂が巻き上がって水が濁る。当然魚も逃げる。
でも、楽しいっ!時間を忘れてファインダーを覗いてた。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎて、講習も終了。水中で『AOW合格』のボードを持って記念撮影。
そしてまた、重いタンクを背負ってビーチを戻る…途中Marinaさんが(私の年齢を考慮したのか)「体力ありますね〜」と言って来た。とんでもない、息切れ止まりませんよ(笑)。
もうちょっと、筋肉付けなくちゃなぁ。腰椎看板傷めてるから、要注意。

ビーチから上がり、車に積んだお湯で軽く塩を落とし(気持ちいい〜!)て、直接ウェットスーツの採寸に連れて行ってもらう。
今までレンタルで済ませていたけど、そろそろ自分のが欲しい。ウェットとフィン、マスクくらいは揃えたい。
Marinaさんのアドバイスを聞きながら、色見本や素材見本を見てデザインを決める。シンプルだけど、ポイントにスカイブルーを入れた。
で、採寸。お店の人が一人でメジャーで測ってくれるのを、Marinaさんが手伝って数字をメモしていく。私の悲惨なサイズが全てバレてしまった(泣)…って、水着姿見られれば一目瞭然なんだけどさ(笑)。
2〜3週間で郵送されて来るそうだ。伊豆デビューになるかな?楽しみ♪
昼食後はJAMに戻って、デジカメで撮った魚を『魚図鑑』首っ引きで『見分け』(これもアドヴァンス講習の選択項目)をやる。
最初なかなか見付けられなくて、Marina さんが見分け方のコツをアドバイスしてくれる。大まかな種分けが頭の中でできると、面白くなって来る。
水中で使えるデジカメは、ぜひ欲しいと思うけれど、もう少しダイビング自体が上達してから持った方がいいかな。魚図鑑も、ぜひ欲しいな。ああ、欲しい物がいっぱい。

今日はわりと早く講習が終わって、お天気もまあまあなので、午後は散歩に出た。
嘉手納は基地の街。入れない場所がいっぱいあって、あまり散歩のバリエーションも無いので、ちょっとバスで遠出してみようかなと思ったが、バス停まで行ってやめた。まあ、そのへん歩けばいいや。
前回見落とした高台の公園を発見。嘉手納の街と海が一望できて、なかなかいい感じだった。
海沿いに戻って来ると、ちょうど夕日が海に沈む時刻。沖でサーファーが二人。かなり上手いので堤防に座って眺める。
明日はもう那覇へ向かうので、嘉手納の夕日は今日が見納め、なんだけど、残念ながら今回も海の上は雲が厚く、海に落ちる夕日は拝めなかった。

 

 

4/25(金)

あっと言う間に嘉手納最終日。今日はホテルをチェックアウトして荷物をJAMに預け、講習は昨日で終わったので、ファンダイブを3本。
友遊丸に乗り込むと、他所のショップの人なのか、イントラらしき男性と、かなり慣れた感じの女性一人が一緒だった。
一本目は『神山島ラビリンス』その名の通り迷路のような地形ポイント。
マスクをしてると視界が狭くなる上に、タンクやらホースやらで身体はでかくなってるので、あちこちぶつけながら岩場を潜り抜ける。
岩場は見通しがきかないので、迷子になっては大変と、必死で付いて回る。でも、岩から漏れる光が美しくて、時々見とれる。

ファンダイブになって気付いたけど、以前に比べるとダイビング中に喉が乾かなくなって来たみたい。と言うか、しのぎ方を覚えたのかもしれない。最初の頃はレギュレータから入る空気が乾燥していて、口で呼吸をしなくちゃならないし、喉の壁が乾いてくっつきそうになって、とても苦しかった。気付いたら、ちゃんと唾を飲み込んで喉を潤せるようになっている。おお。進歩!

2本目は『ナガンヌ南』。比較的浅い砂地で、のんびりゆったり、癒し系ダイビング。
ラビリンスと違って視界が広いので安心感があり、魚やイソギンチャクで遊ぶ余裕が持てた。
上がって来たらMarinaさんに「見ると何か触ってて、魚よりスギモトさんが面白い」と笑われた。

雨はどうにか降らずに持っていたものの、風が冷たくて、水中でゆったりしたせいもあってか、ボート上はかなり寒かった。
ベンチコートを借りて羽織らせてもらっても、船上でお弁当を食べながら、箸を持つ手がガタガタ震えて食べにくい。
それでも、食べると少しホカホカして来て、3本目は近くの『ナガンヌ立標』でドリフト。
入るといきなり巨大なカメに遭遇!ひゃ〜!テンション上がる!
どんどん泳ぐMarinaさんを追いかけて、次々カメに出会い、4匹目のカメはコバンザメまでくっ付けていた!
カメは会いたいと思っていたので、気分は上々。食べたおかげも泳いだせいもあってか、さっきまでの寒さをすっかり忘れてた。

JAMに戻ってシャワーを借りて(出発前に髪を切って来て、本当に良かった。楽ちん!)、AOWの仮カードをもらい、「他所行ったらこのカード見せて」と、Marinaさんが世話を焼いてくれる。
アドヴァンス講習、無事終了。面白かったしためになったけど、選択項目には『ドライスーツ着用』とか『ナイトダイブ』もあって、そういうのもおいおい体験して行きたいな、と思う。
またMarinaさんに送ってもらって、那覇へ。先日とは別のホテル。
着いたのが4時半くらいで、荷物を置いて、ゆいレールに乗って『国際通り』へ行ってみた。
以前母と団体旅行で来た事があるが、あの時は慌ただしくて、ニギヤカという印象しか無かった。一人で歩いても…印象にそう変わりはナシ(笑)。
沖縄名産品のお土産店が多いものの、雰囲気は普通に繁華街だ。客引きが多いのが、今時珍しいと言えばそうかも。ホスト風の兄ちゃんに化粧品を勧められたり、美人のお姉さんに琉球ガラスのアクセサリーの説明をこんこんと聞かせられたり。
国際通りからアーケード街が出ていて、そちらは市場っぽくてなかなか楽しい。
青やピンクの魚も売ってるけど買えないので、試食販売していた沖縄黒糖や、沖縄のお菓子(さーたーあんだぎー、かるかん、くんぺん、のーまんじゅう…)を一個ずつ買う。お菓子は日持ちしないのでお土産にはできない。旅行中のエネルギー源(笑)。
奥へ奥へ。八百屋には見慣れぬ野菜やフルーツ、衣料品も独特で、アジアの国気分を満喫。
琉球生地の手作り小物を売る小さな店を見付け、みんさーのハギレを2枚買い(またハギレかよ…いや、今度は無駄にしないぞ!)、お店のオーナーのおばさんと話をすると、どうやら“ゆいレール"で二駅分歩いたらしい。この店はまた来たいので、最寄り駅からの道を聞いておく。
暗くなって来たし、連れが到着するのは10時半くらいの予定なので、国際通りに戻って夕食を取る事にした。でも、いざ店を探すと、目に着くのは居酒屋(一人で入るのもな…)とステーキ屋(いえ、好きだけど、お値段が)ばかり。沖縄そばも、夕食にはちょっと…と、さんざん歩いて、こぢんまりした定食屋を見付けた。
沖縄料理の定食がズラリ。悩んだ末、『じゅーしぃ(沖縄風混ぜご飯)とアーサ(海藻)汁定食』に。ジーマミー豆腐と青菜のおひたしが付いて、とってもヘルシー。

ホテルへ戻ってノンビリ入浴。明日一緒に石垣島へ渡るメンバー2人と合流するはずが、予定時刻を一時間過ぎても到着の連絡が入らない。
そろそろ日付も変わるぞ…という頃、やっと携帯に電話が入った。
今回の石垣ツアーの引率、イントラのT氏。飛行機が遅れたそうで、理由は「鳥がぶつかった」だかなんか、そんな話。
すぐ1階のレストランに降りて行って、T氏ともう一人のメンバーF氏とビールで乾杯して、一安心。
このままだと一人で石垣に飛ばなくちゃならないかと思った…石垣空港までは行ってもその後どーすんねん。なんて思ったりして。
いや〜、無事で良かった。

 

 

 

4/26(土)

ホテルの朝食は6時半から(日常では考えられない早起きだ…)。ゆいレールで5分、朝8時発の飛行機で那覇から石垣島へ。
約50分で到着後、レンタカーを借りて、T氏の運転で、まずは川平湾のすぐ近くのダイブショップ『あくあの時間』へ行く。
ちょっと迷って到着すると、野外のテラスに赤ちゃんを抱いた奥さんと、黒い犬“あくあ"が出迎えてくれる。
我々が潜るのは午後からだと言われて、取りあえず宿を確認に行くが、けっこう遠い、また迷う。
なんで迷うかと言うと、レンタカーに付いてるカーナビが大雑把な所までしかナビしてくれないからなんだが。
仕方無いので宿に電話してみたら、妙な対応で「まだチェックイン時間じゃない」と言って切られてしまった(汗)。
だいたいの場所は分かったものの、普通のマンションの一部をホテル貸ししてるらしくて、どこに行ったらいいのかも分からないし、どーしましょ、と言いつつ、する事も無いので川平湾に戻って見物をした。
快晴という程ではないが、晴れている。水が、エメラルドグリーン。白砂に、マングローブ。アゲハ蝶が飛び交う。同じ沖縄でも本島とはまた違う、まさに南国。
川平湾はバリバリ観光地で、珊瑚礁を見せるグラスボートの出る港だから、観光バスや車でごった返しているが、周辺には何も無くのどかなもの。草と木と花と、時々牛(石垣牛!)ばかりだ。

『あくあの時間』に戻ると、海から車が戻って来たところ。イントラの“のりさん"と先客が一人、60代位の女性。
なんだか、すごい一眼レフ水中カメラを持っていて、撮影の難し気な話をしている。
昼食のお弁当をテラスでいただき、ゆっくり準備して、いよいよ海だ!
のりさん運転の車に乗り込んで、川平湾に降りて行く。草の生い茂る未舗装の道をどんどん進み、白い砂浜に乗り入れて、波打ち際のボートの傍まで乗り付けた。ワイルド〜!
砂浜からなので水にジャブジャブ入って行ってボートに乗り込む。
JAMの船より小降りだが、トイレも付いてると言うので一安心(笑)。いえ本当に心配なのよ、これが。

1本目は『 米原Wリーフ東』。
しょっぱな、慌ててタンクを背負わせてもらったらバルブが開けてなかった!大失敗。死ぬぞ。
やっぱり潜行でモタモタしてしまい、のりさんに引っ張ってもらった。
水中でT氏がデジカメを手渡してくれたので、取りあえずバシバシ撮ってみる。やっぱり難しい!ジタバタ。
初回のせいか、そんなに深くもなく、わりとのんびりムードのコースだったにもかかわらず、私一人が余裕が無くてバタバタしていた感じ。
のりさんは魚や小さな甲殻類なんかを丁寧に紹介してくれて嬉しい。が、私が水中で思うように動けない(止まれないし)ためにシャッターチャンスは逃げて行く。あーあ。
立派なカメラを抱えた女性Yさんは、マイペースで狙った魚を追う、と言うか待つ。もはや匠の風格…。

続けて2本目は『樹下美人』。地形の美しい『根』のポイント。
やっぱり潜行で遅れてしまい、水面から見るともう全員集合地点にいる。急げ、でも焦るな。ああ、はがゆい。
耳抜きが苦手な体質でなくて良かったけど、自力で潜る技が足りない。(これでアドヴァンス…恥)
やはり水深はそんなに深くないが、盛り上がった岩の脇腹に魚が群れ集い、ちょっとしたトンネルみたいな場所もあって、凄く綺麗。お天気もまあまあなので、光が差し込んでまたまた綺麗。
見事なミノカサゴや、この時期ならではという幼魚達。価値の分からん客ですんません…まだ魚なら何でも嬉しい状態なので(笑)。でも、幼魚の方が親より目立つ美しい色合いが多いと言うのは不思議と言うかオツでんな。
クマノミはわりと出会いやすい魚だけれど、今の時期は巣作りで気が立ってるので、「顔を見て近寄ると威嚇音を出して向かって来るよ」との事。『ファインディング・ニモ』そのままの丸っこいイソギンチャク(これが巣だ)に近寄ると、なるほど、真正面からガン付けて向かって来る、健気。そして口を大きく開けて「コン」とも「タン」とも聞き取れる音を出す。ごめん、カワイイ(笑)。

ボートに上がると、今度はタンクがガクンと下にズリ落ちた。
BCの留め具の締め方が間違っていて、ゆるんでいたらしい。死ぬぞ×2。
のりさんに丁寧に教えてもらうが、どうも理解した気がしない。結びモノって鬼門なのよ、私。なんて言ってる場合じゃない。

ダイコンの記録を見ると、水温25〜6℃。嘉手納では21〜2℃だったから、やっぱり石垣、南だなぁ。感激。
Yさんは大きなカメラ抱えて上がって来ると「パンダ(魚の愛称らしい)撮れた!」と満足顔。いいなぁ。今日が最後で明日帰り、明後日からお仕事だとか。カメラも水中で初めて使い出したと言うから、すごい。タフで頑張ってる先輩に会えるのも楽しみの一つだね。
ショップに戻り、シャワーを使わせてもらって、皆で一緒にログ記入をし、コメントを交換。
今日見た魚を図鑑でもって丁寧に説明してもらい、やっぱり魚図鑑、一冊欲しいな〜と思う。
一緒に来たF氏はログブックにボールペンで魚の絵を描いている。精密画もラフスケッチも、物凄く上手い!と思ったら、一級建築士なんだそうだ。プロじゃん!(って、私もプロのはずだけど…全然レベルが違います)
周辺には殆ど店も無いので、石垣港近辺まで出かけないと食料の調達もままならないらしい。のりさんにオススメの居酒屋や食料品店を教えてもらう。
我々が潜ってる間に、奥さんが宿に電話してちゃんと連絡をとっておいてくれて、一安心。朝の電話は子供の留守番だったようだ。

夕方になって宿に車で到着すると、隣の家から大家さんが出て来て出迎えてくれた。
地元の人らしい、のんびりした話し方の、綺麗な奥さん。どうなる事かと思ったが感じが良くてホッとした。
4階建ての、コンクリート打ちっ放しの異様にシャレた建物で、最上階の3部屋が我々に貸し出された。
広々したフローリングの部屋は新しく綺麗で、海が見渡せて、キッチンもしっかり用具が揃い、ベランダには洗濯機まで!
マジ、ここに住みたい。…あ、車の運転は必須項目だな…ううう。週貸し、月貸しもしてるそうだ。その名もコバルトオーシャンビュー
「屋上でバーベキューやるなら、一声かけてね」大家さんは気になる一言を残して去った。

荷物だけ置いて、すぐ街へ出かける。
石垣港の近辺は、結構な街だが、宿から約20km。その間はエンエンと緑、また緑だ。
イントラのT氏もF氏も飲む気マンマンだし、運転に関して私は戦力外(飲む気もマンマンだけど) 。帰り道は代行を頼む事にしてレンタカーで出発。
朝食用の食料を買い込んで、のりさんの教えてくれた居酒屋の一つに入る。
別ルートで知り合いのN夫婦が石垣に来ているというので、T氏が連絡を取っていたが、今日はニアミス。残念。
本当は石垣牛が食べたかったんだが、値段を聞いて引いてしまった(笑)。いや和牛としては高い値段ではないんだろうけど、グルメツアーに来たんじゃないし。居酒屋メニューでちょっと食べればいいじゃん、という事で。
しかし居酒屋の料理は、だいたいとても美味しかったけれど、『石垣牛の串焼き』はイマイチだった。焼き過ぎ?うーん、惜しい、石垣牛。

 

 

4/27(日)

晴れ!
神戸から来たH夫婦が加わり、総勢6名で1本目は『大正ロマン』。ちょっと深い砂地と起伏のある岩場。
相変わらずタンクの固定の仕方が飲み込めない。間違ってる事だけは、何とか分かるようになったけど。
バルブは開けたが、今度は弛みを持たせるのを忘れてる。死ぬぞ×3。
魚ぐっちゃりも、サンゴどっさりも、慣れたと言っては申し訳無いが驚かなくなってる。でも今回は、でかいアジの群れが横切った(撮れなかった!デジカメが節電モードでoffになってた〜)りして、ひと味違ったダイナミックな光景が見られた。

2本目はいよいよ、今回のメインイベント、『石崎マンタスクランブル』!
ボートで海を突き進むと、船がかたまって停まってるのが見えて来る。
マンタというのは小魚についばんでもらって身体をキレイにするんだそうで(『共生』ですね)、小魚達の集まる“根"(水中に丘のように盛り上がった部分)の上を舞って掃除してもらう場所をクリーニングポイントと言うそうな。石垣のここ石崎マンタスクランブルは、その世界的名所。
入水前にのりさんからマンタ見学のマナーを色々と伝授される。根の上に行くと小魚が散ってしまうので下にいる事。マンタが真上に来た時は脅かさないため呼吸を控えめに。混み合うので他のツアーに着いて行かない(これ、やりそうになりました)。オスとメスの見分け方。
と、いう事で、潜ってのりさんに付いて泳ぐとすぐに、根の元に着地。
すると待っていたように、一枚の(マンタは一枚二枚と数えるらしい…干物みたいだ・笑)マンタが飛来。オスだ。
今日もT氏に貸してもらったデジカメで、とりあえず撮る。距離が(と言うより高さが)あるせいかフラッシュが届かず水色画面になってしまってるが、とにかく撮る。
距離のせいか、思った程大きさも感じられないが、動きはスローモーションフィルムのようで、何とも優雅。根の上をぐるぐる周り、消えたと思うとまた戻って来てゆっくり回る。
なにかとても、神聖な印象があって、何度となく息を飲んだ。
何度目かに視界からマンタが消えた時、戻るのを待ちながらふと見回すと、いつの間にか周囲に物凄い数のダイバー達が集結している!
一緒に潜った人達と後で話したところでは、多分ダイバーは100人以上、集まったボートは24隻だったそうだ。上を見上げると、シュノーケリングだろう、水面に浮かぶ人影も見える。根の周囲はグルリと、ダイバー達の吐く気泡が立ち上がって、円柱形の檻のようにも見える。
マンタはまるで見物人を意識するみたいに、根の天辺でひらりと宙返りをしたかと思うと、こちらに向かって泳いで来た!
ま、真上!!取りあえずシャッターを切る、あ、泡、泡出しちゃダメと思うけれど興奮して吐いてるか吸ってるか良く分からない(笑)。
マンタはそんなちっぽけな奴らを尻目に、悠々と碧い彼方へ消えた。

ボートに上がってタンクを下ろしたらガクッと膝が折れた。目眩?ちょっとバテたかな。(後で考えたら、マンタに夢中で海底で息を止めてた事が多かったかも。昼食食べたらすぐ回復。)
お昼を挟んで、『吉原アーチ』。その名の通りアーチのある変化に富んだ地形ポイントだ。
ボートの上で、なかなか潜れないと話したら、のりさんが「ウエイト付け過ぎ」と言うので1kg減らして2kgで入ってみる。今までも浮き上がって困ったのに軽くするの???と思ったけど、今回は浮いて困る事はなかった。あら不思議。
入る時はまだちょっとジタバタしたが、コツを教えてもらったので頑張って息を吐く努力をした。水中で肺の空気を抜くのって、意外と度胸がいるんであった。無意識に胸一杯吸い続けていた事を自覚。こりゃ沈まんわ(笑)。
そして、Tさんもアドバイスをくれた。「準備を早めに始めて先に飛び込んでしまえば、潜行が遅くても焦らずに済むよ」。おお!そうか。何となく真っ先に飛び込むのは気が引けてモタモタしてる事が多かったんだが、考えてみればもっともだ。
それで、今回は早めに支度してサッサと飛び込んだ。まだ水面でちょっとモタ付いたが、多分そんなにお待たせしないで集合場所まで行けた。よしよし、エライぞ、私。
と、思ったのもつかの間。
泳ぎだしたら、マスクが曇る。泳ぎながらマスククリア(これだけは、OW講習でMarinaさんにさんざん笑わされてバッチリ練習済み)。またすぐ曇る。岩がゴツゴツ凹凸の激しい間を縫って進むので、視界が曇るとかなり怖い。
…マスクの曇り止め、忘れた……。
皆より先に入ろうと思うあまり、今度は曇り止めを忘れて飛び込んでしまったんであった。あー、もう。
仕方ない。マスクに少し水を入れてチャプチャプ洗いながら泳ぐ。ちょっと目が沁みる(とは言っても思う程ではない。真水よりずっと楽)けど、見えない不安よりずっとマシだ。
視界の悪い海って、怖いだろうなぁ。今までずっとキレイな所でしか潜った事ないけど。(とか言って話をそらすな、コラ!)

水から上がると、H夫人の顔にウッスラ鼻血の跡が!耳抜きが苦手で、たいがい鼻血が出て抜けるのだとか。それでダイビング歴70本!ひ〜。
イントラT氏も「鼻血出るよ」と言う。すごい、私鼻血出して続けられるだろうか!?ドキドキ。
今日もショップのテラスでログ付けをして、お茶をいただきながら話をする。
私が使わせてもらっているT氏のカメラが、接写に強いんだとのりさんが教えてくれた。水中で半シャッターなんてやってる余裕が無かった…まさしく宝の持ち腐れ。魚は無理だけど、サンゴの中のエビとか、カラフルなウミウシなんかは撮れるかも!楽しみが増えた。

今夜は街へ買い出しに出て、宿の屋上でバーベキューをする事に。
初日に大家さんがチラリと言っていたので、昨夜星を見がてら確認してみたら、用具はすっかり揃っているし、他の人が面倒がるかな?と思ったら二人とも乗り気だった。ヤッター!早速大家さんにお許しを願う。
また20 kmの道を行き、大きなスーパーへ入るが、期待の石垣牛は厚切りが二切れあるきり。肉好きの私は「他に店無いの?」と思ったが(笑)仕方ない。あとはOGビーフと薄切り肉で妥協、いや納得。野菜も切ってある詰め合わせがたくさんあったし、焼きそば代わりに沖縄そばも用意。乾きモノも多数購入。ビールに泡盛、氷に水。すごい大荷物。
屋上へ戻って準備を始めると、F氏がとってもテキパキしている。
曰く「私は娘3人を育て上げたから」。うーん、お父さん、すごい。
最初は電熱プレートが目に付いたので、それでちゃちゃっと焼けば上出来、と思っていたのだが、ガスがプロパンなのでガス台ごと運んで来て大きな鉄板を乗せた。見れば炭焼き用の道具も揃っている。
焼くのも切るのも味付けも、今夜はF氏の独壇場であった。焼きそばも見事な手際。食い過ぎだと思うが止まらない(爆)。
一切れの3分の2ずつだが、念願の石垣牛も食べる事ができた。いや〜ウマイのなんのって!トロトロのジューシー。
とは言ってもOGビーフもまた旨く、豚の薄切りもF氏が焼くと妙にウマイ。
今夜は薄曇りで星は少ないが、空気は澄んで蛙の鳴き声が響く。ビールの旨い、良い気温。


 

4/28(月)

えっ、もう終わり!?
今日で潜りは最終日だ。
朝は9時集合とゆっくりだがハイになってるせいか5時には目がパッチリ。
朝日が見られないかと屋上に上ったが曇っているので、デジカメを持ってプラプラ散歩に出た。
緑が本当に、濃い。南国のシダやツル、ソテツ。家々の垣根にはハイビスカスが使われ、色とりどりのブーゲンビリアが軒先を飾る。青い朝顔や、白い小菊がはびこる。鳥の声、蛙の声。
本島と違って、シーサーはあまり見かけない。文化が違うのか、古い家が少ないせいか?聞きそびれてしまった。
街へ向かう大通り(1車線だけど)に出ると、向こうからジョギング姿の白人3人が英語で叫びながら走って来る。
ジョギングにしてはテンションが高いな、と思ってやり過ごそうとしたら、大興奮の体で英語で話しかけて来た。通じないっちゅーの
なんだか蛇を見て興奮しているらしかった。「見たか?」と聞くから「知らない」と言ったら通じないと思ったらしく執拗に繰り返す(笑)。
黒と緑(黄色説と分かれていたが)の縞模様の巨大な蛇が、大通りを200mばかり走って消えたらしい。道路こそ舗装されてるが両脇は南国のジャングル状態。巨大でも生き物が隠れる場所はいくらでもある。なんて事は英語で語れない。
「危険か?毒はあるのか?」と聞かれて、多分それは無い、と答えた、本当は知らないんだけど、ハブだったらもっと地味な色だし小さいから。なんて事も説明できないかな〜と考えていたら、取りあえず安心したのかコイツはダメだと思ったのか、手を振って走り去った。
蛇ねぇ。見たかったな。出て来たら腰抜かすけど(笑)。

初日に買い込んだ牛乳が、T氏の部屋に置きっ放しになっていた(私が飲みたがったのだ)のをやっと思い出し、集合10分前に電話を入れると「今全裸です」。入浴中だった。鍵を開けてもらって冷蔵庫から牛乳を取って来る。朝はやっぱ、牛乳でしょ。

1本目は再び、石崎マンタスクランブルへ。
昨日は一枚きりだったので、ちょっと物足りない、という事で、今日は混まない朝一に狙って行ったが、残念、マンタはいなかった。
(後で考えたら昨日は日曜日で特別混んでいたような…曜日の観念なんてブッ飛んでした。まあ、いいや)
いっこうにマンタが現れないので、のりさんは岩の隙間やらトンネルに案内してくれる。「トンネルを抜けたらそこに…マンタ!のはずだったんだけど…」いたのはダイバーばかり。結局マンタ2本目は不発に終わった。
本当はマンタは、秋の方が集まるんだそうだ。多い時はもう、マンタの乱舞状態だとか。
見たい!マンタの乱舞。
今日は取りあえず、青くてでかいナンヨウブダイがすぐ近くで泳ぎ回ってて全然逃げない。なんかさかんにガチガチ言っていたけど、あれは威嚇?独り言?

2本目は『米原Wリーフ南』。
NHKのドラマ撮影の船が出ていた。こういうロケって大変そう。ご苦労様です。
曇り止めを忘れた話をして以来、T氏が忘れず曇り止めを貸してくれて、さて、潜行。だいぶ慣れて来たぞ。
足を下にした直立姿勢が、あまり崩れなくなって来た。ゆっくり細く息を吐く。吸う時は早く少し。またゆっくり吐く。教わった事を頭の中で繰り返しながら呼吸する。足が上がりそうになるとついジタバタしてしまうのを頑張ってこらえる。すうっと沈む感覚が、あった。
石垣に来た最初の時は、潜行だけで180あったエアーが100まで減っててビックリしたが、今日は150まで行ってない。どれだけ無駄に呼吸してたか。
上達した手応えがあると、何とも言えず嬉しい。
細かいサンゴの林みたいな茂み。枝の隙間から色んな魚が覗いてる。口に卵を入れて(口内保育)オタフク顔になってるカスミヤライイシモチもいる。
サンゴの枝の下で、大好きなハリセンボンがお休みしている所を激写!ああ、カワイイ。
さんざん付きまとってフラッシュ焚きまくったが、ジ〜ッと休んでいて膨らまなかった。

H夫妻は2本で終了。昼食を挟んで、今度は我々3人+のりさんで『荒川ヨスジの根』へ。
最後にタコを見付けてつつき回して(危ないんですよ)炭を吐かせて終了。
ボートに上がって「あ〜終わっちゃったよ〜」ちょっと悲しい。帰るのイヤになっちゃう。
「まあ、タコも見たし」「最後がタコかぁ」なんて話しながら、暖かいお茶をいただく(潜った後は熱い紅茶を出してくれる)。
と、のりさんが、これが気持ちいいんだと残った紅茶をウェットスーツの中に入れだした。真似しておっかなびっくり肩からかけていると、「そうじゃなくて」と背中のファスナーの開いてる所から流し込まれる。キャ〜!ちょっと熱いのがウェットの下を通って流れ落ちて行く、背中から脚と、だんだんぬるくなっていくのが、なるほど気持ちいい!
色んな気持ちいい事が、いっぱいあるなあ。

午前中は薄日も差したが、とうとう降り出した。行いの良さも尽きたか…と言い合いながらショップへ戻り、激しくなった雨のおかげで機材を片付けるのもままならず。
T氏は携帯で残して来た仕事の話をしてる。なんだかトラブッたとかで、携帯電話って残酷。追っかけて来る仕事も無い私の状況も、残酷だが(笑)。
明日はもう、飛行機に乗るだけなので、『あくあの時間』のお勘定を済ます、という段になって、大失敗!所持金が足りない
なんかボーッとしていて、郵便局でお金を降ろすのをすっかり忘れていたんだった。
F氏に立て替えてもらって払う。ああ、情けない。
夜はまた街へ出るので、郵便局のATMに寄ってもらったら、タッチの差で時間切れだった。なんてこったい!

夜は街で、H夫妻とのりさんと一緒に打ち上げ宴会。
初日からニアミス続きのN夫妻に連絡して合流、やっと会えた♪
T氏はダイビングが終わった開放感からか、いつもの調子が出て来て、後からのりさんが来た頃にはすっかり元気になっている。別人のようだと言われていた(笑)。お疲れ様。
居酒屋で食事の後、のりさんオススメ『沖縄民謡酒場』というのに連れて行ってもらった。
初めて行ったけど、なかなか凄い所だった(笑)。なんでも、夕方は観光客が多くて盛り上がらないので、夜も更けてからでないとダメ、だとか。どんな盛り上がり!?
最初は普通に飲み屋っぽかったけど、やおら客席から立ち上がる和服姿の出演者3人。いい感じの沖縄民謡を続けて演奏した後で、飛び入り参加を呼びかけるや、客が出て行って歌い出す。
T氏とF氏も舞台に上がる。F氏はパーカッションをたたいてる。な、何者……そう言えば昨夜肉を焼きながら、ジャズバンドをやってると言っていたっけ。
なんか良く分からないが泡盛は回るし沖縄の人は踊りが好きという事で踊るし息は切れるし大騒ぎ。
気が付けばT氏とのりさんは肩を抱き合って語り合っている。

3軒目は、H夫妻、N夫妻は帰り、我々3人+のりさんで。
最初誰かが「ラーメン」と言い出してどうしたものかと思ったが(笑)、ラーメン屋は適当な所が無かったのか、入ったのは普通の飲み屋のようだった。
いきなりF氏が「おでんがある!おでん4つ!」「4つは多い、2つで充分」…ブレードランナーなやり取りの末おでん2皿を注文し、ビール。泡盛の後のビールが美味しくてビックリ。踊ったし歌ったし笑ったし、喉が乾いてたようだ。
出て来たおでんにまたビックリ。
一皿に一本ずつ、豚の脚がゴロンと乗っている!ひゃ〜。
いわゆる『テビチ』というヤツだ。沖縄の人は好きで、よく食べるとは聞いてたけど、おでんに入れるとは知らなんだ。
これがまた、大根や練り物と良く合って、美味しい!さんざん飲み食いした後なのに、コラーゲンたっぷりで美容にいいとか言いながらペロリと完食、多分カロリーの点から美容には良くないと思う。
美味しかったけど、豚足なんて売ってないもんな〜、真似できない。中華街とか行けば買えるかな?豚の足。

 

 

 

4/29(火)

今日はもう、帰るだけ。
いやいや、まだ精算が済んでない。昨夜の飲み代も、F氏任せになってしまってる(だって財布の中身は200円だったんだもの)。
名残惜しい緑色の海に別れを告げて、出て来てくれた大家さんにもご挨拶をして。
街へ出て、やっと郵便局でお金を引き出したものの、昨夜のお勘定はなんだかグチャグチャになってたようで、結局かなりまけてもらってしまいました。すいません、ごちそうさまです。
T氏にも、F氏にも、本当にお世話になってしまった。車の運転もできないし、肉も焼けないし。ダイビングがそもそも、一番下手だし。
でも、当初3人のツアーと聞いて、ちょっと寂しいかな、と思ったけど、それは全然無かった。えらいニギヤカだった(笑)。

石垣空港で慌ててお土産を買い込んで、11:20出発。
潜ってる間は何ともなかった耳が、飛行機でちょっと痛かった。
やっぱり続けて潜ると負担はかかるのかな。耳、大事にしなくては。
音楽を聴きながらウトウトしていると、ひんぱんに機内放送が割り込んで来て目が覚めてしまう。飛行機が揺れるのは仕方ないけど、機内販売とか、そんなに頑張らなくても…と、ちょっとウンザリした。眠い。
那覇の乗り換え時間は短かったので、羽田到着は3時前。
T氏は仕事、F氏はその足で「バンドの合宿」へ向かうんですと。
私は家に帰って、寝ます。爆睡。

あーあ、終わっちゃった!

 

<後日談>
風邪ひきました、戻った翌日は元気で洗濯三昧の上走りに出たりしてたんだけど、その翌日から喉が痛くなり、2日後には鼻がズルズル。
はしゃぎ過ぎ?
地道に体力付けていかなくちゃね…。