DSM

■チェック用語

・DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)
      アメリカ精神医学会(The American Psychiatric Association, 
      Washington D.C.)が発行する精神疾患の分類と診断の手引書です。
      1980年に「DSM−III」が出て、現在は「DSM−IV」が出ています。

      DSMの中では、うつ病の人は3分の2は完全に治る、部分的に、
      もしくは全く治らない人が3分の1いるといわれています。
      一回うつ病が発症すると、次に再発する確率が大体50〜60%、もう一回
      再発すると70%の再発の可能性が出てきます。2回エピソード(症状の
      発現)があると、次は90%に上ってしまうため、再発をなるべく防ぐと
      いうことが大事になってきます。

      うつ病やそのほかの精神疾患の診断基準としては、アメリカ精神医学会の
      「DSM」の他にも 、WHOの「ICD−10」があります。

・電気けいれん療法(ETC)
      電流を頭部に短時間通電することを繰り返し、各種の精神症状の改善を
      図る療法です。
      麻酔下で無けいれんで行う手法が使われることが多く、症例によっては
      きわめて効果的です。

・認知療法
      認知、つまり現実の受け取り方や考え方が私たちの情緒状態に影響を
      与えるという理解にもとづいて、悲観的すぎる認知をより現実的なものに
      修正し、問題解決を手助けすることによってうつ病を治療しようとする
      ものです。
      とくに、うつ病の場合には、自分自身に対して、周囲との関係に関して、
      そして将来に対して極端に悲観的になっており、その悲観的な考えが
      ますます気分を沈み込ませることになっていることから、現実的な問題に
      目を向けながら悲観的すぎる考え方を修正することになります。

・対人関係療法
      対人関係のつまずきがうつ病の誘因や持続因子になっていることが多い
      ことから、対人関係の問題の解決を通してうつ病の治療を図ろうとする
      ものです。
      とくに、精神的に重要な位置を占めている親しい人との別れや意見の
      食い違い、役割の変化に伴う人間関係の変化、対人関係の持ち方の
      スキルの問題に焦点づけて精神療法が行われます。 

地域におけるうつ対策検討会報告書(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5.html

■補足
うつ病の治療には、薬物療法などの生物学的治療、精神療法、環境調整の
3つがあります。

「電気けいれん療法(ETC)」は、生物学的治療のひとつです。
「電気けいれん療法」は、以前虐待に使われたといったこともあり、あまり
いいイメージを持たない人も多いと思いますが、症例によってはきわめて
効果的だといわれています。
「電気けいれん療法」について、詳しくはこちらのサイトが参考になります。

「ETCについて」統合失調症ネットワーク
http://human.kdn.ne.jp/

「認知療法」「対人関係療法」は、精神療法(心理療法)です。

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