院内感染
■チェック用語
・院内感染
(1)医療施設において患者が原疾患とは別に新たにり患した感染症、
(2)医療従事者等が医療施設内において感染した感染症のことです。
人から人へ直接、又は医療器具等を媒介して発生します。
特に、免疫力の低下した患者、未熟児、老人等の易感染患者は、通常の
病原微生物のみならず、感染力の弱い微生物によっても、院内感染を
起こす可能性があります。
このため、院内感染防止対策は、個々の医療従事者ごとに対策を行う
のではなく、医療施設全体として対策に取り組むことが必要になって
います。
・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
1961年に、英国で発見されました。
1970年代に米国で、1980年代に日本でも確認されるようになりました。
メチシリン(抗生物質の名称)に耐性(抗生物質が効かない)を獲得
した黄色ブドウ球菌です。
抗生物質の乱用が元だといわれています。
その後、メチシリンだけでなく他の抗生物質、消毒にも耐性をもった
菌があらわれ、現在の院内感染の主流になっています。
・VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)
MRSAの治療に使用されるバンコマイシン(抗生物質)に対して
耐性を獲得した腸球菌です。
・ノロウイルス
1968年に、米国オハイオ州ノーウォークの小学校で集団発生した、
急性胃腸炎で発見されました。
その後、似たウイルスが発見され、詳しく研究されて
2002年、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。
汚染されていた貝類を、生や十分に加熱しないで食べたり、食品取り扱い
者から感染したりします。
日本では、サルモネラ属菌に次いで発生件数が多く、冬に発生すること
が多い食中毒です。
五類感染症「感染性胃腸炎」の一つに分類されます。
ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
ノロウイルス対応標準マニュアル
東京都福祉保険局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/noro_manual.html
■補足
院内感染防止に関する留意事項としては、
感染制御のために、院内で組織化(院内感染対策委員会を設置)し、院内感染
対策マニュアルを作成、感染症情報の共有化をする。
標準的予防策(手袋・ガウン・マスク等を正しく着用する)や、感染経路別
(対象患者や、対象病原微生物などの特性に応じた)予防策をおこなうこと。
手洗い及び手指の消毒を行うこと。
注射針使用時の針刺しによる医療従事者等への感染防止を行うこと。
空調設備、給湯設備などの環境整備や、院内の清掃、必要に応じた消毒を行う
こと。
などがあります。
医療施設における院内感染の防止について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0202-1.html
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