動物由来感染症
■チェック用語
・動物由来感染症
動物から人間へうつる感染症です。
病原体の伝播は直接伝播(感染源である動物から直接人にうつる)と、
間接伝播(感染源動物と人間との間に何らかの媒介物が存在する)の、
二つに大別されます。
さらに間接伝播は動物の体から出た病原体が周囲の環境(水や土壌など)
を介して人間にうつるもの、感染動物体内の病原体を節足動物など
(ベクター)が運んで人間にうつすもの、および人間が利用する畜産物が
病原体で汚染されている場合とさまざまなタイプがあります。
対応には、医学と獣医学の協力が必要です。
・オウム病
病原体はオウム病クラミジアです。
感染症法では4類感染症に指定されています。
もともとトリからトリに感染します。人も汚染されたトリの羽毛や
まき散らされた排泄物などを吸い込んで感染します。
人が感染すると、突然の発熱、筋肉痛、全身倦怠感などの
インフルエンザのような症状を示し、ひどくなると肺炎になります。
・ウエストナイル熱
ウエストナイルウイルスによって起こる感染症で、主に蚊によって
媒介されます。
発症するまでの潜伏期間は 3〜15 日間、頭痛や発熱などの風邪に似た
症状が現れます。
発症しても軽い症状のまま自然治癒することがほどんどですが、高齢者
などでは脳炎や髄膜炎を起こす場合もあります。
ウエストナイル熱は、従来アフリカ、ヨーロッパ、西アジアで患者発生
報告がありました。
アメリカ大陸での患者発生はありませんでしたが、1999年
ニューヨーク市周辺での流行が報告されたことから、大きな注目を
あつめました。
■補足
鳥インフルエンザウイルス感染症もそうですが、「動物由来感染症」は近年
問題になっています。
他にも、サルの「エボラ出血熱」「マールブルグ病」とか、
海外から輸入されるプレーリードッグについては、現在日本にない危険な
ペストを持ち込むおそれがあり、輸入禁止になっています。
プレーリードッグというのは、リス科の小動物です。
また、「エキノコックス症」というのは、寄生虫の11種です。
成虫(親虫)と幼虫(子虫)がいますが、成虫は主としてキツネに、幼虫は
野ネズミに寄生しています。成虫は卵をつくりますが、その卵が何らかの
機会に人の口に入ると、腸で卵から幼虫となり、主に肝臓に寄生して
「エキノコックス症」という病気を引き起こします。
感染症法に基づく獣医師が届出を行う感染症と動物について
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/10/tp1001-4.html
動物由来感染症を知っていますか?
http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/
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