個別療法・集団療法
■チェック用語
・個別療法
理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士が患者と1対1で訓練を
行います。
・集団療法
理学療法士等が1対複数の患者に対して訓練を行います。
・廃用症候群(はいようしょうこうぐん)
使わないこと(廃用)によって様々な身体的・精神的機能低下が
生じますが、それら一連の症状を廃用症候群と言います。
例えば健康な人であっても、ベッド上で安静臥床を続けていると、
下肢の筋力は1週目で20%、2週目で40%、3週目で60%も低下すると
言われています。
さらには下肢の骨が弱くなり、体を起こそうとするとめまいがして
座ることができなくなってしまいます。
使わないことによる機能の衰えは、筋肉・骨・関節・皮膚・心臓・
呼吸器・消化器・尿路等身体の多くの部分に生じます。
筋肉では筋萎縮や筋力低下を、
関節では関節拘縮(かんせつこうしゅく)を、
皮膚では褥瘡等、
意欲低下や痴呆等精神機能の低下も現れます。
廃用症候群の症状は様々ですが、これらの症状が単独で存在することは
まれで、実際にはほとんど常にいくつかの症状が同時に存在し、
しかもそれらが相互に影響しあっているていると考えられます。
・関節拘縮(かんせつこうしゅく)
関節の動く範囲が制限された状態です。
無理に動かそうとすると痛みを生じます。
■補足
何らかの原因によって生活が不活発化すると、廃用症候群が起こります。
廃用による下肢の筋力低下が生じて歩くことが困難になると、生活は不活発に
なります。
すると、筋力低下が進み、他の身体的機能低下(骨がもろくなる、心肺機能の
低下等)、も起こってきます。
さらには意欲低下等の精神的機能低下も現れ、ますます生活の活動能力が低下
していくという悪循環におちいります。
また、1日間の安静によって生じた機能低下を回復させるためには1週間かかり、
1週間の安静により生じた機能低下を回復するには1か月かかるといわれます。
廃用症候群は、回復に時間がかかることから、予防することが何より重要であり、
万一発生した場合にもできるだけ早くそれに気付いて悪循環を断ち切ることが
重要です。
また、だからといってやりすぎもよくないわけで、誤った訓練方法や過度の訓練
は、逆に「誤用あるいは過用症候群」といわれる害を与えることもあり、注意が
必要です。
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