インフォームドコンセント
■チェック用語
・パターナリズム
父と子の間のような保護・支配の関係。
患者は病気についての知識がないのだから専門家に任せるということ。
パターナリズムという言葉は、ラテン語で父を意味するパテル(pater)に
由来しています。親心による温情主義という意味で使われることもあります
が、現在のコンテキストでは強権的な干渉あるいは統制を意味しています。
「ヒポクラテスの誓い」に象徴される精神。
<医療>患者と医療者の関係、インフォームドコンセント
・インフォームドコンセント(Informed Consent)
「説明と同意」。担当医から患者に納得出来るように説明し、患者が担当医
の治療方針に同意することをいいます。
決定権というのは本来患者側にあるという考え方をもとにしています。
現在の主流は「パターナリズム」でなくて「インフォームドコンセント」
です。
<医療>
・ニュールンベルグ倫理綱領
1946年、第二次世界大戦中のナチスの非人道的な人体実験に対して
ニュルンベルグ裁判が行われたのをうけて,1949年に医学研究の対象となる
患者さんの人権に言及した「ニュールンベルグ倫理綱領」が採択されました。
これが基になっているのがジュネーブ宣言です。
<医療>ジュネーブ宣言
・ヘルシンキ宣言
1964年、世界医師会は医学研究にかかわる患者さんの人権擁護を目的とした
「ヘルシンキ宣言」を採択し、1975年には、インフォームドコンセントが
不可欠であると明確にした改正案が採択されました。
「ヘルシンキ宣言」は、その後数回にわたって改正が行われ、医学研究だけ
ではなく医療行為全般にわたる倫理的指針として用いられることになりまし
た。
<医療>生命倫理
■補足
日本では、1980年代後半ころからインフォームドコンセントの概念が用いられる
ようになり、1990年に日本医師会の生命倫理懇談会より「説明と同意」について
の報告が公表されました。
1997年、医療法の改正が行われ、インフォームドコンセントが医療者の努力義務
として盛り込まれました。
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