インデックスファンドの積立投資、デビッド・スウェンセン氏の投資哲学、
3月のバリュー投資塾、日経平均3万円時代の最強株、10年前のパニック売り、
国民健康保険税の地域格差、ラッセル2000のヤバい上がり方、先を急ぐことなかれ、
「2020年のIPO銘柄」音声CD、ファブレスメーカーの新顔、ジュンク堂書店の株本コーナー
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ショートコラム(2021年3月)
■ジュンク堂書店の株本コーナー(2021年3月29日) |
大阪セミナーの開催時は、会場近くのジュンク堂書店天満橋店に立ち寄り、株本コーナーの定点観測を行っています。 先日、ほぼ半年ぶりに訪れたところ、株本コーナーが好位置に移動し、販売スペースも拡張されていました。かつて株式市場が天井を付けたときに見受けられた光景です。 平積みされていた株本のうち、とりわけ目立っていたのが次の3冊でした。 『10万円から始める!
小型株集中投資で1億円 実践バイブル』 いずれもここ数年のリターンが高く、個人投資家の人気を集めている投資対象です。今後、大手書店の株本コーナーがどのように変化していくのかにも注目しています。 |
■ファブレスメーカーの新顔(2021年3月26日) |
2020年にIPOを行った企業で目に付いたのが、ユニークなファブレスメーカー(生産設備を持たない製造業)です。 ●グラフィコ(4930) 各社とも、マーケティング(商品企画開発やプロモーション)に経営資源を集中しており、製造を外部委託している点が共通しています。 おそらく国内では生産設備が余っているでしょうし、新興国では低コストで作れるわけですから、多額の設備投資が必要な工場を持たないのはグッドアイデアです。 東証33業種では、バルミューダが電気機器、他の4社が化学に分類されています。しかし個人的な感覚では、直販比率の高いプレミアアンチエイジングが小売業、他の4社は卸売業に近いです。 小売業では、ファーストリテイリングやニトリといったSPA(製造小売)が躍進しました。卸売業でも、ナガイレーベンや中央自動車工業など製造部門を持っている会社が高収益を誇っています。 要するに、従来からの製造業、卸売業、小売業の枠にとらわれない会社が伸びているのです。製造業においても、今後はマーケティングをいっそう重視する動きが見られるかもしれません。ファブレスメーカーの新顔に注目したいです。 |
■「2020年のIPO銘柄」音声CD(2021年3月24日) |
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3月開催のバリュー投資塾「2020年のIPO銘柄」音声CDが出来上がりました。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお既にお申込み・ご入金をいただいた分に関しては、明日、最寄りの郵便局から発送する予定です。
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■先を急ぐことなかれ(2021年3月20日) |
3月に入ってからも、力強い相場が続いています。現に昨日もTOPIX(東証株価指数)が高値を更新しました。さて、今の相場に参加すべきでしょうか。 もし皆さんが数年間で金持ちになり、アーリーリタイアを達成したいのなら、リスクを覚悟の上で参加せざるを得ないでしょう。一方、じっくりと時間をかけて、ゆっくりと金持ちになりたいのあれば、慌てて株を買う必要はないと思います。 株式市場では、株価の割高な時期と割安な時期がほぼ周期的に繰り返されています。足元の局面は割高な時期だと思われるものの、いつ割安な時期が訪れるかは事前に分かりません。 先を急がないのであれば、株価の割安な局面をのんびり待つことができます。それが自己資金を運用する投資家の強みです。 私の投資家人生を振り返っても、今までの四半世紀(25年)は先を急ぎすぎていた気がします。この年になり、やっとそのことに気づきました。今後の四半世紀は個人投資家の強みを活かした投資を行いたいものです。 |
■ラッセル2000のヤバい上がり方(2021年3月18日) |
このショートコラムで何度か紹介している米国の小型株指数、ラッセル2000の上がり方がヤバいです。昨年11月に2018年の高値を抜いた後、5カ月連続で大陽線を付けています。 もし私が株式投資をはじめたばかりの米国人投資家であれば、この状況に歓喜しているでしょう(個人投資家が小型株を好むのは洋の東西を問いません)。 しかし、この手の急騰が続くのはせいぜい半年です。そして大概、ヤバい上げの後にはエグい下げがやってきます。近年、経験則が役に立たないことも多いのですけど、今回ばかりはどうでしょうか。 |
■国民健康保険税の地域格差(2021年3月16日) |
個人事業主にとって悩みの種は、高すぎる国民健康保険税です。納税期間の7月から翌年2月にかけては、税金を払うために働いています。 私の住んでいる大和郡山市も税金が高く、近所にある理髪店の主人も「なぜ、わざわざ高いところで開業するのか」と言われたそうです。 国民健康保険税が自治体によって違うことは、以前から知っていました。今回、所得金額300万円で試算を行ってみて、その地域格差に驚きました(下表)。 同じ奈良県内でも、大和郡山市から生駒市に引っ越せば、国民健康保険税が少し安くなります。意外だったのは大阪市で、大和郡山市より高くなりました。 東京都は安いです。特別区より郊外のほうがさらに安く、町田市や国立市に移り住めば、大和郡山市のほぼ2/3まで国民健康保険税を軽減できます。 これだけの違いがあれば、国民健康保険税の安い自治体に自宅兼事務所を構えるのもありです。将来的な検討課題にしたいと思いました。
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■10年前のパニック売り(2021年3月12日) |
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、当時、職業訓練講師のアルバイトで糊口を凌いでいた私のポートフォリオを直撃しました。 震災直後、2日連続でほぼストップ安まで下げる持株が続出して、それまでの含み益が一気に吹き飛びました。未だにリーマンショックの傷が癒えていなかった私は窮地に立たされます。 理想に近いポートフォリオが組めて、上手く行きかけてきた矢先に何ということだ。もうリーマンショックと同じ轍は踏めない。いったん短期的なリバウンドが起こるだろうから、そこで手仕舞おう。 急落後も乱高下を続けた相場は、2週間後にリバウンドします。そこで3月25日に手持ちの銘柄をすべて売り切り、難を逃れたつもりでいました。 後から冷静に振り返れば、この投資判断は典型的な「パニック売り」で、明らかに間違いです。長期投資の視点では「絶好の投資チャンス」であり、むしろ買い増しすべき局面でした。たとえ買い増しが無理であっても、持株を売るべきではなかったのです。 現にそのまま持ち続けていただけで、10年後の評価額は2億円近くに達しています(下表)。10倍株(テンバガー)が4銘柄含まれており、MonotaROは100倍近くまで値上がりしました。 まあ現実的にはどこかで利食うことになると思われますけど、それなりに儲かっていたでしょう。 今後の投資においては、このようなパニック売りを二度としなくて済むように、予め周到な計画を立てて臨みたいと思っています。
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■日経平均3万円時代の最強株(2021年3月8日) |
今週号の週刊ダイヤモンド『日経平均3万円時代の最強株』は売れそうな気がします。現に月曜日の午前中にもかかわらず、地元の書店では1冊しか残っていませんでした。 ダイヤモンド社のサイトにも書かれている通り、本書では最強株として12銘柄が取り上げられています。 1 エムスリー 6番目にやや違和感があるものの、概ね素晴らしい会社ばかりです。株価がフェアバリューでさえあれば、私も買ってみたい会社がずらりと並んでいます。 ところで今、この12銘柄でポートフォリオを組めば、2〜3年後はどれぐらい儲かっているでしょうか。このショートコラムが続いていれば、ぜひとも検証を行ってみたいものです。
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■3月のバリュー投資塾(2021年3月6日) |
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3月のバリュー投資塾「2020年のIPO銘柄」は、東京、大阪とも開催します。首都圏1都3県の緊急事態宣言が2週間延長されたため、東京については少し迷いましたけど、やることにしました。 なお今回も音声CDを発売しますので「会場で受講されるか、自宅で音声CDを聴かれるか」は皆さんのほうで判断していただければと思います。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名と電話番号(列車が遅れた際など、非常時の連絡に使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■デビッド・スウェンセン氏の投資哲学(2021年3月4日) |
米国にて機関投資家のバイブルして読まれている、デビッド・スウェンセン氏の著書『イェール大学流投資戦略』より引用します。 効率的な市場でアクティブ運用を行うことは、(中略)投資パフォーマンス全体の足を引っ張る結果になる場合が多い。 非効率的な市場では、アクティブ運用がきわめて大きなメリットをもたらす可能性がある。 流動性の低さを進んで受け入れる投資家は、リスク調整後の高いリターンを追求するうえで圧倒的に優位な立場にある。 バリュー重視の戦略は銘柄選択で成功するための王道である。 長年にわたり、イェール大学基金の運用を率いてきたデビッド・スウェンセン氏は、これらの投資哲学を実践することで、何かと制約が多い機関投資家でありながら高いリターンを達成しました。 私たち個人投資家は、非効率的な市場における流動性の低さを受け入れられるという点で、デビッド・スウェンセン氏よりさらに有利な立場にあると言えます。 効率的な市場への投資はインデックスファンドに任せ、機関投資家の参戦できない超小型株(マイクロキャップ)などの非効率な市場で超過収益を狙う、両面作戦を取ることができるからです。この強みを活かさない手はありません。 |
■インデックスファンドの積立投資(2021年3月2日) |
昨年、新規上場したウェルスナビ(7342)の目論見書に、興味深いグラフが掲載されていました(下図)。 インデックスファンドの積立は悪くない投資手法です。長期にわたり続けることができれば、それなりに満足できる成果を得られる可能性が高いと思います。 しかしながら、いったん始めたことをなかなか継続できないのが人間の悲しい性です。株価の堅調なうちはずっと続けるつもりでも、株式市場に暗雲が立ち込めた途端に、やめてしまう人が多いのも事実です。 とりわけ足元の局面のように、特定の銘柄に投資資金が集中して、インデックス自体がバブル化している時期は注意が必要でしょうか。 |
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by 角山智