株式投資で資産を増やす秘訣、予測できる未来、米国株のマージンデット、
IT投資の失敗、二極化相場、キーエンス、ITバブルの負け組、
逆張りのすすめ、潮目さえ分かればなあ!、三重苦の中で
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ショートコラム(2020年12月)
■三重苦の中で(2020年12月30日) |
今年は新型コロナとコロナバブルに振り回された三重苦の年でした。 (1)本業:セミナーが開催できない そんな中、株のポジションを持たず、売買も行わなかったため、投資についてじっくり考える時間がありました。客観的に、自分の投資を見つめ直すこともできました。 今後も株式投資を続けていく以上、このような時期は滅多にないでしょうから、投資家人生において貴重な一年となりそうです。 有り余る時間は、銘柄分析に当てていました。特に光通信の投資銘柄を重点的に分析しました。 その過程を通じて、建設業や卸売業など、今まで見向きもしていなかった業種が投資対象として浮かび上がってきました。またバランスシートとキャッシュフローをより一層重視するようになりました。 この年齢になり、ようやく、若き日のバフェット氏が力説していた「株主のために、少ない元手で多くの現金を稼いでくれる会社」の見分け方が少し分かってきたような気がします。 月刊レポートを定期購読されている方や、バリュー投資塾に毎回参加されている方は、取り上げる銘柄の傾向が以前と比べて変化していることにお気づきかもしれません。 来年、投資を再開できるかどうかは相場次第です。ただ次の投資チャンスが訪れた際には、三重苦の中でコツコツ積み上げてきたものが役に立てばいいなと思っています。 |
■潮目さえ分かればなあ!(2020年12月27日) |
『お金を増やす一番知的なやり方』より引用します。 今上昇している相場は、しばらく上昇し続ける傾向がある。市場は短期的には正の自己相関、つまりモメンタムという特性を持つ。長期的には、大幅に上昇した相場は下落する傾向がある。 ファンダメンタル・バリューに向けたミーン・リバージョン(回帰)である。短期が長期に変わる潮目さえ分かればなあ! 同感です。事前に潮目が分からないから苦労させられるのです。 バブルでは、早く売りすぎれば、上がり続ける株価を地団駄を踏んで見続けることになります。逆に長居すると、バブル崩壊の雪崩に巻き込まれ、命からがら逃げ帰るのが精一杯です。 そんな私も随分と長い間、待ちぼうけを食らっています。還暦まで数年という年齢で、1億円の金融資産を抱えて雪崩に巻き込まれるより、地団駄を踏んでいるほうがましと考えました。 相場全体としては、明らかに割高だと思うですが・・・。いつ崩れるのかは神のみぞ知ると言ったところでしょうか。 |
■逆張りのすすめ(2020年12月24日) |
あまり知られていない投資の名著『お金を増やす一番知的なやり方』に書かれていた「逆張りのすすめ」が琴線に触れました。 (広告が)ハイテクや新興国市場を推していたら、インフラと不動産に目を向けよ。道路やオフィスの写真が載っていたら、ハイテクや新興国市場を検討せよ。逆張りでいくのだ。 今の相場は、買われている銘柄と買われていない銘柄がはっきりしているので、分かりやすいと思います。逆張り志向の長期投資家が目を付けるべきは、もちろん買われていない銘柄です。 |
■ITバブルの負け組(2020年12月23日) |
2000年のITバブルでは、三菱商事(8058)を筆頭として、総合商社は物色の圏外でした。商社不要論が唱えられていた時期でもあり、「負け組」の烙印を押されてしまったからです。 その後、ビジネスモデルの転換に成功した総合商社は、2007年の資源バブルにて人気銘柄となりました。ITバブルの崩壊局面でコツコツ拾っていれば、満足できる成果をあげられたはずです。一昨日に取り上げたキーエンスと比べてみると、パフォーマンスの差は歴然としています。 投資家人気は移り気なものです。こういった流れは、今後も繰り返し起こるでしょう。ITバブルの再現とも言える状況の中で、バフェット氏が総合商社株に目を付けたのは「さすが」と言わざるを得ません。 |
■キーエンス(2020年12月21日) |
キーエンス(6861)が超優良企業であることは、半ば公然の秘密となってきました。かつて、この超優良企業が人気を博したことがあります。2000年にかけてのITバブルです。 ITバブルで高値をつかんでしまった投資家は、その後、長きにわたって含み損に苦しめられました。同社株が2000年の高値を更新したのは、アベノミクス相場の始まった2013年に入ってからです。 一向に回復しない株価に嫌気が差し「何ということだ。超優良企業のキーエンスで損をするなんて・・・」と嘆きながら投げさせられたケースも少なくないと思われます。恥ずかしながら、私もその一人なのですが。 会社四季報 2021年新春号によれば、キーエンスのPERは77.5倍。記事欄には「営業人員の採用抑制を国内外で抑制」との記述があります。会社側は足元の景気がすぐに回復すると考えていないようです。 今、買われて高値を付けているグロース株に関しても、このような展開になるかもしれないと思いつつ、外野から見ています。 |
■二極化相場(2020年12月17日) |
昨日に発売された会社四季報 2021年新春号を通読していて、真っ先に気づいたことが二つあります。 一つ目は、本当に株価が29年半ぶりの高値を付けているのかと思えるほど、割安銘柄が散見されたこと。二つ目は、優良成長株の一角が、長きにわたり維持するのは難しいような、高い株価を付けていることでした。 1999年から2000年にかけてのITバブルを彷彿させる、二極化相場の再来です。 ●日本M&Aセンター(2127) PER 98.6倍 これらの会社を少し調べてみれば、素晴らしい会社であり、今後も成長を期待できるのは、誰でも分かります。だからと言って、たとえ株価がいくらであろうとも、投資していいものなのでしょうか。 |
■IT投資の失敗(2020年12月15日) |
ここ数年、企業のIT投資で盛んで、IT業界は繁忙を極めています。その一方で、システム開発に失敗する企業も少なくないようです。 数年がかりで開発した新システムが使い物にならず、手の打ちようがなければ、最終的には破棄することになります。その場合、バランスシートの無形固定資産に積み上げきた開発費用の減損処理が行なわれ、大きな損失を計上することになりかねません。また開発が遅れたり、大幅な修正が必要になり、追加の開発費用が発生することも日常茶飯事です。 今後、そういったケースが増えてくるのではないでしょうか。銘柄分析の際は、バランスシートの無形固定資産に注目してください。直近の1〜2年に無形固定資産のソフトウェアが急増している企業には注意が必要です。 |
■米国株のマージンデット(2020年12月11日) |
今月の投資環境レポートで述べた事項ですが、重要と思われるのでショートコラムにも書いておきます。 マージンデット(Margin Debt:証拠金債務)とは、ニューヨーク証券取引所の発表しているデータで「投資家が株を買うために金融機関から借りているお金の残高」を表しています。 下図で気になるのは、2001年や2008年の景気後退期(灰色のシャドウがかかっている部分)では株価の下落に伴い証拠金債務の整理が進んだのに対して、2020年の景気後退期では株価が逆行高を演じ、いったん減少に転じていた証拠金債務が再び積み上がっている点です。 いつ起こるかは分かりかねますけど、相場の振り子が逆に振れれば、この証拠金債務はいったいどうなるのでしょうか。今年3月のような一時的な下げでは済まないような気がします。 |
■予測できる未来(2020年12月7日) |
世の中には、1年後の株価のように全く予測できないものもあれば、10年後の人口動態のようにほぼ確実に予測できるものもあります。 後者の例として、個人的に注目しているのが、かつて高度成長期に整備されたインフラが老朽化し、メンテや更新が必要な時期に差し掛かることです。 長きにわたって構造不況が続いた建設業界は、東京オリンピック特需でやっと一息つけました。新規参入は皆無に等しく、経営破たん、合併、撤退や廃業などにより企業数は減る一方です。 そんな中、将来的な需要の増加が明らかであれば、建設不況に耐えてきた企業は残存者利益を手中に収められるのではないでしょうか。 折りしも国土強靭化計画が国策となっています。インフラのメンテや更新から恩恵を受ける企業への投資は、長期投資家がじっくりと腰を据えて取り組みたいテーマのひとつです。 |
■株式投資で資産を増やす秘訣(2020年12月3日) |
株式投資で資産を増やすにはどうすればいいのでしょうか? 答えは単純です。 ●相場の高値圏でつまらない会社の株を買わない しかし実践するのは至難の業です。私自身、今までの売買利益を振り返り、恥ずかしくなることがあります。「角山という投資家の逆をやれば、大金持ちになれるな」と思うこともしばしばでした。 かつてウォーレン・バフェットは「投資は単純だが簡単でない」と述べています。少しでも、この単純なことができるように、努力を続けたいものです。 |
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by 角山智