バリュー投資塾テキスト、自分からのアドバイス、米国株の実情、
ロビンフッター、中古カメラの買取、粘りのアーティスト、
「高収益企業」音声CD、キャッシュフロー分析、自分との闘い、
苦瓜達郎氏のコメント、バランスシートの分析、身にしみるアドバイス
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ショートコラム(2020年9月)
■身にしみるアドバイス(2020年9月28日) |
久しぶりに『ビッグミステイク』を再読しました。読み返すたび、気づきを得られる良書です。今回は、マイケル・スタインハルトの章「自分の道を踏み外すな」が刺さりました。 資産運用で成功するために非常に重要な鍵は、(中略)自分の投資スタイルが市場から見放されたり、ポートフォリオが荒波に飲まれたりする時期がある、という事実を受け入れることだ。 資産に致命的なダメージを与えかねないのは、ほかの投資機会を探し始める時だ。 2005年に個人投資家の間でバリュー投資ブームが起こり、かつてバリュー株だった内需関連の小型株がことごとく買い上げられ、年末には投資対象がなくなってしまいました。 困った私は、まだ割安に思えたトヨタなどの大型株、高利回りのJ−REITや欧米金融株に乗り換えます。当初、この作戦は上手くいったように思えました。 しかし、ただ単にサブプライムバブルに乗っていただけでした。当時は、よく知らない分野の投資を手がけていたこともあり、そのことにすら気づいていなかったのです。 案の定、2007年の夏場にバブルは崩壊して、2008年のリーマンショックでは大火傷を負いました。いちばん痛かったのは、2009年以降の投資が後手後手に回ってしまったことです。 振り返ってしみじみ思います。 自分の得意分野である内需関連の小型株が再び割安になるまで、なぜ、じっとしておれなかったのか? 2006年から2009年まで、たった3年の我慢で、バリュー投資家の出番が訪れます。にもかかわらず、自分の道を踏み外してしまった私は、金銭的な損失に加えて心の傷を負い、身動きのとれない状況でした。 このときの教訓は、私の胸に深く刻み込まれました。今は買いたい気持ちをぐっと抑えて、ひたすら時節を待っています。 |
■バランスシートの分析(2020年9月24日) |
9月開催のバリュー投資塾「高収益企業」セミナーテキストより、バランスシート(貸借対照表)の分析に関する部分を抜き出してみました。 あまり細かい部分は気にせず、ざっくりとしたイメージでとらえるようのがコツです。そのため決算書より、下記のような簡易的なバランスシートを作成することをお勧めします。 この作業はやや面倒ですけど、繰り返しているうちに「堅実なバランスシートかどうか」が感覚的につかめるようになります。慣れてくれば、作業を行う前にバランスシートのイメージをある程度は類推することも可能です。 さらに次の2つを意識すれば、より効果的な銘柄分析が行なえます。定性面の強みを定量面の数字で裏付けられるようになれば理想的です。 ●キャッシュフローとセットで分析すること |
■苦瓜達郎氏のコメント(2020年9月23日) |
大和住銀日本小型株ファンドの8月分月次レポートにて、ファンドマネージャーを務めている苦瓜達郎氏のコメントが目に留まりました。 小型株市場において、成長イメージの強い銘柄群の値動きは荒っぽさを増しており、反落リスクは拡大の一途をたどっています。 一方、割安銘柄には依然として投資家から放置されているものが多く、実体経済の正常化につれて上昇することが期待できます。当ファンドでは、今後も割安株投資を徹底します。 前半部分に関しては、まさにその通りです。ただ後半部分は、多少の営業トークを含んでいるようにも受け取れます。 今後、成長イメージの強い銘柄群の反落する局面が訪れたとき、割安銘柄も連れ安して、いっそう割安になるケースを想定しておいた方が無難に思われました。 |
■自分との闘い(2020年9月21日) |
先日の続きです。ナンバー『藤井聡太と将棋の天才』でいちばんハッとさせられたのは、久保利明九段が羽生善治九段との対局を振り返る場面でした。 今まで久保九段はタイトル戦でことごとく負けており、羽生九段を「相手の心を折るような手を平然と指してくる」相手と思っていたそうです。ところがある日、メンタルトレーナーのアドバイスから気づきを得ます。 羽生は相手の心を追ってやろうなんて考えていない。ただ、ひたすら最善手を求めているだけなのに、相手が考えすぎて自滅していく。結局は自分との闘いなんだ・・・。 株価は短期的に、ランダムに動いていることが大半です。にもかかわらず、値動きに振り回されて自滅していく投資家(自分を含む)の姿と重なり、この文面が心に突き刺さりました。結局、株式投資も自分との闘いです。 |
■キャッシュフロー分析(2020年9月18日) |
昨日、配信したメルマガ角山智のバリュー投資レター第163号「キャッシュフロー分析」の補足をしておきます。いずれも9月開催のバリュー投資塾「高収益企業」セミナーテキストより抜き出したグラフです。 まず「FCFが当期純利益を上回っている会社が理想的な投資対象」なケースとして福井コンピュータHDが該当します。
次に「一定の設備投資を必要とする会社は、FCFが当期純利益の5割程度でもOK」なケースとして日本ライフラインが該当します。
続いて「FCFが当期純利益の7割以上の会社も悪くはない」なケースとしてスタジオアタオが該当します。
銘柄分析を行う際、このようなグラフを作成した上で比較検討を行えば、キャッシュフローに対する感じがつかめてきます。 皆さんにもおすすめしたい手法です。 |
■「高収益企業」音声CD(2020年9月15日) |
9月開催のバリュー投資塾「高収益企業」音声CDが完成しました。 今回は定量的に高収益企業を選び出し、キャッシュフローとバランスシートの分析を行った後、さらに定性面での裏付けを試みるという分析手法を用いました。銘柄分析を行う際の、参考にしていただければと思います。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 既にお申込み・ご入金をいただいた分は、本日に最寄りの郵便局から発送済みです。 |
■粘りのアーティスト(2020年9月14日) |
個人的に、プロ野球選手やプロ棋士の生き様を参考にさせてもらっています。投資家と似たような境遇に置かれていると感じているからです。 先日、ふと立ち寄った書店で売り切れと聞いていたナンバー『藤井聡太と将棋の天才』を見つけました。当初は立ち読みで済ますつもりでしたけど、「さばきのアーテイスト」久保利明九段の記事が気に入り、買い求めました。 久保九段の凄いところは、近年では不利とされている振り飛車という戦法を貫きつつ、それ以外の部分を柔軟に変えることで、タイトル戦に絡む存在であり続けていることです。将棋のスタイルも変化しており、この数年の間に「粘りのアーテイスト」という異名が加わっています。 私自身も久保九段を見習い、最近ではグロース投資に押されているバリュー投資という戦法を貫きながら、変えるべきところは積極的に変えていかなければならないと意を強くしました。 |
■中古カメラの買取(2020年9月10日) |
断捨離の一環として、先日、お蔵入りになっていたニコンのフィルムカメラとマニュアルフォーカスレンズを買取に出しました。30年前の商品ながら、未だに一定の需要があるようで、それなりの値段が付いてホッとしています。 買取りに当たっては、まず1社、ネット上の仮査定に出しました。その査定額に今ひとつ納得できなかったので、次に大阪市内の買取センターを2社回りました。 カメラに限らず中古品の値段はあってないようなものとは言え、3社の査定額が思っていた以上にバラバラで驚かされました。当然、一番高い査定額を提示した、大阪市内の買取りセンターに買い取ってもらいました。 面倒がらず、3社も回って良かったです。もし1社のみで決めていれば、最悪のケースでは3割ほど損をしていた計算になります。 今回、改めて感じたのは、まだまだ中古カメラのマーケットが非効率であることです。シュッピン(3179)のような上場企業も出てきましたけど、やり方次第では業界の革命児が誕生する可能性を秘めています。 |
■ロビンフッター(2020年9月7日) |
米国株について調べているうち、米国の異常な株高を支える投資アプリ「ロビンフッド」の危険なカラクリという興味深い記事が目に留まりました。 我が国においても、米国ほどではないにしろ、株式投資の超初心者であるロビンフッターが増えているような気がしています。 経験則を述べさせてもらえれば、このように個人投資家が大挙して株式市場に参入した直後には、ロクなことが起こっていません。気を引き締めてかかる時期に来ていると言えそうです。 |
■米国株の実情(2020年9月6日) |
下図はネット上で見つけた興味深いチャートです。米国S&P500指数はフェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、グーグル(GOOGL)の大幅な上昇に支えられており、残りの495銘柄はパッとしない状況です。 この状況を見るにつけて「現在のS&P500指数は、投資対象として、果たしてどうなのか?」と思わずにいられません。また振り子が逆に振れた場合、米国株のインデックスファンドを買っている投資家が大きなダメージを受ける恐れがあります。 個人的にも分散投資の一環として、金融資産の一部を米国S&P500指数に振り向けたいと思っています。しかし当面は、様子見に徹するしかなさそうです。 |
■自分からのアドバイス(2020年9月3日) |
過去の売買履歴と月足のロングチャートを突き合わせば、足元の相場で「今、何をすべきか」が見えてきます。もう一人の自分がアドバイスをしてくれるからです。 私の場合、今から株を買えば、ひょっすすると半年程度は儲かるかもしれません。するとどうなるかと言えば、人間の悲しい性で調子に乗り、投資額を増やします。 やがて、ほぼお腹いっぱい買い付けたところで相場の反落を食らい、そこから2〜3年にわたって苦しみ続ける羽目に陥るのがいつものパターンです。 今までの投資行動を振り返れば、だいたい、このような顛末になっていました。自分からのアドバイスは次のとおりです。 お前、足元の鉄火場を勝ち残れる腕前も度胸も持ち合わせていないだろう。だったら、相場が安くなるまで、現金を抱えたまま、おとなしくじっとしていろ。それができなければ、過去の失敗を繰り返すだけだ。 |
■バリュー投資塾テキスト(2020年9月2日) |
9月のバリュー投資塾「高収益企業」のセミナーテキストがほぼ完成しました。パワーポイントのスライドで62ページです。 今回のポイントは、ケーススタディとして取り上げた8社の「高収益の源泉」に関して、自分なりの仮説を立てている点です。参考までにいくつか紹介しておきましょう。 ●ローカルな分野で「規模の経済」の恩恵を受ける 『競争戦略の謎を解く』 や『千年投資の公理』を読み解きながら、 あれこれと思案し、推論しました。中には詳細な分析を行ったものの「高収益の源泉」をまとめきれず、泣く泣くテキスト掲載を断念した会社もあります。 本セミナーを通じて、高収益企業のビジネスモデルについて、理解を深めていただければ幸いです。 なお9月12日(土)に開催する、東京会場のお申込み締め切りを9月9日(水)とさせていただきます。まだ残席がございます。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名と電話番号(列車が遅れた際など、非常時の連絡に使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。 |
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by 角山智