専門家になる、投資家のタイプ、一葉落ちて、
大化け株に巡り合う方法、アドビとオラクル、期待の新人、
四季報春号の印象、アーリーリタイア、「2018年のIPO銘柄」音声CD、
逆イールド、日経マネー、競争戦略の謎を解く
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ショートコラム(2019年3月)
■競争戦略の謎を解く(2019年3月29日) |
『競争戦略の謎を解く』 を読みました。著者のブルース・グリーンウォルド教授は『バリュー投資入門』の執筆者の一人です。 本書は『バリュー投資入門』でざっと述べられているに過ぎない、競争優位と参入障壁に関して、ケーススタディも含めて詳しく解説してあり、理解が進みました。 かつてグレアムの活躍していた古き良き時代は、工場などの有形資産が収益源でした。しかるにバリュー投資家は、財務諸表の分析だけで十分に儲けることができました。 しかし現在においては、ブランドや顧客を囲い込むノウハウといった無形資産にその役割が移行しています。アップルやアルファベット(グーグルの親会社)の企業価値は、その大半が無形資産です。よって成長株投資家のみならず、バリュー投資家といえども定性分析を欠かすことはできません。 定性分析のキモは、競争優位と参入障壁です(この二つはほぼ同義語)。もし皆さんが個別銘柄に対する目利き力を高めたいのであれば『千年投資の公理』と合わせて読んでみてください。 きっと新しい視点を開けるはずです。そして「なぜ、ウォーレン・バフェット氏がたっだ一代で大富豪になれたのか?」が見えてきます。 |
■日経マネー(2019年3月26日) |
普段は立ち読みすらしないマネー誌ですが、本日『日経マネー 2019年 5 月号』 を買ってきました。 片山晃氏のインタビュー記事が掲載されていると聞き、本屋の店頭でチェックしてみたところ「これは永久保有版だ」と直感したからです。 方向性としては私も割と近いのですが、片山氏はさらに深読みしていました。長期投資を志している個人投資家は読んでおくべき内容です。 |
■逆イールド(2019年3月25日) |
先週の金曜日、米国の短期金利(3カ月国債)が長期金利(10年国債)を上回る逆イールドが発生しました。それを受けたNYダウは460ドル安、本日の日経平均は650円安でした。 逆イールドは、投資家心理に多大な影響を与えます。投資家の脳裏に刻まれている、かつてマーケットで血を流した苦々しい記憶が蘇るからです。 そういえば、ITバブルが崩壊する前も、リーマンショックの前も、逆イールドになっていた。やがて株が暴落して、不況が来るに違いない。 人間は感情の動物です。誰しもが「本当にそうなる」と信じ込めば、実際にそうなってしまうことも少なくありません。かつての我が国でも「トイレットペーパーがなくなる」と大騒ぎになり、買い占めが行われたため、本当に店頭の在庫がなくなりました。 これは裏を返せば、今まで「割高な銘柄ばかりで株は買えない」と静観していたバリュー投資家にとって、近い将来、千載一遇の投資チャンスが訪れることを意味します。私自身も、ぼちぼち行っていた銘柄分析のピッチを上げる必要がありそうです。 |
■「2018年のIPO銘柄」音声CD(2019年3月19日) |
3月のバリュー投資塾「2018年のIPO銘柄」音声CDが完成しました。 玉石混交のIPO銘柄ですが、その中から未来の成長株が誕生するのも事実です。上場人気が冷めて、株価の落ち着いたタイミングで、その可能性を探ってみてはいかがでしょうか。 本CDでは2018年にIPOを行った90社のうち、18社の銘柄分析を収録しました。 私なりに「面白い」と思った企業を取り上げています。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、既にお申込み・ご入金をいただいた分は、本日中に最寄りの郵便局から発送予定です。 |
■アーリーリタイア(2019年3月18日) |
最近、驚いたことがあります。 それは、ずっとバリュー投資塾に参加されているお客様のうち、4名様中3名様から「会社を早期退職しました」との報告を立て続けに受けたことです。もう1名様も、少し迷っているとお聞きしました。 退職後の進路はまちまちで、別の形で仕事に携われる方もいらっしゃれば、専業投資家になられた方もおられます。どなたにも共通しているのは、投資で蓄えた資産が裏付けとなって、思い切った選択肢を取れた点でしょうか。 リーマンショックのような危機を乗り越え、長期にわたって投資を続ければ、アーリーリタイアも夢でないことを再認識させられた次第です。 |
■四季報春号の印象(2019年3月15日) |
こちらのメルマガに書いたとおり、会社四季報 2019年2集・春号のチャートだけ流し読みしました。 チャートの崩れている銘柄が大半だったこともあり、昨日中に読み終わりました。金融株はほぼ全滅。他にもデッドクロスの発生している銘柄が目に付きます。 しばらく我慢するか、あるいは短期と割り切って未だに上昇トレンドを保っている数少ない銘柄を手がけるか、そんな選択を迫られている状況に思えました。 |
■期待の新人(2019年3月14日) |
プロ野球に例えれば、IPO銘柄はドラフト(上場審査)を経て入団した、期待の新人です。 当初は何かと騒がれるものの、大半が一軍(東証1部)入りできません。レギュラーを取れる選手は、ほんの数えるほどです。 それでも未来のエースやクリーンナップは、新人選手の中から生まれます。本人の特徴を活かし、左のワンポイントや代走要員といったスペシャリストとして生き残る方法もありでしょう。 いったい誰が活躍しそうなのか、長い目で見守るのも一興です。下積み時代から自分の応援していた選手がスターになれば、ファン冥利に尽きるのではないでしょうか。 |
■アドビとオラクル(2019年3月12日) |
昔話で恐縮ですけど、米国株投資を始めた2001年、真っ先に投資した銘柄がアドビシステムズ(ADBE)とオラクル(ORCL)です。 ろくな調査もせずに買いました。情報システム部門に勤務し、企業ホームページも担当していた私は、仕事を通じて両社の強みを嫌というほど知らされていたからです。 ホームページを作ってもらった会社のデザイナーさんに言われました。 デザイナー「作業に当たり、アドビのフォトショップとイラストレーターを揃えてください」 私「もっと安いソフトはありませんか?」 デザイナー「フォトショップとイラストレーターでなければダメです」 富士通のSEさんにも言われました。 SE「見積もりのデータベースはオラクルです」 私「オラクル高すぎます!」 SE「オラクルでないとダメなんです」 しかし結局は1年も経たないうちに、他の銘柄と入れ替えてしまいました。もし持ち続けていれば、どうなったか・・・、下図のとおりです。 「やっぱり、自分自身の強みを活かすべきだったな」今となっては、しみじみとそう思います。 |
■大化け株に巡り合う方法(2019年3月10日) |
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今月のバリュー投資塾は、毎年恒例となりました前年のIPO銘柄を取り上げます。玉石混交のIPO銘柄ですが、その一部が大化けするのも事実です。 現に会社四季報新春号10ページに掲載されている、2008年10月から2018年11月にかけて時価総額を30倍以上に増やした30銘柄のうち、半数の15銘柄が2006年、2007年のIPO銘柄でした。 個人的には、次のような手順で投資を組み立てれば、大化け株に巡り合える確率が高まるのではないかと考えています。 ●日頃からIPO銘柄の分析を行い「株価が下げれば買いたい新興企業リスト」を予め作っておく このセミナーを「株価が下げれば買いたい新興企業リスト」作りの参考にしていただければ幸いです。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、お申込み締め切りを東京会場3月19日(火)、大阪会場3 月13日(水)とさせていただきます。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■一葉落ちて(2019年3月9日) |
先日、鳥貴族が業績下方修正を発表しました。その中で目に留まった文言があります。 加えて、出店加速により展開した新店は、好調時の水準をベースに売上高や経費を計画していたため、出店時の売上高・利益計画に対して未達で推移する店舗が多く発生しました。 これは同社だけに限らないと思います。他の経営者にしても、ここ数年の好調な業績をベースとして、事業計画を組み立てているのではないでしょうか。投資家だって、足元のEPSを参考に、企業の評価を行っているはずです。 もし、その前提が崩れたらどうなるのか、冷静に考えるべき時期が来ているように感じられてなりません。 |
■投資家のタイプ(2019年3月6日) |
『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』執筆者の一人である堀江貞之氏が、上場企業の投資家構造を分析しています(下図)。 投資家のタイプを分類しているようで、興味深いです。自分がどの立ち位置なのか、確認してみるといいでしょう。 短期視点で株価に関心の高い投機家は、今、人気のバイオ株を手がけているトレーダーが当てはまります。投機であることを十分に認識した上で、リスク管理をシビアに行えば、これはこれで「あり」です。ただ余程の才能に恵まれていないか限り、儲け続けるのは難しい気がします。 短期視点でカタリストに注力する投資家は、ポジショントレーダーが該当します。この手法の特徴は、株式投信などの機関投資家をはじめ、市場参加者がやたら多いことです。いかにして差別化するかを工夫する必要があります。機関投資家が手を出しづらいマイクロキャップに特化するのも、ひとつの解決策です。 長期視点を持つが企業価値評価に関心の低い投資家は、株主優待を目当てに株を保有している優待族があげられます。 長期視点を持つが企業価値評価は限定的な投資家は、インデックスファンドを買っている投資家です。この場合は『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』でも指摘されていたとおり、TOPIXが投資対象として相応しいか検討の余地があるでしょう。 長期視点を持ち企業価値評価に注力する投資家は、少数派に属します。個人レベルでは皆無に等しいのではないでしょうか。機関投資家でも数える程度で、この分野でも最も存在感があるのは海外ファンドのファースト・イーグルだと思います。今後、私自身がやってみたいのもこの投資です。 |
■専門家になる(2019年3月3日) |
すっかり、お気に入りの一冊となった『千年投資の公理』より引用します。 たいていの場合、投資家は投資先を自分がよく知っている分野に限定するほうが、遠くまで網を投げるよりもうまくいく。 数多くの業種の専門家になるよりも、業種に関係なく競争上の優位を持った企業の専門家になることで、膨大な数の投資先候補を自分で理解できる質の高い企業で詰まった小さな世界に限定することができる。 今までの自分に、この発想はありませんでした。「業種に関係なく競争上の優位を持った企業の専門家になる」のはグッドアイデアだと思います。 というのも、高い参入障壁を持ち、競争優位を持続できるであろう企業の数は限られるからです。グローバル経済にて、米国企業とガチンコ勝負できる日本企業となれば、数えるほどしか存在しません。 そんなごく少数の企業を粘り強く追い続け、大不況や金融危機を待ち、株価の安いときに思い切った投資を行うのが株式投資の理想形でしょうか。若き日のバフェット氏は、実際にそれをやって今日の礎を築いたのです。 |
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by 角山智