社員数自分は他人より賢い投資に役立つ本脳のアスリート
業界専門誌のドラッグストア特集歯医者での体験10年間で株価10倍
企業の何から調べるのか四季報新春号の印象今年読んだ本
公務員の内定辞退退屈な一年

パーシャル・オーナー


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ショートコラム(2017年12月)

■退屈な一年(2017年12月31日)

今年がどうだったかといえば、個人的な投資に関しては、ほとんどやることのない、退屈な一年でした。

もっともバリュー投資家の稼ぎ時は、マーケットから悲鳴が聞こえ、あちらこちらで血の流れるときです。世間から見れば私のような人間は、むしろ暇を持て余しているほうがありがたいのかもしれません。

本当に忙しくなったとき、体がなまっていないように、とにかく準備だけはしておきたいものです。


■公務員の内定辞退(2017年12月29日)

ヤフーのトップニュースに「北海道職員 内定辞退が6割超」が掲載されています。

かつての自分もそうでしたけど、学生は世間知らずです。それゆえマスコミ報道に踊らされてしまい、好況期は民間企業に新卒が流れ、不況期は公務員に殺到します。

この数字を見ても、今は長期投資家の出番とはいえません。再び公務員が人気に集まった時が、株の買い場です。

【北海道職員 大卒者の内定辞退率】
●2013年度:19%
●2014年度:37%
●2015年度:59%
●2016年度:63%
(通年は10〜20%程度)


■年末バーゲンセール(2017年12月28日)

上値を追わないバリュー投資家にとって、12月はちょっとした投資チャンスです。節税売りによる「東証、年末バーゲンセール」が開催されるからです。

私も以前から狙っていた小型株にやや欲張った指値を入れておいたのですが、驚くべきことに全て約定。こんなに上手くいくとは想定外でした。あくまで打診買いでしたが「もっと買っても良かったな」と思ったほどです。

おそらく、板の薄い状況にて「節税対策の損切りだから、もういいや」という成り行き注文が出たからでしょう。

すっかり調子に乗り、実質的に新年度入りした昨日も買い増そうとしたところ、流れが完全に変わっていました。買いが優勢で、下で待っていても、かすりもしません。

ここまで明確に傾向が出るのであれば、来年12月も東証で買い物をしたいですね。


■今年読んだ本(2017年12月25日)

本年に読んだ本は13冊です(会社四季報4冊を除く)。

価値の探究者たち
金融の世界史
超ソロ社会
人びとの戦後経済秘史
ハーバード流ケースメソッドで学ぶバリュー投資
失敗の科学
生涯投資家
半脆弱性(上)』 『半脆弱性(下)
株の原則
脳とトレード
株でゼロから30億円稼いだ私の投資法
ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方

少ないと思われるかもしれませんが、このところ読みたい本があまりないのも事実。普段は以前に買った本を読み返していることが多いです。

なお、この中からベスト3をあげれば『価値の探究者たち』 『ハーバード流ケースメソッドで学ぶバリュー投資』 『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』でしょうか。


■四季報新春号の印象(2017年12月22日)

会社四季報新春号の通読を終えました。ざっと感想を書いておきます。

まず日経平均が高値圏にもかかわらず、それなりに割安な小型株がけっこうありました。ただし、見落とされているから低PERなのか、単に好景気のおこぼれを頂戴して一時的にEPSが上昇しているだけのか、判断の難しい銘柄が大半です。目利きのできる投資家にとっては、「残り福」を得られるチャンスが残されているかもしれません。

次に面白そうな銘柄は、割安なものでもPER15〜20倍のゾーンにありました。成長を手堅いと考え、多少のリスク覚悟で臨むのであれば、むしろこちらの銘柄群のほうが投資対象として魅力的です。長期投資の場合、株価が下げたときの買い増しを前提に、打診買いを入れておくのはありでしょうか。

全体を通じては「事業内容が興味深く、株価もそこそこ割安な銘柄」がほとんどなかったです。もうしばらく我慢が必要かなと思いました。


■企業の何から調べるのか(2017年12月20日)

ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方』より引用します。

初めてお会いする際、私が必ず最初に聞くのは、その企業の沿革です。

(中略)その企業がなぜ今のような状況になっているのか、過去を解き明かすことは、企業の現在についての理解を深められるだけでなく、今後について予測する際にも必要な作業です。

私もIPO銘柄など初見の企業を調べる際、まず沿革に目を通しています。プロ中のプロである、苦瓜達郎氏と同じ視点であることに喜びを覚えました。

それに加え、私自身のやり方として「企業名+経営者名」でグーグル検索を行い、経営者の人物像や職歴などもチェックしています。

企業のトップと直接面談できない、個人投資家としての苦肉の策です。ただ最近ではネット上に社長インタビューや決算説明会の動画がアップされることも多いので、昔と比べれば情報を得やすくなりました。

この2つは、企業を知る上で極めて重要な作業です。なお大まかな沿革や役員の簡単な経歴については、有価証券報告書(IPO銘柄では目論見書)に掲載されています。

■10年間で株価10倍(2017年12月18日)

会社四季報新春号の巻頭ランキングに「10年間で時価総額を10倍以上に増やした会社」が掲載されていました。いわゆるテンバーガーで、48社が該当します。

トップ10は次のとおり。すべて10年前の時価総額が300億円未満(最大のセリアでも119億円)のマイクロキャップだった点が興味深いです。

RIZAPグループ
MonotaRO
セリア
アウトソーシング
日本アジアグループ
日本ライフライン
GMOペイメントゲートウェイ
アークランドサービスHD
寿スピリッツ
コシダカHD

トップのRIZAPグループに至っては238.8倍、10位のコシダカHDでも25.9倍と大幅に上昇しており、この中のどれかを長期保有できれば、一財産築けたことになります。

ちなみに私もトップ10銘柄のうち数社を保有しており、“ささやかな”利益を上げることができました。決して謙遜ではなく、保有期間が短すぎ、大して儲けられなかったのです。

もっと正念を入れて、持ち続ければ良かったですね。そうはいってもリーマンショックや東日本大震災を乗り越えるのは、決して容易いことではありませんでしたが。


■歯医者での体験(2017年12月15日)

少し前の話ですけど、歯が炎症を起こしていたため麻酔が十分に効かず、歯医者で痛い思いをしたことがありました。

そのときの「一刻も早く、この苦痛から解放されたい」という感覚が、リーマンショックで大損をした2008年10月の記憶に似ていました。脳の同じところから出ているような気がしたのです。

今から振り返れば、あそこで投げる必要は一切ありませんでした。含み損を抱えていたとはいえ、長期的には底値圏における誤差に過ぎず、辛抱強く保有していれば相当に儲かったからです。

しかしながら、損失の痛みに耐えきれなかった私の脳が、それ以上のポジション保有を拒否しました。

近い将来、同じ境遇に陥れば、たぶん脳からの指令には逆らえないと思います。元をただせば、一発逆転を狙った無鉄砲な投資を決行し、脳がパニックを起こす状況に自分自身を追い込んでしまったことが敗因でした。

今後は、そうならないよう、計画的な投資を行いたいものです。


■業界専門誌のドラッグストア特集(2017年12月12日)

激流』 は「ドラッグストア異業種侵攻業態の猛威」、 『販売革新』は「ドラッグストア再成長の射程」と業界専門誌でドラッグストアの特集が相次いでいます。

各社の経営戦略や経営者へのインタビューも掲載されていますので、ドラッグストア業界に興味があり「会社四季報の記事だけでは物足らない」と思われている方は読んでみてください。

ちなみに、大きな書店の業界専門誌コーナーは情報の宝庫です。私も初心者時代に通い詰め、様々な業界専門誌に目を通して勉強しました。 とりわけ『商業界』がお気に入りで、何冊か買い求めた記憶があります。

そのときに得た知識が今でも十分に役立っていることは、言うまでもありません。


■脳のアスリート(2017年12月11日)

脳とトレード』を読了しました。読者としてトレーダーを想定していますが、長期投資家が読んでも、得るものが少なくない本です。

とりわけ、次の文章が印象に残りました。

アスリートは身体を鍛え、身体的テクニックを磨くが、投資家は精神的ゲームで自分の短所と長所を知る必要がある。

アスリートが身体的な能力に秀でているように、投資家も精神的な意思決定能力に秀でている必要がある。

個人的には、全体を通じ、精神科医でもある著者が「投資家は脳のアスリートたれ」というメッセージを発信しているように受け取れました。

そのために何をすべきか、色々と考えさせられました。もちろん、本書にもいくつかのヒントが示されています。


■投資に役立つ本(2017年12月6日)

バリュー投資塾に参加されたことがきっかけで、経済の本に関心を持つようになった方から「私が読んでいる本を紹介していほしい」というメールをいただきました。

実のところ、私は純粋な経済の本をあまり興味がありません。 そこで「株本以外で投資の役に立っている本」を、軽く読める順に何冊か紹介します。

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生
ヤンキーの虎
確率論的思考
資本主義の終焉と歴史の危機
投資される経営 売買される経営
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
21世紀の資本

この中で、一番のおすすめは『21世紀の資本』 です。本書を紐解けば「 ビビりで臆病者の角山が、なぜ株式投資を行っているのか」よく分かっていただけると思います。


■自分は他人より賢い(2017年12月5日)

ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方』で琴線に触れた文言があります。

端的にいえば、グロース投資は「自分は他人より賢い」という前提に立っています。

市場参加者が興味を持ち、注目し、企業価値以上に高い株価がついている銘柄を買うということは、「自分はより正しい判断ができる」と信じていることにほかありません。

私が今の仕事を始めて知ったのは、株の世界には優秀な人がいっぱいいること、そんな人たちでも勝ち続けるのが難しいことでした。

生き馬の目を抜くマーケットにて、少しでも長生きしたければ、凡人でも勝ち目のありそうな場所を探すべきだと思います。


■社員数(2017年12月2日)

昨日、50分の道のりを歩いて最寄りのイオンモールまで出向き、書店で1冊だけ本を買い、直ぐに帰ってきました。

苦瓜達郎氏の新刊『ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること 「すごい会社」の見つけ方』を一刻も早く読みたかったからです。

苦瓜ファンとしては、内容をだいたい予想できましたが、新たな気づきもいくつか得られました。まず目に留まったのは次の文面です。

私はこれまでの投資の経験から、日本企業は社員数百名程度の規模が、組織として最もパフォーマンスがいいのではないかと感じています。

言われてみれば、まさにそのとおりで、自分にはまったく抜け落ちていた視点でした。今後、会社四季報を通読する際は、従業員数もチェックするようにします。



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