かつてないような不景気が来る金融機関の貸出態度判断株式上達セミナー
道路インフラの老巧化TTPというビジネスモデル機関投資家の特徴
業種別の自己資本比率リユース業の自己資本比率次の不況はいつ来るのか
IPOの現状銘柄分析の基本そんな銘柄をよくもまあ退職給付費用
不器用な方が儲かる株で儲けるには

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ショートコラム(2016年10月)

■株で儲けるには(2016年10月31日)

株で儲けるためには、究極的にビジネスの所有者である資本家的立場を取るか、売買の職人を目指すかの二択です。どちらが優れているかというわけではなく、どちらが自分に合っているかで決めればいいと思います。

注意したいのは、投資の基本を踏まえた上で、その次に進む過程にて、どちらを目指すかで取得すべきスキルが全く異なる点です。

高校にて、文系を目指すか、理系を目指すかぐらいの違いがあります。初心者のうちは、ファンダメンタル、テクニカルとも浅く広くでOKですが、いつかは決断すべき日が訪れることを念頭に置いてください。


■不器用な方が儲かる(2016年10月28日)

株式投資の中でも、ファンダメンタル分析をベースとした中長期投資は、不器用で世渡りの下手な方ほど向いていると思います。

そういった人種は、不遇な環境に慣れているので、粘り強いという投資には不可欠な一面を持ち合わせているからです。

一方、会社などでトントン拍子に出世する世渡り上手なタイプは、株で苦戦するかもしれません。この世界では、おべんちゃらの上手さや政治的駆け引きの巧みさなど、悪い意味での「要領の良さ」が通用しないのです。

株は、手を抜いて楽をしようとすればするほど、裏目に出ることが多いです。そういう意味では、普段の努力が報われていないサラリーマンや自営業者ほど、投資家として大成するかもしれません。


■退職給付費用(2016年10月26日)

私の見ている中小型株にも、黒田日銀のマイナス金利政策による利回りの低下を受けた退職給付費用の増加により、最終減益となる銘柄が散見されるようになりました。

ただ、その手の会社は得てして財務に優れており、キャッシュフローも良好です。余裕があるからこそ、早めに手を打てるのでしょう。

この件に関しては、高給取りの「働かないおじさん」を多数抱えており、借金でヒイヒイいっている大企業の方が影響も大きいと思われます。将来的な“隠れ債務”として問題化しないのか、とっても気になります。


■そんな銘柄をよくもまあ(2016年10月25日)

会社四季報秋号にて、ほぼフェアバリューと思われる成長株を発見。「もう少し、下がってくれないかな」とウォッチしていたところ、あれよあれよという間に株価が上がってしまいました。

やはり私には、ピカピカの会社には縁がないのでしょうか。成熟産業や斜陽産業に属する企業、世間から低く見られるビジネスを行っている企業、「そんな銘柄をよくもまあ」と呆れられるような企業に注目したいです。


■銘柄分析の基本(2016年10月24日)

ここ数回のバリュー投資塾では、皆さんの参考になればと思い、個別銘柄を浅く広く取り上げてきました。

すると、いつも出席されている方から、次のような質問がなされたのです。

銘柄分析は、どういった手順で、何をやればいいのですか?

言われてみれば、最近は銘柄分析のプロセスについて、ほとんど説明していなかったような気がします。そこで、11月のバリュー投資塾では「銘柄分析の基本」に立ち返ることにしました。

会社四季報や決算短信の見方、事業環境などの調べ方をお話した上で、製造業、小売業、サービス業の中から個人投資家に人気の高い3銘柄を選び実際に分析してみます。

なお、テキスト作成に関しては『投資される経営 売買される経営』を参考にしました。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

次回は11月のテーマは「銘柄分析の基本」です
日時・場所

2016年11月12日(土) 10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2016年11月26日(土) 10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

人数

少人数制(10名様程度まで)

受講料

銀行振込 25,920円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは次回以降の受講に振替させていただきます。

内容

銘柄分析に必要な会社四季報や決算短信の見方、事業環境などの調べ方をお話した上で、ケーススタディとして個人投資家に人気の高い3社(SHOEI、コメ兵、コシダカHD)の銘柄分析を試みます。

テキスト
概要

1 会社四季報
1−1 【特色】
1−2 【連結事業】または【単独事業】
1−3 【株主】
1−4 【株式】
1−5 【財務】
1−6 【指標等】
1−7 【キャッシュフロー】
1−8 【業績】
1−9 【株価指標】

2 決算短信・有価証券報告書
2−1 経営成績に関する分析
2−2 事業等のリスク
2−3 貸借対照表
2−4 損益計算書
2−5 キャッシュ・フロー計算書
2−6 セグメント情報等
2−7 有価証券報告書

3 その他の調査事項
3−1 事業環境
3−2 業界構造
3−3 経営者
3−4 現地調査

4 SHOEI(製造業)
4−1 分かりやすさ
4−2 事業環境
4−3 業界構造
4−4 経営者
4−5 技術力
4−6 販売ルート
4−7 財務
4−8 資産バリュー
4−9 収益バリュー
4−10 株価推移

5 コメ兵(小売業)
5−1 分かりやすさ
5−2 事業環境
5−3 業界構造
5−4 経営者
5−5 ブランド力
5−6 店舗網
5−7 財務
5−8 資産バリュー
5−9 収益バリュー
5−10 株価推移

6 コシダカHD(サービス業)
6−1 分かりやすさ
6−2 事業環境
6−3 業界構造
6−4 経営者
6−5 カラオケ事業
6−6 カーブス事業
6−7 財務
6−8 資産バリュー
6−9 収益バリュー
6−10 株価推移


■IPOの現状(2016年10月22日)

昨年から始めたIPO銘柄レポートですが、次から次へと新規上場企業が登場し、書いても書いても追いつかない状況が続いています。

そのうえ、目論見書や成長可能性に関する説明資料に美辞麗句を並べておきながら、やっていることは大したことのない企業が少なくありません。

IPOの現状を鑑みる限り、株の買い時は当分先かなと感じる今日この頃です。


■次の不況はいつ来るのか(2016年10月21日)

おそらく、この世から景気循環と株価サイクルはなくならないでしょう。そうであれば、次に訪れるのは不況のはずですが、問題はいつ来るかが分からないことです。

株価が景気に先行するため、経済統計はあまり役に立ちません。テクニカル分析で株価の先行きを占おうにも、ダマシがつきものです。

結局、誰の目から見ても明らかな不況になり、マーケットから投資家の悲鳴が聞こえてくるまで待つしかないと思います。でも、毎日のように株価を見ていると、じっとしていられないのが人間の悲しい性です。

つい、あれもこれもと買い込んでしまい、自分が悲鳴をあげる側に回らないよう気をつけたいものです。


■リユース業の自己資本比率(2016年10月18日)

昨日の記事で「ドラッグストアなら自己資本比率30%台でもやっていける」と書きました。

ドラッグストアは、掛けで仕入れた商品がすぐに売れて現金化できるため、極度の販売不振に陥らない限り、資金繰りに余裕があるからです。コスモス薬品(3349)がリーマンショック後の信用収縮局面にて大量出店を断行できたのは、このカラクリの活用にあったとも聞いています。

では、昨今の成長が著しいリユース業はどうでしょうか。リユース業は仕入が収益の源泉であり、原則的に個人から現金で買い取ります。商品の中には、カメラや楽器など、売れるまで日数を要するものもあります。資金繰り的には、決して楽ではない商売です。

そういった事情を考慮すれば、リユース業の自己資本比率は高い方が望ましいといえます。現に、王道的な経営を行っているハードオフ(2674)の自己資本比率は80%を超えており、しかも無借金経営です。

同じ小売業でも、ビジネスモデルの違いにより、安全性に対する認識が変わってくる点に注意してください。


■業種別の自己資本比率(2016年10月17日)

日本取引所の調査レポートより、2016年3月期の自己資本比率をグラフ化してみました。

自己資本比率は、一概にどの程度であればOKとは言い切れないです。不況時には赤字に転落する工作機械メーカーなら50%以上は欲しいですし、現金商売で回転差資金を得られるドラッグストアなら30%台でもやっていけるでしょう。

ビジネスモデルと重ね合せ、どの程度が最適かを考えたいですね。

自己資本比率(製造業)

自己資本比率(非製造業)


■機関投資家の特徴(2016年10月14日)

株式投信の月報をチェックしていて、以前から感じていたことがあります。

何だ、この人たち。建前だけ立派で、やっていることは単なる追っかけ売買じゃないか。

毎月のように上位銘柄が入れ替わっているし、こんな運用で大丈夫か?

中神康議の著書『投資される経営 売買される経営』でも、その点が指摘されています(下図)。全体的に短期・順張り志向で、個人の株式トレーダー顔負けです。

機関投資家の投資行動に偏りが見られるのであれば、その反対側に立つことにより、超過リターンを得ることができそうです。

我が国機関投資家の際立った二つの特徴


■TTPというビジネスモデル(2016年10月12日)

飲食業には、TTP(徹底的にパクる)というビジネスモデルがあります。

流行している同業他社の新業態を徹底的に調査し、見事なまでのコピー店舗を次々に出店するという手法です。訴訟を起こされても、和解に持ち込むノウハウまで備えています。

このビジネスモデルにより、業界最大手にまでのし上がったのがモンテローザ(非上場)です。居酒屋チェーンをフォローしている方なら、「塚田農場」を模倣した「山内農場」の大量出店が、記憶に新しいでしょう。

そんな同社ですが、相変わらずTPPに余念がなく、次のような業態を始めました。

●全品280円「豊後高田どり酒場」
●本場大阪の味「俺の串かつ黒田」

あれれ、全品280円の焼鳥とか、大阪の味の串カツとか、どこかで聞いたような・・・(気のせいでしょうか)。飲食業界を投資対象としている場合は、モンテローザの動向を常にウォッチしておきたいものです。


■道路インフラの老巧化(2016年10月11日)

調べ物をしているとき、たまたま興味深い資料を見つけました。道路インフラの老巧化に関するデータです。

当然、どこかの民間企業がこの恩恵を受けるわけです。皆さんは、何社浮かびましたか。

道路インフラの老巧化の進展


■株式上達セミナー(2016年10月7日)

久しぶり林輝太郎氏の著書『株式上達セミナー』を読み返しました。

自分の手法を絶対視するところにやや難があるとはいえ、著者の言っていることは概ね正論です。「そのとおり」と思わず膝を打った箇所をいくつか引用しておきましょう。

あらゆる商売、事業は人間関係からはじまる。しかし、株式売買では人間関係を断つことからすべてがはじまる

一般に、下手な人は「敵」のことはおそろしいくらい細かく調べるが、「己れ」のこと、すなわち自分のことを考慮に入れない

常識で考えろ。新聞で儲かるなら誰だって儲かる

何か株を持っていないと気のすまない人は、売買を娯楽としてスリルを楽しんでいるだけなのである。それでは絶対に上達しない

ただ、こういった記事を書けば、ほぼ間違いなく嫌われます(苦笑)。本当に株が上手くなりたければ、読む価値のある本ですが・・・。


■金融機関の貸出態度判断(2016年10月5日)

日銀短観には、投資の参考になるグラフがいくつか掲載されています。

その中で、私が注目しているグラフのひとつが金融機関の貸出態度判断です。ほぼ周期的に、貸出態度の緩い時期と厳しい時期が入れ替わり、信用膨張・収縮の状況が手に取るように分かるからです。

今は、緩い審査が続き、将来的な不良債権の種を積み上げている状況といえます。やがて景気が悪化して、それが一斉に表面化すれば、慌てて貸し渋りに走るのがいつものパターンです。

先日の日経にも、ある不動産会社幹部のコメントが掲載されていました。

投資用マンションを買える顧客の目安は数年前まで年収600万円以上だった。今は銀行審査が緩くなり400万円でも購入できるようになった

あれ、この前の不況では「投資用マンションを買うサラリーマンへの融資はしない」とか言っていませんでしたっけ。

そろそろ、危険に領域に近づいているかもしれないですね。

 

日銀短観 金融機関の貸出態度判断


■かつてないような不景気が来る(2016年10月3日)

ニトリHD(9843)の似鳥会長が、決算発表の記者会見で注目すべき発言をしました。

18年に東京五輪関連のインフラ整備が終わり、19年には消費税増税が実行される見通しなので、19年度からかつてないような不景気が来るとみている。この不景気をチャンスととらえシェアをとっていきたい

私自身も、もう少し待てば本格的な弱気相場がやってくると邪推しています。次の不況で割安銘柄を目一杯仕込めるよう、気になる銘柄も打診買いレベルにとどめ、ひたすら銘柄研究を行っている今日この頃です。



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