久し振りに快晴の十五夜となった。
昨年までは空地を隔てた墓場越しに昇る月を見られたのだが、
大きな家が建ったので今年から全然見られなくなってしまった。
まあ家を建てるのは個人の自由だから、
月を見られなくなっても止むを得ないことである。
 
月が高く昇れば見られるようになるが、
昔のような風情と言うものは無い。
都会ほど明るくないのは幸いだが、
爆音を放って走りまくる自動車は後を絶たない。
今年は翌日が休日となったことも一因かもしれないが、
忘れた頃に爆音が響き渡ってくる。
日付が変わる頃には静かになったように思えたが、
今度は救急車のサイレンが響き渡る。
かつては三池炭鉱の煙突で煙たがったお月さんも、
現在では自動車の騒音で耳が痛かろうと思われる。
 
名月で一句と思っても、
現世ではこんな句しか浮かばない。
月のうさぎに申し訳無いが・・・

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