今年は冬の寒さで梅は半月ほど遅れたが、
3月になってからの暖かさで桜は早いようである。
我家のソメイヨシノはまだ10数年の樹齢なのだが、
成長が早いので結構大きな木になってしまった。
花を眺める上では自由に枝を伸ばしたいのだが、
狭い庭なので高過ぎれば日当たりが悪くなるし、
道にはみ出した枝も切り詰めなければならない。
『桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿』と言う諺があるが、
馬鹿と言われても伐らねばならないのが現実である。
太い枝を伐るとそこから細い枝が沢山出るが、
やはり全体としては枝が疎らで不細工な樹形となる。
梅は一輪でも鑑賞に堪え得るが、
桜の場合には集団で咲かなければ華やかさが失せる。
だがそれは人間の身勝手な話であり、
桜はどんな状況下でも懸命に花を咲かせる。
疎らな桜の花は寂しさを漂わせてはいるが、
その健気さを愛でようではないか。