麦踏み・・・
農家でなくても麦踏みを知っている人は多いかと思うが、
良く考えてみれば何とも不思議な行為である。
踏み付けに強い芝でも立入りを禁止することがあるのに、
大きく成長しなければならない麦を踏みつけるのだから。
一体誰が考え出した農作業なのかは知らないが、
あるいは偶然に生まれたものなのだろうか。
麦踏みも昔はその名前の通り、
人間が足で麦を踏んでいた。
一株一株足で踏むのでは時間がかかるので、
やがて手押しのローラーを転がすように改善された。
そして現在では大きなローラーを動力で走らせ、
複数の列を一度に踏みつけることが可能となった。
我家では麦作を止めて久しいが、
麦作の方法も昔とは異なり、
生産性よりも省力化が重要視されているようである。
何れは麦踏みも省略され、
言葉だけが残る時代が来ることだろう。