金木犀の香りがしてきた。
子供の頃でもかなり大きな木だったから、
現在の樹齢は100年近くになるのではないだろうか。
 
金木犀は円筒形に剪定するのが一般的である。
周囲の濃緑の葉に淡い橙色の花が散りばめられた姿は、
芳香とも相俟って正に金木犀の晴れ姿と言うことが出来よう。
しかし円筒形に形を整えるのは素人仕事では困難である。
かと言って業者に頼むほどの余裕も無い。
道にはみ出た枝を落とす程度の手入れしか行っていないので、
とても円筒形には程遠い姿をしている。
 
形は悪くても金木犀は律儀に花を付けてくれる。
いや、
形が悪いと言うのは人間の身勝手な考えかもしれない。
金木犀としては自由に枝を伸ばしたいのかもしれないのだ。
しかし狭い庭の中では金木犀の自由は制限せざるを得ない。
気の毒だが冬になったら頂部を切らせて貰うことにする。
それでもまた来年も花を付けてくれよ。
 

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