群馬県は比較的気候も穏やかであり、
平野部の水田では2毛作が殆んどであった。
秋の収穫が終われば小麦か大麦の種を蒔き、
冬の空っ風に耐えて春になれば青々と茂り、
雲雀にとっては絶好の棲みかとなった。
麦価は米価よりも更に安く、
兼業農家が主流となったこともあり、
麦が作られていない田が目立つようになった。
しかし何も作らなければ草地となり、
田植え前には一仕事増えることになる。
麦の代わりにれんげ草が蒔かれた田も時々見かける。
けんげ草自体は収益とはならないが、
雑草を押さえると共に自らが良質の肥料の代わりとなる。
しかし水田は狭いようでも結構広い。
一面に種を蒔くのもそれなりに費用がかかるのかもしれない。
麦もれんげも無く、荒れ地状態の水田もまた多い。
そう言えば、雲雀のさえずりを聞くことも少なくなった。
これ即ち、開発の賜物なのであろうか。