あるクイズ番組の中で、「シモバシラ」と言う植物が紹介されていた。
三省堂の大辞林には次のように載っている。
シソ科の多年草。山中の林下に群生。
・・・
冬、枯れた茎に氷柱を生じるのでこの名がある。雪寄せ草。
残念ながら、私はこの草を見たことがない。
そしてまた、この草の語源でもある本家の「霜柱」にも、
最近はトンとお目にかかることがない。
霜柱は寒ければ生じると言うものではない。
土中の水分が毛管現象により地表に上昇する条件がなければ、
いくら気温が下がっても駄目なのだそうである。
異常乾燥で地面が砂漠のようになっていたのでは、
霜柱は出たくても出られないのである。
昔は霜柱なんてありふれたものだった。
だが不幸なことに、最近の子供、とりわけ都会の子供にあっては、
霜柱を踏んだ経験の無い者も多いことかと思われる。
今、久し振りに霜柱に出会ったらどうするだろうか。
昔のように踏みしめて歩くだろうか。
いや、いとおしく思えて、きっとそのままにしておくことだろう。