2009年2月17日

厚生労働大臣
枡添 要一 殿

ブラジル被爆者平和協会
会長   森田 隆

要望書

 在外被爆者援護対策に御協力頂き感謝致します。
 長年にわたり在外被爆者を平然と差別し続けた間違った政治が在外被爆者を苦しめ続けました。その間、我々は日本政府との話し合いを続けましたが、残念ながら事は動かず、支援して下さる皆様の援助で裁判に踏みきりました。その結果、援護施策は僅かずつ前進して来ましたが、まだまだ日本国内被爆者との差別が埋まっておりません。しかし、もう時間がありません。我々も日本国民です。その誇りをもって今まで歯を食いしばって生きてきました。どこに在住していても被爆者として同じ援助をされるよう願うばかりです。

1、 在外被爆者における原爆症認定を、早急に在外公館を通じて申請出来るよう願います。
2、 在外被爆者保健医療助成医療費の上限撤廃を願います。
3、 証人の件に関して在外にて被爆64年は厳しく、在外被爆者がこれまでに各都道府県・市に提出した被爆者手帳取得に関する申請書類に再度目をとおし、速やかに被爆者健康手帳を発行されるよう切に望みます。
4、 在外被爆者が現地に於いて健診、治療が受けられるよう病院の指定を行ってください。
日本の広さの22倍あるブラジルでも病院の態勢は整っています。
5、 毎年、健康管理手当、保健医療助成費の更新手続きに苦められます。
今年は、領収証の原本の提出を求められていますが、納税申告して医療費控除を行った場合、領収書は保管を義務付けられているため、提出できません。これまでと同じように領収書コピーでよいようにしてください。
6、 提訴中の在外被爆者に対する損害賠償請求裁判については、早急に和解に応じ、速やかに損害賠償金を支払うよう願います。

 私は、このたびピース・ボートでの「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」にカナダ、オーストラリア、メキシコ、韓国、ブラジルの9人を含む103名の被爆者とともに参加し、4ヵ月の航海で、まだまだ世界に於いては、原爆の被害、放射能、核の恐ろしさが知られていないことを知り、平和の尊さを実感しました。又、今回の旅では世界中の多くの「メディア」が被爆者の訴えに注目しました。
 長い間、援護法の枠外で苦しむ在外被爆者に一日も早い援助を存命のうちに実行する事が真の援助と認識致し、上記の項目について人道上という原点に立ち返って行われることを切に望みます。