宇宙人
高校3年生の純一は、朝食を食べながら、器用に新聞を読む父に聞いた。
「お父さん、宇宙人っていると思う? 」
父親の持つ新聞紙がプルプル震えた。新聞紙をたたむと、怖い顔をして言った。
「純一、そんな事を聞いてはいけない。いいかい、他の人にもそんなこと決して聞いてはいけない」
「どうして? 」
「そりゃ、おまえ、私たちが宇宙人だからだよ」
「…… 」
純一は父の言う事に一瞬戸惑った。
「お父さん、冗談きついよ」
「お父さんが宇宙人だったら、お前は子供だから、お前も宇宙人だ。理屈で言うとそうだろう? 」
「それはそうだけど、お父さんが宇宙人だって言う証拠はあるの? 」
父親はむっとした顔をして席を立ってしまった。しばらくして父親は段ボール箱を抱えてやって来た。その中から一通の手紙をテーブルの上に置いた。
「私の父の手紙だ。お前のおじいさんだよ」
純一はその手紙を広げて読んだ。
渉へ
お父さんは今まで黙っていたが、宇宙人だった。ごめんよ。黙っていて悪かった。お父さんも実はお父さんから聞かされるまで知らなかったんだ。だから、許してほしい」
父より
どうして宇宙人であるか、詳細にわたり書かれていた。ダンボールの中はすべておじいさんのおじいさん、こりゃまたおじいさんのものがずっと貯められていた。
すべての手紙を読み終えた純一は、父の顔をずっと見つめてからやっと口を開いた。
「ねえ、筆跡がみんな同じなんだけど」
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