NEXT天心■ 
岡倉天心論の概略
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博物学を超えて
天才と営業能力
破かれなかった国家論と破いた美術論
世紀松の解読
日本という初期設定
スーフィーと空海
外側から内側の日本へ
ユートピアの方角を巡って
岡倉テンション
骨董屋天心
ピンク色の茶室
天心以降の天心 
天心と源内のシュミレーション
星の風流
十二万年名月の夜からの伝言
岡倉テンサグリティ
2005年 SUMMER 神谷僚一
9岡倉テンション(NEXT天心より抜粋)

 岡倉天心が嫌ったもののリスト。
●分類する者
●万有の中に自分の姿を見ぬ者
●名人の気分を骨を折って研究しない者
●完全を求むる手続きよりも完全を優先させる者
●意匠の均等
●芝居全体を知らぬ者
●容易に説明のつく教理
●人生の些事の中にも偉大を考えぬ者
●富と権力を得んと争う莫大な努力をせし者
●茶気のない者
●一知半解の徒
●解剖学や遠近法
●個別的なものの輪郭を描く者
●機織り女も農夫も乞食も商人も東洋の偉大な贈り物と無関係と見る者
●男らしさではなく暴力を、自覚ではなく攻撃をする者
●世間の意見にならい脱落していく気の弱い者
●東西文明の類似性を見ぬ者
●同じ姿
●痴愚の理想化を謀る者
●温和な人間味をふくまぬ思想
●あるがままの事物
●自然らしさを基準とする一切の批判
●ホンモノの洗練とは程遠いもの
●理想性を欠くもの
●余白のないもの
●あらわに示すもの、完全というもの
●水にうつる月影をつかもうとする猿(禅宗)
●苦行
●純粋でない者
●剣そのものと化さず剣を使う者
●技巧主義、自己抑制
●抽象と純粋についての学問的な会話を楽しまぬ者
●無限の前にひれふさざる無知
●限定するもの
●概要
●年代記学者の分析のナイフ
●ひたすら個別的なものに執着して人生の手段の探求にいそしむ者
●流行を追うこと
●ウルサイもの
●醜悪なもの
●華麗な退屈(絵画における近代の問題)
●入念な無気力(絵画における近代の問題)
●芸術の保護ではなく、自分たちの保護をする者
●かけ替えのない一人になるのではなくて、
その他大勢の仲間になる人
●その作品の侍従でもなく、下僕でもなく、
その主人であると考える類希な芸術作品の所蔵者
(ボストン美術館中国日本支部の仕事に協力する婦人たちへの談話)
●性急な、共感を知らない耳(ボストン美術館中国日本支部の
仕事に協力する婦人たちへの談話)
●競売や業者
●同情のない批評家(文学局外観)
●偶然(雅邦先生招待会の席上にて)
●芸術は古いのが宜(よろし)いという人
●貢献の天職を果たす覚悟なき者(美術家の覚悟)
●橋本雅邦翁の真似(同)
●唯系統を追ふてのみ進む底(てい)の死んだ精神のない研究方法
(奈良美術研究の必要)
●西洋中心の考えの日本趣味(日本趣味と外国人)
●後からついていく人(噫菱田春草君)
●なぐりもの(同)
●我々の過去の理想の徹底的な破壊者(ギルダー夫人あての書簡)
●博識(ニューヨーク・タイムズ編集長あての書簡)
●理解するふりをして、実はその眼にお似合いの爪をもっているだけの、
腹黒い陰険な雌猫と、最上の手合いでも
苦痛を通じて知り得たことしか教えちゃくれない雄猫
(ガードナー夫人あての書簡)
●私のつまらぬ悩みごと(プリヤンバダ・デーヴィあての書簡)
●晩餐会(同)
●セミ(又の世は蝉にゃならん夏木立)
●藩閥、私族(「相容れず」の漢詩より)
 明治23年11月11日の日記(雪泥痕)に、
筆ヲ採て内心解剖表ヲ作り将来警戒と希望ヲ書し架空之言以て自から慰む
 大愚可笑矣、とある。


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