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■虚無の宝石箱■ | ||||
◆ | 【ノート】 「虚無の宝石箱」という題名だけは 二十代の頃から浮かんでいた。 イメージとしては宝石箱の中に「虚無」が入っているイメージだった。 それがバックミンスター・フラーさんの「宇宙エコロジー」が出版された2004年の夏あたりから 「虚無」イコール「宝石」ではないかと思えるようになってきた原子転換があった。 序文はその気持ちを表している。 ● ぼくらはきっと渦巻きだから ぼくらは青空の実験者だから・・・ ぼくはあなたのコトバになることもできるし あなたはぼくを踊ることもできる ● 失語症の季節を終わらせることができたのも ただ前進したいという一念だけだったのかも知れない。 星を掴んでこの手にしたいというそれだけの希求が誰にもまして強かった性で 不可視の手には捕まえられても 現象の風には捕らえられなかったためかも知れない。 「星の函」にはその痕跡がある。 ● 自分が捕らえたいちばん好きな作品と出会えた。 〜「忘れないでね」と見上げるばかりに高いビルディングからいわれた。〜 それが 「夜明け」という作品。 ● 自分が表現するおそらく文学形式では最高度のもの それが 「彼方の季節」という作品。 〜次に夜空に君臨するモノ「星」を(一角獣は) 角で集めはじめた。 角でかき集められた星は かすかな暖かさをともなった「春」となった。 次に一角獣はどこからか「ヒト」を呼びだした。 長い角をまわすと ヒトはたちまち(以下省略)〜 ● 僕は氷を溶かす作業をしている。 ほとんど誰も挑んだことがなく 名づけられたこともなく 知られることもない巨大な氷だ。 僕がすべての持てる力をつくして ようやくほんの少しとけた氷の一部を持ち帰り 朝の冴えた目で眺めることができるようになったときだけ キーボードに現れるほんのささやかな一瞬。 それが僕にとっての僕の物語。 ● 氷が溶けて コトバが生まれた。
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