出版■ 
出版に関しては、こんな風に思っています。
自分の書いたすべての本を出版しようとは思っていません。
以前ほどブックデザインへのこだわりはなくなりましたが、
それでもある程度のデザインは必要と思っています。

本の内容によって流通経路を変えてもいいと思っています。
カフェにおいてもらうのにふさわしい本もあるでしょうし、
別の本の場合は映像にすることを考えれば大手で流すのもいいでしょう。
ネット予約のみで密かに流すのもいいでしょう。

遊星のように運行していく読者にしか、僕の本は見えません。
そして僕は僕の知り得たことすべてを本に発表しているわけでもありません。
本にならないカタチのコトバもあります。
僕という季節は本には入りきれません。
それでもなにかしらの足跡を付けて
皆さんの今後のデーターにしていただけたらと思っています。

コトバは消費するものでも近代に消費されるものでもありません。
コトバはまるで「綾取り糸」のようなもので
コトバは百パーセント「あやかし」です。
コトバは「幾何学」でありコトバは「天語り歌」そのものです。
コトバは「思考」を超えて「感能」するものです。
そしてコトバは本質的に「本になろうとしないヒカリ」です。

それでも縁があれば本にしてもかまいません。
いまのところ僕にとっては本になることよりも書くことの方が重要です。

いずれどこか詩人のいる場所で会いましょう。
ダンセイニ卿は言っていました。
Time will bring readers



2005年 SUMMER 神谷僚一