痔とは


痔とは肛門の病気の総称です。一般的には、痔核(いぼじ)、痔瘻(じろう)、裂肛(きれじ)と大別でき、これらがお尻の病気の90%を占めています。
内訳は50%が内痔核、外痔核、脱肛などの「いぼじ」、25%が肛門の周囲が化膿する「じろう」、15%が硬い便で切れて痛い「きれじ」です。
残りの10%ではありますが、この狭い場所に様々な大変な病気が潜んでいるので注意を要します。つまり、ガンなどの腫瘍性の病気、腸がとび出る直腸脱、お尻を洗いすぎて起きる肛門周囲皮膚炎、年齢や手術後の肛門機能不全、お尻が気になる肛門神経症、クローン病や潰瘍性大腸炎の随伴病変など色々です。
いずれにしても、怖がったり、恥ずかしがったりせずに早期発見・早期治療することが最も大切です。


痔核
痔核(いぼじ)
肛門から直腸下部の周囲にある、細かい血管にうっ血が起こり、腫れて静脈瘤になったものです。 肛門の循環障害が原因で、発生する場所で内痔核、外痔核といわれます。 進行に伴い内痔核は肛門から脱出しますが、痛みはほとんどありません。

痔瘻(じろう)
直腸と肛門の境目にある肛門腺が、硬い便で傷付きバイ菌が入り、感染により化膿して肛門周囲潰瘍という膿(うみ)の溜まりを作ります。 このうみが大きくなると、肛門の外側に穴が開きうみが外に出、瘻管という通路ができます。

裂肛(きれじ)
硬い便が肛門を通過する際に、肛門の出口付近が切れます。 俗にきれじと呼ばれます。 痛みは強く再発して慢性化し、肛門潰瘍を形成し、その結果、肛門狭窄を引き起こします。