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在嶋満の本棚

  1. 逆鱗

逆鱗  ☆  講談社 
 第68回メフィスト賞受賞作です。ある男の復讐の物語であり、その復讐がまた別の復讐を生むという構図になっている作品です。
 物語の主人公は二人。新宿百人町に事務所を構える私立探偵の氷川凛と凛の幼馴染で以前は警視庁の組織犯罪対策部にいたが、同僚にはめられて左遷され、今は五日市警察署の刑事課の刑事である赤峰重樹。ある日、凛の事務所に高校1年生の新井瀬菜と小野寺恵太が助けを求めてやってくる。瀬菜の兄・隼斗が暴力団事務所に放火して逃げ、兄に呼び出されて一緒にいた瀬菜が暴力団に追われているという。凛は元マル暴の赤峰に協力を求めるが、赤峰のいる五日市署管内では暴力を受けた跡のある頭部だけが見つかるという猟奇事件が起こっていた・・・。
 物語は凛と赤峰の視点だけでなく、中国に住む日本残留孤児である蘇皓燈(スーハオデン)の視点で語られていきます。蘇皓燈が隼斗であることは早い時点でわかるのですが、中国人、暴力団、半グレ、芸能事務所社員等々登場人物が多くてその関係性の理解が追い付かず、ページを元に戻ることもありましたが、内容の面白さを減じるものではありません。
 いわゆるハードボイルド作品で、格闘場面も多く、美人の凛が格闘も男に負けないときては、彼女に惚れてしまう読者も多いのではと思います。
 ラストではミステリー的などんでん返しもあります。最初に感じた違和感がずっと残っていましたが、そうだったのかあと納得です。凛と赤峰のキャラも立っていますので、シリーズ化に期待したいです。 
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