| 劇場版 緊急取調室 THE FINAL(2026.1.3) |
| 監督 常廣丈太 |
| 出演 天海祐希 田中哲司 石丸幹二 佐々木蔵之介 小日向文世 でんでん 塚地武雅 大倉孝二 鈴木浩介 速水もこみち 比嘉愛未 野間口徹 工藤阿須加 丸山智己 杉咲花 眞島秀和 草刈正雄 平泉成 勝村政信 徳重聡 小野武彦 山崎一 生島勇輝 中村静香 |
| 二つの大型台風が日本を襲う中、病院を慰問に訪れた総理大臣の長内洋次郎に男がナイフをもって襲いかかる。男は取り押さえられ、その取り調べを緊急事案対応取調室が担当することとなり、真壁らが現在の所属から呼び戻される。男の名前は森下弘道であることがわかるが、森下は動機を語らず、長内をこの場に連れてくるよう要求する。やがて、森下と長内が同じ大学のヨット部であり、学生時代に参加したレース中に起こった遭難事件の当事者であったことが判明する。その遭難事件を足掛かりに長内は総理大臣まで上り詰めたが、その事件では1人の大学生が死亡していた。果たして、彼らの間には何があったのか・・・。 テレビドラマが終了し、2年前に公開される予定だったのが、総理大臣役を演じた香川照之さんの不祥事により公開延期となり、その後、総理大臣役を石丸幹二さんに変えて撮り直しなどをして、ようやく公開にこぎつけました。公開まで時間があったため、その間、テレビで新シリーズが放映されたのはファンには嬉しいところでしたけど。 今回は、総理大臣を取り調べるというのですから、ありえないだろうというのが本当のところ。そこは今作品では、総理大臣が警視庁に激励訪問をし、その際の帰り道で取調室に見学に入るという展開に強引にしていますが、それも仕方ないところです。配役が香川さんから石丸さんに変わって、割と柔和な表情もする石丸さんに対して、香川さんはかなり強面の厳しい顔つきですから、話すセリフとかも変わったのでしょうかねえ。 |
| 28年後...白骨の神殿(2026.1.17) |
| 監督 ニア・ダコスタ |
| 出演 アルフィー・ウィリアムズ ジャック・オコンネル レイフ・ファインズ チャイ・ルイス=ペリー キリアン・マーフィー エリン・ケリーマン |
| 「28年後...」の続編です。母を看取ったスパイクは島を離れ、感染者がさまようイギリス本土で生活することを選択する。そんなスパイクが感染者に襲われているところを、ジミー・クリスタルが率いるジミーズに救われ、彼らと行動を共にする。ところが、このジミーズはカルトな狂信的集団で、隠れ住んでいた未感染者を殺害するなど残虐非道の限りを尽くす。一方、医師のケルソンは感染者のサムソン相手に治療を試み、やがて、サムソンは意味のあるひとことを呟くまでになる。そんなケルソンとサムソンの様子を見たジミーズはケルソンを自らが崇める覇王だとして近づくが・・・。 今回は感染者に襲われるシーンより、ジミーズによる残虐非道な行為の方が目をそむけたくなります。感染者より人間の方が怖いですよね。それにしても、アイアン・メイデンの「魔力の刻印」をバックに踊る覇王に扮したケルソンには度肝を抜かれました。 何といっても今作の注目は公開前から情報が流れてきた「28日後」の主人公を演じたキリアン・マーフィーが再登場すること。最後に顔を出しただけですが、次の最終作にはメインになるのでしょうか。 |
| MERCY マーシーAI裁判(2026.1.24) |
| 監督 ティムール・ベグマンベドフ |
| 出演 クリス・ブラッド レベッカ・ファーガソン カーリー・レイス アナベル・ウォーリス クリス・サリバン カイリー・ロジャース |
| AIが裁判官役を務め判決を下す近未来の話です。 刑事のレイヴンは妻殺しの容疑者として逮捕され、AI裁判にかけられることとなる。被告人は90分以内に自ら裁判で収集されている証拠を用いて無実を証明しなければ、その場で処刑されることになっていた。レイヴンはかつて相棒を事件で失って以来、酒におぼれ、妻との仲も悪化していた。事件の日は警察に出勤したが駐車場からそのまま家に戻ってきて強引に家の中に入り、再び出て行った姿が映像に残されており、その後に帰ってきた娘が殺されている母を見つけていた。レイヴンが家を再び出てから家に入った者はなく、映像データはレイヴンを犯人だと示していた。レイヴンは無実を訴え、様々なデータから真犯人を見つけようとするが・・・。 AI裁判官を演じているのがレベッカ・ファーガソン。上半身、それもほとんど顔だけの出演で、「ミッションインポッシブル」のような派手なアクションシーンはありません。とはいえ、常に登場しているのでファンとしては嬉しいです。彼女のキリっとした顔はAI役に向いていますね。しかし、弁護士もなく、自分で無実を証明しなくてはならないシステムは一般人には無理ですよねえ。今回のように被告人が刑事だからこそどんな証拠を提示すれば自分が無実になるのかわかるでしょうけど、一般の人はわかりませんからね。だからこそ、現在の裁判制度では弁護士がつくのでしょうけど。 事態が進んでいく中で、AIが感情を持ったのではというシーンもあります。そこだけ、レベッカ・ファーガソンも表情変えます。 最後、「実は・・・」というどんでん返しのストーリー展開もあり、その点でも楽しむことができました。 |
| ウォーフェア(2026.1.26) |
| 監督 アレックス・ガーランド レイ・メンドーサ |
| 出演 ディファラオ・ウン=ア=タイ ウィル・ポールター コズマ・ジャービス キット・コナー フィン・ベネット テイラー・ジョン・スミス マイケル・ガンドルフィーニ アダイン・ブラッドリー ノア・センティネオ エバン・ホルツマン エンリケ・ザガ チャールズ・メルトン ハイダー・アリ ネイサン・アルタイ |
| 実話に基づく作品です。戦場とはどういうものかを戦争を知らない私たちに正確に教えてくれます。上演時間95分のほとんどが地上での戦闘シーンです。冒頭、兵士たちがレオタードで踊る女性たちのビデオを見て騒ぐシーンはあるものの、兵士たちの友情などという情緒的なものは一切語られていません。 舞台はイラク。翌日に侵攻してくる友軍の安全な通過を確保するために、前夜道路沿いの家に侵入して拠点を築き、アルカイダの動向を探るアメリカ軍特殊部隊シールズの小隊。しかし、彼らの存在は気づかれ、攻撃を受けて負傷者が出てしまう。負傷者の移送のためブラッドレー(歩兵戦闘車)がやってくるが、収容しようとしたところに爆弾が爆発し、死傷者が出て、移送は中止となる。退路を断たれた小隊は別の小隊に救援を求める・・・。 00爆発により内臓が飛び出た遺体、傷ついて痛みで絶叫する兵士、戦地での惨状に何もできない若い兵、そして指揮を執る自信を無くす隊長など、戦地での実際を飾ることなく描いていきます。威嚇でジェット戦闘機が地上すれすれを飛行するシーンは凄いです。これが本当の戦争の姿です。これを見れば誰でも戦争なんて絶対したくないと思うはずです。子どもたちを戦地になど行かせたくありません。 |
| ランニング・マン(2026.1.30) |
| 監督 エドガー・ライト |
| 出演 グレン・パウエル ジョシュ・ブローリン ウィリアムズ・H・メイシー リー・ベイス マイケル・セラ エミリア・ジョーンズ ダニエル・エズラ ジェイミー・ローソン ショーン・ヘイズ ケイティ・オブライエン コールマン・ドミンゴ |
| 1987年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で公開された「バトルランナー」のリメイクです。当時、「バトルランナー」は観に行った記憶があるのですが、内容はすっかり忘れていました。 今回の作品は富める者とそうでない者の格差が激しい近未来を舞台に、会社の隠し事を暴いて仕事を首になった男が病気の娘の治療代のために、逃げ切れば大金を手にできるが、捕まれば即“死”という命がけの鬼ごっこ「ランニング・マン」というテレビ番組に挑む様子を描きます。 原作はスティーブン・キングが別名義で書いた作品だそうです。どうも「バトルランナー」は原作とはだいぶかけ離れていた内容だったようですが、今作は割と原作を踏襲しているようです。ひたすら逃げる者と追う者の鬼ごっこを見ているだけですが、テレビ番組の「逃走中」と異なって、命がかかっていますから迫力が違います。気分転換、暇つぶしにはもってこいです。 「バトルランナー」に主演していたアーノルド・シュワルツェネッガーに敬意を表してか、100ドル札に描かれた肖像がアーノルド・シュワルツェネッガーの顔になっていました。 |
| ほどなく、お別れです(2026.2.6) |
| 監督 三木孝浩 |
| 出演 浜辺美波 目黒蓮 森田望智 古川琴音 北村匠海 志田未来 渡邊圭祐 新木優子 野波麻帆 西垣匠 久保史緒里 原田泰造 光石研 鈴木浩介 永作博美 夏木マリ |
| 清水美空は幼い頃から亡くなった人が見えるという特殊な能力を持っていた。ある日、恩師の告別式に行った葬儀会場で、美空は亡くなった妊婦から夫にあてた伝言を受け取り、美空は式場の葬祭プランナーの漆原礼二にそれを伝える。美空のことを信じた漆原は、その能力を活かすべきだと就職活動がうまくいかない美空に葬儀会社に入らないかと誘う・・・。 葬儀会社で働くことで、亡くなった人や遺族と関わることによって成長していく美空の姿とともに、美空の姉が美空の生まれた日に事故死したことで家族の中にわだかまりのあった美空の家族の再生が描かれます。ストレートに泣かせる映画です。 最初の歩道橋から転落死した妊婦とその夫とのエピソードの最初から、あちこちから鼻をすする音が聞こえました。原作はすでに4冊が刊行されている長月雨音さんの同名小説だそうですが私自身は未読です。冒頭のエピソードは久しぶりに「君の膵臓が食べたい」の浜辺美波さんと北村匠海さんの共演が見られました。 |
| 教場 Requiem(2026.2.20) |
| 監督 中江功 |
| 出演 木村拓哉 綱啓永 齊藤京子 金子大地 倉悠貴 井桁弘恵 大友花恋 大原優乃 猪狩蒼弥 中山翔貴 丈太郎 松永有紗 浦上晟周 岡本夏美 佐藤仁美 和田正人 荒井敦史 高橋ひとみ 白石麻衣 染谷将太 川口春奈 大島優子 三浦翔平 濱田岳 福原遥 杉野遥亮 出口夏希 趣里 中村蒼 坂口憲二 森山未來 小日向文世 冨田望生 林遣都 明石家さんま 松本幸四郎 |
| (ネタバレあり) Netflixで放映した「教場 Reunion」の続編になります。正直のところ期待をして観に行ったのに、拍子抜けです。 形としては今までの教場シリーズのように、警察学校に入学した新人警察官に対し、風間が適正がないと判断した場合に退校届を出させるというストーリーが展開されます。相変わらず、風間教場にはこんなやつが警官になっていいのかという人物が登場します。それも巧みに殺人を企てようとする人物もいるのですからねえ。ちょっと異常者多すぎです。 予告編では卒業式会場で風間が演壇に立っている際に爆破が起こり、風間が倒れる場面があったので、いよいよクライマックスかと思ったら、まさか”彼”が登場してくるとはねえ。「教場 Reunion」のラストを見ていれば、当然重要人物であることは想像できたのですが、展開としては予想外。風間と十崎との戦いが物語のメインとして描かれるものだと思ったのですが・・・。 ラスト、妹が救い出されるのを見た十崎の前に現れた風間ですが、場面は転換してしまい、この後どうなったのかが描かれません。これではあちこちから「え~どうなったの」という不満の声が上がるのも当然。私自身もあげましたねえ。更には場面が変わって教場で学生たちを見る風間の左目が・・・。これってどういうことなんでしょうか。謎を観客に投げたまま終わってしまいました。まさか最終章と言いながら続編を作るつもりではないでしょうねえ。 出演者の中に出口夏希さんの名前がありましたが、どこに出ていたのでしょうか。最後に登場した教場当番の女性がそうだったのかな。であれば、ほんのちょい役に使うとはもったいない。 |
| ブゴニア(2026.2.28) |
| 監督 ヨルゴス・ランティモス |
| 出演 エマ・ストーン ジェシー・プレモンス エイダン・デルビス スタヴロス・ハルキアス J・カルメン・ガリンデス・バレラ アリシア・シルヴァーストーン セデリック・デューモネイ マーク・T・ルイス |
| 「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」「憐みの3章に続く、ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがコンビを組んだ作品です。先のアカデミー賞では受賞は逃しましたが、作品賞とエマ・ストーンが主演女優賞にノミネートされていました。 大手製薬会社のCEOであるミシェルが、彼女の会社の末端で働くテディと彼の従弟のドンに誘拐され、彼らの家に監禁される。テディらはミシェルが地球を征服に来た宇宙人であると信じる陰謀論者であり、誘拐したミシェルに地球から手を引くよう求める。ミシェルは自分は宇宙人なんかではないとテディらを説得しようとするが・・・。 ミシェルの髪は宇宙人の通信手段だというテディらにより、丸刈りにされてしまうのですが、実際にエマ・ストーンが丸刈りになって熱演です。ネタバレすると全く面白くないので、詳細は語りませんが、しかし、こんな結末になるとはねえ。びっくりです。私からすれば、いわゆる“トンデモ映画”です。あのストーリーでアカデミー賞作品賞にノミネートされるとは・・・。 |
| 木挽町のあだ討ち(2026.3.1) |
| 監督 源孝志 |
| 出演 柄本佑 渡辺謙 長尾謙杜 瀬戸康史 滝藤賢一 髙橋和也 北村一輝 正名僕蔵 山口馬木也 石橋蓮司 愛希れいか 野村周平 イモトアヤコ 沢口靖子 |
| 直木賞、山本周五郎賞を受賞した永井紗耶子さんの同名小説の映画化です。 ある夜、歌舞伎でにぎわう木挽町の森田座の路地裏で仇討ちが行われ、見事若い侍が仇討ちを成就する。それから1年半がたち、仇討ちをした若侍の縁者だという田舎侍が森田座を訪れ、仇討ちの顛末を教えてほしいという・・・。 久しぶりの時代劇です。原作は仇討ちを見た者たちのモノローグで話が進んでおり、仇討ちの状況だけでなく、その者たち自身の生い立ち等の話が語られていくというスタイルになっています。映画では柄本佑さん演じる加瀬総一郎が森田座に関わる様々な人から仇討ちの状況を聞いていくうちに、仇討ちの裏に隠された謎が明らかになっていくというミステリ的な要素の部分を主体とする作品となっています。原作にあるような、例えば木戸芸者の一八が女郎の子に生まれたとか、相良与三郎がなぜ芝居小屋に流れ着いたのか等々が詳細に描かれることはありません。まあ2時間の映画の中に物語が凝縮されてしまうので、仇討ちの謎解きに主眼が置かれても仕方ないでしょう。 そうなると、原作では登場するものの直接は描かれていない、仇討ちの状況を聞いて回る加瀬総一郎の位置づけが大きくなるのですが、演じたのが柄本佑さんですからねえ。飄々として穏やかな感じながら、鋭い洞察力を持った加瀬を見事に演じています。その上、脇を固めるのは渡辺謙さん、北村一輝さん、滝藤賢一さんら芸達者の役者さんですから安心して観ていられます。長尾謙杜さんが演じる若侍・伊納菊之助の母親を演じるのが沢口靖子さん。「ゴジラ」に出演した時には、へたっくそだなあと思ったのですが、今ではお母さん役ですからねえ。演技にも貫禄が出てきました。「侍タイムスリッパー」の山口馬木也さんが菊之助の父親役を演じているのが嬉しいところです。 ラスト、殿様が森田座に行くシーンは映画ならではのものですね。2時間、楽しむことができました。 |
| しあわせな選択(2026.3.7) |
| 監督 パク・チャヌク |
| 出演 イ・ビョンホン ソン・イェジン パク・ヒスン イ・ソンミン ヨム・ヘラン チャ・スンウォン |
| (ネタバレあり) 妻と2人の子どもと郊外の広い庭のある家で幸せな生活を送っていたマンスは、ある日、長年勤めていた製紙会社が海外資本に買収され、リストラの対象となって首を言い渡されてしまう。自分の経験を活かすため、他の製紙会社への再就職を考えるが、なかなかうまくいかない。家族の生活のためにもどうにか再就職しなくてはと、彼が考え付いたのが、ライバルの存在を消すことだった・・・。 主人公のマンスを演じたのはイ・ビョンホン。いつものかっこいい役ではなく彼が演じるのは普通の会社員。なので、ライバルを殺そうとしてもうまくいかないという冴えない男を演じます。だいたい、自分が殺害した人を家の庭に埋めると考えるだけでもおかしいです。夫の不審な行動にやがて真実を知ってしまう妻のミリ役には「わたしの頭の中の消しゴム」のソン・イェジン。最近はドラマの「愛の不時着」で注目を集めたようですが、今回はかなりドキッとするシーンも演じていました。 ライバルを蹴落としてようやくつかんだ再就職でしたが、結局自分の持っている技術・経験を活かせるものではなく、スイッチを押して機械を動かすだけ。あとはAIが勝手に機械を操作するので、マンスのすることは何もないというのは、あまりに皮肉な結末ですね。とはいえ、仕事につけて収入が確保できただけで万々歳というしかないのでしょうか。 |
| ゴールデンカムイ(2026.3.14) |
| 監督 片桐健滋 |
| 出演 山﨑賢人 山田杏奈 矢本悠馬 大谷亮平 高橋メアリージュン 眞栄田郷敦 玉木宏 舘ひろし 池内博之 木場勝己 桜井ユキ 勝矢 中川大志 北村一輝 國村隼 工藤阿須加 栁俊太郎 塩野瑛久 稲葉友 和田聰宏 杉本哲太 井浦新 |
| 劇場版第2弾です。劇場版第1弾のあとにWOWOWで9回のドラマシリーズが放映されたので、そちらを観てからの方が原作の漫画を読んでいない人にとっては、人間関係が理解できると思います。 今回は、網走刑務所に収監されているアイヌの金塊を奪い、囚人たちの背にその隠し場所を入れ墨で描いた「のっぺらぼう」という人物に会いに行く様子が描かれていきます。果たして「のっぺらぼう」はアシリバの父親なのかが今作での大きな謎となっています。杉元たちに加え、網走刑務所のトップである典獄である犬童、そして第七師団の鶴見中尉たち三つ巴の戦いが繰り広げられることになります。 今回は、実は仲間だと思っていた杉元や土方たちの中にも裏切りがあり、杉元も命の危機に陥ります。いやぁ~ここにきてあんな裏切りがあるとは。さて、次は樺太の地が舞台になるようですが、果たしてどうなるのでしょう。 この作品、網走刑務所での戦いのシーンは見どころですが、ストーリーとは関係のない笑いのシーンも見どころです。冒頭のアシカの肉を食べた杉元たちが、男同士で恋情を催し、裸になって相撲を取り合ったり、あまり感情を表に出さない尾形がチチタブと恥ずかしそうにそっと言ったりするシーンには笑ってしまいます。そして、桜井ユキさん演じる元外科医の家永カノはどうも杉元の脳の味見をしたらしいです。 |
| プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026.3.20) |
| 監督 フィル・ロード クリストファー・ミラー |
| 出演 ライアン・ゴズリング ザンドラ・ヒュラー ジェームズ・オルティス ケン・レオン ミラーナ・ヴァイントゥループ リズ・キングスマン ライオネル・ボイス |
| アストロファージと名付けられた微生物によって太陽エネルギーが吸い取られ、30年後には地球は氷河期を迎え、人類は滅亡していくことがわかる。宇宙にある恒星が同様な状況になっていく中で太陽系から11.9光年離れたタウ・セチ星系では影響が全く見られないことが発見され、この謎を探り、地球を滅亡の危機から救うため、タウ・セチに向かう「プロジェクト・ヘイル・メアリー」と名付けられた計画が立ち上がる。ライランド・グレースはかつて分子生物学で博士号を取った科学者だったが、宇宙生命に関する異端の学説を唱えたため科学界から排斥され、今では中学校の教師となっていたが、彼の過去の研究が地球滅亡の危機を救うことに役立つことがわかり、政府によって計画をサポートするため、メンバーとして呼び出される。着々と準備が進んでいくが・・・。 突然目覚めた男。彼は自分が何者なのか、ここはいったいどこなのかもわからないという状況で物語は始まります。やがて、彼は自分の名前がライランド・グレースであり、宇宙船の中にいることを理解し、少しずつ記憶を取り戻していきます。映画は宇宙でのグレースの現在の状況と彼がここに至るまでの状況を描きながら進んでいきます。 アンディー・ウィアーの著した原作を読んだ際は科学的な理論の記載等にかなり読むのに苦戦したのですが、映画では上下2巻の原作を2時間37分の中に収めるため、難しいことはさておき、自分の星を救うという共通の目的を持って、母星から遠く離れた宇宙空間で出会ったグレースと異星人の”ロッキー”の友情が大きな割合を占めたので、わかりやすい作品となっています。 「宇宙戦争」に登場する火星人や「三体」の暗黒森林理論の中の異星人ではなく、性格的には「ET」のような異星人だったのは良かったですね。これまで宇宙人というと、「グレイ」のような姿のイメージがありますが、今作での“ロッキー”は四角い岩に手足がついたようなイメージで、見た目ユーモラスな造型です。グレースとこの“ロッキー”との友情が感動的なんですよねえ。いやぁ~泣けてしまいます。 最後に宇宙船の乗組員たちのサポートのメンバーだったグレースが、なぜ宇宙船に乗ったのかの理由が明らかとなりますが、私だったらどうだろうと思ってしまいます。乗組員として訓練を積んだわけでもないし、片道切符の宇宙船ですから、ザンドラ・ヒュラー演じるエヴァ・ストラットに文句をつけたくもなります。 |
| 人はなぜラブレターを書くのか |
| 監督 石井裕也 |
| 出演 綾瀬はるか 當真あみ 細田佳央太 妻夫木聡 菅田将暉 佐藤浩市 音尾琢真 西川愛莉 原日出子 冨田望生 笠原秀幸 津田寛治 |
| 女子高校生の寺田ナズナは通学中の電車の中で痴漢に遭っているところを男子高校生に助けられる。それ以来、ナズナは同じ車両に乗る名前も知らない男の子に心惹かれていく。ある朝、ナズナは男の子に思いを伝えようとするが、男の子は寝坊をして電車に乗り遅れてしまう。その日、ナズナが乗る路線で脱線事故が起こり、死者の中に思いを寄せる男子高校生・富久信介がいたことを知る。それから24年が過ぎ、結婚して娘もでき、食堂を営むナズナだったが、病気が再発する中、娘から同じ電車に好きな人が乗るという話を聞き、昔を思い出し、亡くなった信介あての手紙を書く。出さずにいた手紙はふとした誤りから投函され、信介の両親の元へと届けられる・・・。 2000年に営団地下鉄日比谷線で起こった脱線事故で亡くなった男子高校生が通うボクシングジムの会長のSNSに当時同じ車両に乗り、彼に思いを寄せていたという女性から書き込みがあったという実話を下敷きにした作品です。 私が主人公・ナズナのように高校生だった頃は携帯電話はなく、もちろんLINEやインターネットメールなどもなかったため、好きな人に気持ちを伝えるためには口頭でなければ、電話か手紙を書くしかなかった時代でした。ただ、電話だとお父さんが電話口に出るかもしれず、面と向かって言えなければ、やっぱり手紙、いわゆるラブレターを書くしかなかった気がします。今は手紙を書く機会はまったくなくなってしまいましたね。 予告編を観たときには、綾瀬はるかさん演じるナズナが24年前の電車事故で亡くなった思いを寄せていた男子高校生・信介にあてて書いた手紙が、何らかの奇跡を起こすのかと思ったのですが、正直のところちょっと思っていた展開とは違いました。特に、信介が通っていたボクシングジムの先輩である菅田将暉さん演じる川島が信介のイニシャルが入れられたトランクスを履いて世界タイトル戦に臨み、勝利する話は、実話であり感動はしますが、ナズナが書いた手紙とは何ら関係がありません。また、実際には女性が書いたのは手紙ではなく、SNSへの書き込みですから、そこは非常に現代的です。映画化にあたり、それを手紙に変え、題名を「なぜ人は手紙を書くのか」にしたと思いますが、この問いかけの答えが映画の中にあったようにも見えませんでしたが。 |
| 未来(2026.5.8) |
| 監督 瀬々敬久 |
| 出演 黒島結菜 山﨑七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華 松坂桃李 北川景子 玉置玲央 野澤しおり 吹越満 利重剛 中村優子 黒沢あすか 三浦誠己 木竜麻生 宮川一朗太 西野七瀬 |
| (ちょっとネタバレ) 湊かなえさん原作の同名小説の映画化です。 物語は3人の男女の視点で描かれていきます。一人は父を病気で亡くして以来、精神に不調をきたしている母を支える佐伯章子。母が働きに出たホテルのレストランのコックに見初められ、一緒に暮らし始めるが、ある日、彼が開店したレストランに来た章子の同級生の父とトラブルになり、SNSで誹謗中傷されたことから客足は遠のき、章子も学校で同級生からのいじめに遭うようになる。二人目は章子の担任の篠宮真唯子。彼女は章子へのいじめをいさめようとして手を出したことから親たちから非難され、彼女が苦学していた大学時代に出演したお色気ビデオのことを追及され、教師を辞めざるを得なくなる。三人目は高校生の良太。水族館で見かけた女性・真珠に一目惚れし、彼女が同じ高校生だと知って付き合うようになるが、彼女には他人には言えない秘密があった・・・。 3人のことが時系列をバラバラに語られていくので、ちょっとわかりづらいところがあります。父親が亡くなってから、章子に20年後の未来の章子からだという手紙が届くようになり、その証拠に10周年を迎えたドリームランド(という遊園地)の30周年記念のホルダーが同封されてきます。いったい誰がこの手紙を書いたのかという謎が提起されますが、それはおいおい想像がついてきます。それにしても救いがない展開です。未来の章子からの手紙はいくら何でも未来の自分からとは信じるとは思えませんし、その時の章子にとってはどれほどの支えになったことでしょうか。結局は何の手助けにもならなかったのはあの結果を見ればわかります。章子は今後どう生きていくのでしょうか。「未来」という題名が希望のある未来であるとは私には到底思えません。 |
| 君のクイズ(2026.5.15) |
| 監督 吉野耕平 |
| 出演 中村倫也 神木隆之介 ムロツヨシ 森川葵 ユースケ・サンタマリア 堀田真由 白宮みずほ 水沢林太郎 福澤重文 吉住 坂東工 大西利空 阿部亮平 伊沢拓司0 |
| 第76回日本推理作家協会賞を受賞した小川哲さん原作の同名小説の映画化です。 テレビのクイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝戦で戦うこととなった三島玲央と本庄絆。最後の1問で勝者が決まるところで、問題文がまだ1文字も読まれないうちに本庄が解答ボタンを押す。本庄の解答は正解となり、優勝は本庄となる。しかし、巷では問題文が1文字も読まれないうちから本庄が正答を出したため、やらせの疑いが起こり、本庄は姿を消し、三島も片棒を担いだのではないかと糾弾される。番組の総合演出の坂田は生放送での検証番組の制作を発表し、三島ら当日の解答者たちに出演を求めるが、本庄は姿を現さなかった。ところが番組冒頭、連絡をしてきた本庄は三島に問題文が読まれないうちに正答を答えることができたのかの謎を解くよう挑発する・・・。 原作は既読だったのですが、すっかり忘れていたので、楽しく観ることができました。番組演出家の坂田役を演じるムロツヨシさんが強烈な印象を残します。ネットフリックスの「九条の大罪」でも暴力団の若頭という非情な男を演じていますが、この作品でも、視聴率を稼ぐためには何でもするという本当に嫌な役を演じます。イメージ変わってしまいますねえ。 それにしても、クイズの回答者は、単に知識が豊富というだけでなく、問題文を読む人の口の動きを読むとか、いろいろなテクニックが必要なんですね。 |
| 映画正直不動産(2026.5.17) |
| 監督 川村泰祐 |
| 出演 山下智久 福原遥 市原隼人 泉里香 長谷川忍 見上愛 松本若菜 山崎努 吹石一恵 岩崎大昇 ディーン・フジオカ 大地真央 倉科カナ 高橋克典 草刈正雄 |
| 山下智久さん主演のNHKドラマの映画化です。 かつては平気で嘘をついて不動産契約を結んでいた登坂不動産のやり手の営業マン・永瀬財地だったが、ある日、地鎮祭の際に土地の片隅にあった祠を壊して以来、嘘をつこうとすると風が吹いてきて嘘をつけず、真実を話してしまうようになってしまう。 今回のメインストーリーは、かつて登坂不動産で働いていた永瀬の同僚で、今は独立して不動産コンサルタントをしている桐山が企画した事業に対し、ミネルヴァ不動産が絡んできたりする中で、永瀬は登坂社長から桐山を助けるなら登坂不動産を辞める覚悟をするよう言われる。さて、永瀬はどうするかという話になります。 ドラマの出演者が総登場。ファンにはたまりません。スペシャルドラマに出演した現在朝ドラの主演をしている見上愛さんもミネルヴァ不動産の新人営業として出演しています。NHKは彼女が好きですねえ。福山雅治さんの奥さんである吹石一恵さんも久しぶりに顔を見せてくれています。 劇場内は年配の客がほとんどでした。やはり、最近若い人はテレビは見ないのでしょうかねえ。それにしても山下智久ファンはどうしたのか。 |
| スター・ウォーズ マンダロリアンアンド・グローグー(2026.5.22) |
| 監督 ジョン・ファブロー |
| 出演 ペドロ・パスカル シガニー・ウィーバー ジョニー・コイン ジェレミー・アレン・ホワイト |
| スター・ウォーズシリーズ、久しぶりの劇場での公開です。ただ、ジョン・ウィリアムズのスター・ウォーズのテーマは流れず、いつもの冒頭での作品の時代設定を語る文字が流れるシーンもありません。ちょっとそこは寂しい。 物語の舞台となる時代は、ルーク・スカイウォーカーの活躍を描いた3作品に続く時代、共和国軍が帝国軍を破ったが、宇宙にはまだ帝国軍の残党が各地で暗躍しているという時代です。 賞金稼ぎのディン・ジャリンは共和国軍のウォード大佐の指令を受け、帝国軍の残党の情報をツイン・ハットから得るためにジャヌ卿に捕らえられているジャヴァ・ハットの息子、ロッタ・ザ・ハットの救出に向かう。ロッタ・ザ・ハットを救出後、ツイン・ハットの元に連れ帰ることは彼が殺されることだと知ったマンダロリアンはロッタ・ザ・ハットを別の場所へと送る。しかし、ディンマンダロリアンは同じ賞金稼ぎのエンボに襲撃されて拘束され、ツイン・ハットの元に連れていかれてしまう。そこには、やはり捕らえられたロッタ・ザ・ハットもいた・・・。 主人公が賞金稼ぎのマンダロリアンの一族であるディン・ジャリンとグルーグーの作品はディズニープラスでシリーズ3まで配信されていますが、もちろん、そちらを観ていれば映画もより楽しむことができるでしょうが、観ていない私が観ても大いに楽しむことができました。ただ、この映画を観ると、どうしてディン・ジャリンとグルーグーが一緒に行動しているのかを知りたくなります。それを知るにはディズニープラスの配信を観る必要があります。今回の映画化はディズニープラスの契約者を増やすためのディ ズニーの策略ですね。 子連れの賞金稼ぎとなれば、私たち日本人にすれば、これは完全に設定としては「子連れ狼」でしょう。監督のジョン・ファブローの話では彼らはやはり日本の黒澤明監督の時代劇や「子連れ狼」、更にはクリント・イーストウッドのマカロニ・ウエスタン等を参考にしているようです。 「ジェダイの帰還」でレイア姫に倒されたなめくじの化け物みたいな宇宙人のジャヴァ・ザ・ハットの一族が登場しますが、息子が親父と違って善良というのが意外な設定でした。 とにかく、グルーグーの仕草がかわいいです。これはCGで作成しているのではなく、マペットということですから、逆にそのぎこちない動きがいいんですねえ。 共和国軍のウォード大佐役で出演しているのはシガニー・ウィーバー。既に76歳ですが、頑張っていますね。 |
| ネバー・アフター・ダーク(2026.6.6) |
| 監督 デイヴ・ボイル |
| 出演 穂志もえか 稲垣来泉 木村多江 賀来賢人 吉岡睦雄 正名僕蔵 |
| プロデューサーを兼ねた賀来賢人さんがこのところ様々な番組に出まくって番宣していたので、これは観てみようかと公開すぐに観に行ってきました。 除霊の依頼で森の中の一軒家にやってきた霊媒師の愛里。霊は2階の部屋の物入れの戸を開けようとし、何かを探しているらしいことがわかる。愛里は霊を祓おうとするが・・・。 正直なところいまひとつです。霊媒の姉妹といえば、澤村伊智さんの比嘉姉妹を思い浮かべますが、この作品では姉は幼い頃に亡くなって霊になっており、だからといって妹の愛里の手助けになるわけではまったくありません。また、霊の探し物からすると、かつては宿だったその家では、宿泊客の失踪とか何らかの話題になっていた事件があったはずなのに、その点の言及もありません。とにかく、はっきり言えばストーリー展開がよくわかりません。何かに固執している霊を祓うという単純なストーリーではなく、途中で霊であるはずの人物が実在の人物として登場してくるんですよねえ。あれはどう理解したらいいのでしょう。その上、実在の人物とその人物の霊(?)が争うのですから、これはいったい何?と言わざるを得ません。霊として存在している愛里の姉についても、どうして死んだのか、何らかの事件があったのかも思わせぶりで語られず、消化不良です。 愛理を演じた穂志もえかさんですが、アメリカでエミー賞を受賞した「SHOGUN 将軍」に出演していたそうです。顔は若村麻由美さんに似ていますね。霊を演じた吉岡睦雄さんと警察官を演じた正名僕蔵さん、お二人とも強烈な印象を残します。 作品的には残念でしたが、賀来さんの海外に進出していくという意欲には拍手を送りたいです。 |
| Michael マイケル(2026.6.13) |
| 監督 アントワン・フークワ |
| 出演 ジャファー・ジャクソン ニア・ロング ローラ・ハリアー ジュリアーノ・バルディ マイルズ・テラー コールマン・ドミンゴ ケンドリック・サンプソン ケイリン・ダレル・ジョーンズ ジェシカ・スーラ ラレンツ・テイト ジャマル・ヘンダーソン ライアン・ヒル トレ・ホートン |
| 世界的なスーパー・スター、マイケル・ジャクソンの人生を描く作品です。 父親の厳しい指導で売れっ子歌手を目指すジャクソン家の5兄弟。末弟のマイケルは普通の子どものように友だちと遊んだりすることもなく、父親に反発すれば体罰を受けるという孤独な子ども時代を過ごす。やがて、ホールで歌っていたジャクソン5はモータウンレコードと契約し、スターへの道へ踏み出していく。しかし、マイケルの溢れる才能は、グループの活動にはとどまることはできず、個人として活動していきたいと考えるようになる。父のジョセフはそれを許そうとせず、ジャクソン5の活動の終わった夜ならという条件を出す。そんな中で出したマイケルのシングルレコードは爆発的にヒットし、マイケルは個人としての活動を増やしていくが・・・。 キリンや蛇をペットとして飼い、チンパンジーのバブルスを唯一の友だちとする姿はスーパー・スターであっても何だか切ないですね。そんなマイケルの孤独を描きながら映画は存分に歌と踊りを見せてくれます。 マイケルを演じたのは彼の甥のジャファー・ジャクソンですが、いくら甥でも歌と踊りが何もしなくてマイケルのようにできるわけではありませんから、映画で演じるまでになるのは相当の努力があったのでしょう。 マイケルに大きな影響を与えた人物としてクインシー・ジョーンズのほかにダイアナ・ロスがいますが、今回の作品ではダイアナ・ロス役を演じた女優の撮影もあったそうですが、すべてカットされたそうです。ダイアナ・ロスの意向でしょうか。この映画、ジャファー・ジャクソンの歌と踊りを見るだけでマイケルファンは大いに満足感を得られますが、彼に関わる人から見れば距離を置きたいというところもあるのでしょうか。 今回は父親の束縛から脱却するまでが描かれましたが、これ以降のマイケルを描く続編も予定されているそうです。そちらも楽しみです。 |
| 黒牢城(2026.6.19) |
| 監督 黒沢清 |
| 出演 本木雅弘 菅田将暉 吉高由里子 青木崇高 宮舘涼太 柄本佑 ユースケ・サンタマリア 吉原光夫 坂東龍汰 近藤芳正 矢柴俊博 木原勝利 河内大和 吉岡睦雄 上川周作 前田旺志郎 坂東新悟 荒川良々 渋川清彦 渡辺いっけい オダギリジョー |
| 第166回直木賞、第12回山田風太郎賞を受賞した米澤穂信さん初めての時代小説「黒牢城」の映画化です。織田信長の家臣だった荒木村重は信長を裏切り、摂津の有岡城に籠城する。信長の使者として村重のもとに赴いた黒田官兵衛だったが、村重によって地下牢に幽閉される。そんなとき、城内で不可解な事件が起き、村重は官兵衛に事件の謎解きを命じる・・・。 描かれるのは、人質として城内にいた信長に寝返った武将の子が殺害される事件(冬ー自念ー)、夜襲をかけて討ち取って城内で晒されていた敵将の首が大凶相の首にすり替えられた事件(春ー首ー)、明智光秀への密書と名物の茶壷”寅申”を託した僧・無辺が殺害される事件(夏ー寅申ー)、その事件の犯人が何者かによって銃で射殺される事件(秋ー天罰ー)。 先日、NHK大河ドラマでも村重の籠城が描かれ、妻を見捨てて城を抜け出し逃げるといういわゆる男の風上にも置けない人物として描かれていましたが、この映画では演じるのが本木雅弘さんですから、そんな卑怯者には描かれません。でも、やはり妻は置いていきましたけど。 見どころは荒木村重を演じる本木さんと黒田官兵衛を演じる菅田将暉さんとの二人の対峙シーンですね。菅田将暉さん、NHK大河ドラマでは軍師の竹中半兵衛を演じていたのに、今度は同じ知恵者の黒田官兵衛ですからねえ。凄いですねえ。ほかに演じる役者さんいないのと思ってしまいます。 舞台挨拶の時に長回しのシーンがあって、それが凄いと出演者が言っていましたが、それが村重とある人物とのこの物語の謎解きのシーンだったのですね。これは確かに圧巻です。 |
| 罪人たち(2026.6.20) |
| 監督 ライアン・クーグラー |
| 出演 マイケル・B・ジョーダン ヘイリー・スタインフェルド マイルズ・ケイトン ジャック・オコンネル ウンミ・モサク ジェイミー・ローソン オマー・ベンソン・ミラー バディ・ガイ デルロイ・リンドー ピーター・ドライマニス ローラ・カーク リー・ジュン・リー ソール・ウィリアムズ ヤオ |
| (ネタバレあり) 1930年代のアメリカ南部のミシシッピ州。スモークとスタックの双子の兄弟はシカゴから故郷ミシシッピへと戻ってくる。彼らは廃屋になっていた材木工場を買い取り、酒と音楽を提供するダンスホールを開店する。開店の日の夜、多くの人々が酒を飲みダンスに興じる中、あるものたちが訪れたことから恐怖の一夜が始まる・・・。 今年のアカデミー賞でマイケル・B・ジョーダンの主演男優賞、脚本賞、撮影賞、作曲賞の4部門の受賞に輝いた作品です。昨年6月に公開された作品ですが、今回、受賞記念ということもあったのでしょうか、全国のTOHOシネマズで上映が始まったのを機に観に行ってきました。 ジャンルとしてはホラー映画ですが、それにとどまらず、1930年代の南部というまだ悪名高いKKKが暗躍していた頃の人種差別やブルースという黒人の音楽もこの映画の大きな部分を占めています。 ホールに集まった者たちを恐怖に陥れる存在が吸血鬼です。この吸血鬼の描き方が昔ながらで、相手から招かれないと家に入れないとか、ニンニクが嫌いとか、倒すには心臓に杭を打ち込む必要があるというオーソドックスな吸血鬼が描かれます。せっかく彼らを招かないようにして閉じこもっていたのに、夫を吸血鬼にされた女性が怒りで彼ら吸血鬼を呼び込んでしまうセリフを吐くという演出はうまいですねえ。後半は吸血鬼との壮絶な戦いが描かれます。 エンドロールで時代が流れ、惨劇を生き残り年老いた牧師の息子だったサミーが自分の店で歌うシーンがあります。何もせず今までどおり家族の元で黒人として虐げられて生きるより、故郷を出て自らで道を切り開いたサミーの誇らしい姿です。その後に驚きのシーンがありますので、見逃すことのないように。 |
| 君は映画(2026.6.20) |
| 監督 上田誠 |
| 出演 伊藤万理華 井之脇海 藤谷理子 金丸慎太郎 前田旺志郎 菊池日菜子 金子鈴幸 三河悠冴 今井隆文 尾関高文 高佐一慈 石田剛太 酒井善史 土佐和成 角田貴志 諏訪雅 永野宗典 |
| マドカは下北沢に住む劇作家であり劇団の主宰者。新作で下北沢の駅前劇場での公演を目指していたが、ある日、2人の劇団員が辞めると言い出す。一方、カズマは三軒茶屋に住むバンドマン。ある日、バンドメンバーで居酒屋で飲んでいるときにメンバーの一人、ミコシバが隣席の客の金の入った封筒から金を抜き取り姿を消す。それぞれ問題を抱えた二人が貰ったチケットで下北沢の映画館「シェルボ下北沢」に入ると、なぜか、マドカの観るスクリーンにはカズマの姿が、カズマの観るスクリーンにはマドカの姿が映し出されていた。更にはスクリーンを挟んで二人の間では話ができるという不思議な空間となっていた・・・。 上田誠監督が主宰するヨーロッパ企画の舞台「リプリー、あいにくの宇宙ね」にも出演していた伊藤万理華さんと井之脇海さん主演の映画です。脇役はヨーロッパ企画の俳優さんたちが出演しています。SF的な設定で、個人的にはウディ・アレン監督の「カイロの紫のバラ」のようなスクリーンの中から俳優が登場してくるというようなストーリー展開を想像していたのですが、それとはまったく異なり、なんだかハチャメチャな展開です。あれよあれよという間に終了で、よくわからなかったなあというのが正直な感想です。 |
| スーパーガール(2026.7.5) |
| 監督 クレイグ・ギレスピー |
| 出演 ミリー・オールコック マティアス・スナールツ イブ・リドリー デビッド・クラムホルツ エミリー・ビーチャム デビッド・コレンスウェット ジェイソン・モモア |
| 「スーパーマン」にちょっと登場したスーパーガールを主人公にした作品です。やんちゃな犬のクリプトも再登場です。 惑星ホルツヘルで自分の誕生日を祝って飲んだくれていたスーパーガールことカーラ・ゾー=エルだったが、クリプトが突然現れた悪党集団ブリガンズを率いるクレムによって毒を打たれてしまう。3日以内に解毒剤を打たないと死亡すると言われたカーラはクレムから解毒剤を奪うために彼の後を追う。彼女についてくるのはクレムによって家族を惨殺され復讐を誓う少女のルーシー。二人は惑星ビルキーでクレムに出会うが、取り逃がしてしまう。行方を捜すカーラは騙されて彼女が力を出すことができない緑の太陽の下に置き去りにされるが、後をつけてきたルーシーによって助けられる。しかし、今度はカーラのために水を汲みに行ったルーシーがクレムの手下によって捕まってしまう・・・。 子どもの頃に両親によって地球に逃がされたクラーク・ケントことスーパーマンはクリプトン星の言葉もその滅亡についても知らないが、成長するまでドームで守られたクリプトン星に両親と住んでいたカーラにとっては、クリプトン星の滅亡ということがトラウマになっているんですね。そのため、黄色い太陽の下では酔うことができないと、赤い太陽の星に行って酔いつぶれたりもします。 スーパーガールを演じたのは「スーパーマン」のときと同じミリー・オールコック。最近スーパーガールが登場した映画といえば「ザ・フラッシュ」がありますが、あのときのスーパーガールは別次元の世界のスーパーガール。演じたのはサッシャ・カジェですが、ミリー・オールコックとは全く印象が異なっています。ミリー・オールコックはオーストラリア人でサッシャ・カジェはアメリカ人ですが、ミリー・オールコックの方がやんちゃなアメリカ娘という感じで、個人的にはスーパーガールはミリー・オールコックです。 |
| 口に関するアンケート(2026.7.8) |
| 監督 清水崇 |
| 出演 板垣李光人 綱啓永 吉川愛 MOMONA 森愁斗 西山智樹 柄本時生 中村獅童 |
| 心霊スポットとして知られる墓地の「呪われた木」の噂を聞いた大学生の翔太は友人の竜也、杏、美玲を誘って肝試しに出かける。一人ずつ「呪われた木」の下に行くことに決めたが、なかなか戻ってこない杏を探しに行った3人が見たのは、木の枝に登って錯乱している杏の姿だった。どうにか杏を連れ帰ったが、翌日、杏は行方不明となる。一方、川瀬は堀田に無理やり「呪われた木」に連れてこられるが、二人はそこでバケモノらしき女の姿を見て逃げ帰る。物語は翔太、竜也、美玲と、同じように肝試しに行った川瀬と堀田の5人の証言が語られていきます。ここに中村獅童さんが演じる草壁刑事が金目当てで事件のことを週刊誌に売ろうとするのですが、ここに観客へのミスリーディングがあるんですねえ。 原作は先に映画化された「近畿地方のある場所について」の原作者でもある背筋さんの60ページほどの小さな本です。私は読んだことがないのですが、原作には刑事と柄本時生さん演じる記者は登場していないようです。ジャンルとしてはホラーですが、観客をあっと言わせるミステリー的な要素もあります。それにしても、杏役を演じた吉川愛さん。恐ろしいメイクでしたがイメージ的に大丈夫なのかと思ってしまいます。 |
| キングダム 魂の決戦(2026.7.17) |
| 監督 佐藤信介 |
| 出演 山﨑賢人 吉沢亮 橋本環奈 満島真之介 岡山天音 志尊淳 神尾楓珠 結木滉星 三吉彩花 三山凌輝 山下美月 蒔田彩珠 山田裕貴 坂口憲二 豊川悦司 高嶋政宏 要潤 加藤雅也 高橋光臣 平山祐介 一ノ瀬ワタル 佐久間由衣 勝矢 坂東彌十郎 橋本さとし 笹野高史 谷田歩 中村蒼 田中圭 斎藤工 玉木宏 佐藤浩市 小栗旬 渋谷謙人 宍戸開 |
| シリーズ第5弾です。今回は秦に対し、周辺の6か国(楚、趙、魏、韓、燕、斉)が合従連合を組んで秦に戦いに挑んできます(斉は秦の調略により離脱するので5か国となります。)。合従連合を企図したのが趙の李牧。秦の要塞である函谷関での戦いが描かれます。 雌雄を決する戦いということで、「キングダム 遥かなる大地へ」に登場した豊川悦司さん演じるひょう公の再登場をはじめ、主要な武将が総登場です。秦でいえば加藤雅也さん演じる肆氏や前作で命を落とした王騎の一族である坂口憲二さん演じる桓騎が新登場。この二人が一癖ありそうな人物で、これからの戦いのカギを握りそうです。敵味方とも大勢の武将が登場しますので、彼らの登場を描くだけで時間がかかり、結局、函谷関の戦いも序盤が描かれただけです。 その中で多くを割いて描かれるのは、前作ではあまり姿を見せなかった山田裕貴さん演じる趙の万極。父や兄をはじめ趙の何万人もの兵士を秦によって生き埋めにされた恨みを晴らすために戦う万極とその部隊の兵士たちの鬼気迫る様子が凄かったです。まるでゾンビ軍団でした。 えい政の后として蒔田彩珠さん演じる向が登場。彼女がラストである人物の考えを偶然知ってしまうことになるのですが、果たしてどうなるのでしょうか。それに加えて、最初から「この男は何かしそうだなあ」と思っていた人物が、ついにその考えを明らかにし、今後どうなるかも興味深いところです。 今作には清野菜名さん演じる姜瘣が登場しません。姉の仇を探すために部隊を離れたと冒頭で説明がされていますが、あまりに唐突すぎます。清野菜名さんは、この撮影のときはきっと子どもが生まれた頃なんでしょうね。 それにしても、函谷関の戦いもまだ序盤。歴史として秦が勝利することはわかっているのですが、登場する武将たちがどうなるのか、とても次作まで待っていられません。漫画を読みたくなってしまいます。 女性問題で注目を浴びた田中圭さんと三山凌輝さんが秦軍の敵方の武将として出演しています。田中さんはともかく、三山さんは次作に出演できるのかなと他人事ながら気になります。 |
| オブセッション 災愛(2026.7.18) |
| 監督 カリー・バーカー |
| 出演 マイケル・ジョンストン インディ・ナバエレッテ クーパー・トムリンソン メーガン・ローレス アンディ・リクター |
| 孤独で内気なベアは、同じ店で働くニッキーに恋心を抱き、彼女と交際したいという思いからワン・ウィッシュ・ウィローという願いを叶えてくれるというまじないに手を出してしまう。そのおかげで、ニッキーはベアを恋するようになるが、やがてニッキーの恋愛感情はベアへの執着心となり、想像を絶する事態へと陥っていく・・・。 この作品、世界的にはかなりヒットして興収もいいようですが、個人的にはどうしてそんなにヒットするのか理解できないのが正直なところです。とにかく、インディ・ナバエレッテ演じるニッキーの行動が異常すぎて怖すぎます。便を垂れ流しですからねえ。好きになるよう願ったのはベンの責任ですが、狂的なまでの彼女の行動には恐怖を抱くばかりです。大変なものを観てしまいました。 |
| スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(2026.8.2) |
| 監督 デスティン・ダニエル・クレットン |
| 出演 トム・ホランド ゼンデイヤ ジェイコブ・バタロン ジョン・バーンサル トラメル・ティルマン ライザ・コロン=ザヤス マイケル・マンド マーク・ラファロ セイディー・シンク |
| (ネタバレあり) 愛する人を守るために人々の記憶から自分の存在を抹消したピーターだったが、あれから4年、彼は一人でスパイダーマンとしてニューヨークの街を悪から守っていた。MJとネッドはMITに入学し大学生生活を送っており、ピーターの存在さえ知らないでいた。そんなピーターに体を制御できない異変が訪れる。ピーターはハルクこと大学教授のブルース・バナーの元にそのことを相談に訪れる。一方、ニューヨークではダメージ・コントロール局が何者かに襲撃される事件が起きる。襲撃者は強力なテレパシー能力でハルクやパニッシャーの精神を操ってピーターと戦うが、ピーターが自分の能力を制御するために完成させていた装置によって倒され、襲撃者はダメージ・コントロール局に引き渡される・・・。 MJの記憶からはピーター・パーカーは抹消されており、彼がこれまでの経緯を話しても、すでに付き合っている人がいるMJから「愛していない」と冷たく言われるのはあまりにかわいそう。MJとキスをするシーンもあったのに、まさかあんなこととはねえ。 テレパシー能力を持つ女性の登場は公開まで秘密にされていましたが、なんと「XMEN」のジーン・グレイでした。ラストからすると、今後、彼女もこのスパイダーマンに関わっていくのでしょう。演じたのはネットフリックスのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」に出演していたセイディー・シンクです。出演が秘密だったためか、パンフレットにも出ていません。 ジャン・バーンサルが演じたパニッシャーはネットドラマでは既に登場していましたが、映画ではこの作品が初登場のようです。ドラマを観たことがなかったので、どんな存在なのかわからず、最初はその外観から悪人かと思いましたが、意外にいいやつです。 マーク・ラファロが演じるブルース・バナーを久しぶりに観ることができたのは嬉しい限りですが、やっぱりハルクになってしまうのですねえ。 今回の作品ではピーターの孤独感が前面に押し出されますが、ラスト、店で偶然出会ったネッドと、最初はぎこちなく、やがてスムーズに行われるハンドシェイクに、思わず眼がしらが熱くなります。個人的には今までのスパイダーマンの中で、一番好きです。 エンドクレジットシーンではネッドが開発したスパイダーマン追跡装置が反応し、スパイダーマンが宇宙にいることが判明します。これって、年末に公開の「アベンジャーズ ドゥームズデイ」でのことを指すのでしょうか。 |
| あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。(2026.8.12) |
| 監督 新城毅彦 |
| 出演 福原遥 細田佳央太 倍賞千恵子 出口夏希 井之脇海 豊嶋花 中嶋朋子 水上恒司 伊藤健太郎 |
| 2023年に公開された「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」の続編です。 百合が現代に戻って7年が過ぎ、彼女は彰の遺志を継いで高校の教師となっていた。ある日、今では公園となっている、かつてユリの花が咲き誇っていた場所で百合は彰の面影がある涼を見かける。そんな涼が産休代替の教師として百合の学校にやってきて、彼女が担任を務めるクラスの副担任となる。同じ頃、百合は浜辺で戦中にタイムトラベルをした際に知り合った今では老女となった千代と出会う。千代は好きだった石丸が特攻で亡くなってから、戦後、設計技師の藤谷と結婚し、今はホスピスで余生を送っていた。百合と涼は戦争を考える授業を二人で組み立てていく中、次第に心は近づいていくが、百合は彰のことを忘れることができずにいた。百合は別の男性と結婚した人生を送る千代に気持ちを尋ねに行く・・・。 前作はタイムトラベルをした百合と特攻隊員であった彰との叶わぬ恋が描かれましたが、今回は彰のことをいまだに思いながらも、自分に好意を持ってくれる涼との関係に悩む百合が描かれます。涼を演じたのは細田佳央太さん。彰を演じたのは水上恒司さんで、面影があるというのは無理がある気がしますが、そこはそういうことでという感じです。年老いた千代役を演じたのは倍賞千恵子さん。出口夏希さん演じる千代が歳を取れば倍賞千恵子さんというのはビジュアル的にうなずけます。 ラストでは涼の見ていた夢のわけが明らかにされ、ちょっとファンタジックな終わり方となっています。 特攻隊の基地といえば鹿児島が有名ですし、平和会館も鹿児島ですので、てっきり作品の舞台は鹿児島だと思ったのですが、作品中では舞台がどこかははっきり描いていません。どうも景色からすると、ロケ地は長崎のようですね。 |
| オークストリートの異変(2026.8.14) |
| 監督 デヴィッド・ロバート・ミッチェル |
| 出演 アン・ハサウェイ ユアン・マクレガー メイシー・ステラ クリスチャン・コンヴェリー P・J・バーン ジョーダン・アレクサー・デイヴィス エミリー・クロダ |
| (ネタバレだらけです。注意) オークストリートの町で暮らすグレッグとデニースの夫婦とオードリーとブライアンの子ども2人のプラット一家。ある夜、強烈な光と風があったのち停電となり、朝起きると水も止まっていた。異様な様子に外に出たグレッグが出会ったのは、絶滅したはずの恐竜たち。住民たちが次々と恐竜に襲われる中、町から脱出を図ろうとしたプラット一家はオークストリートの町が周囲と寸断されている状況を知る・・・。 最初は単にギクシャクして崩壊寸前だった家族が、恐竜時代に来てしまったという危難に立ち向かうことにより家族としての絆を取り戻していくストーリーだと思いましたが、ラストに至って、そんな単純に「面白かったです。」と言える映画ではないなあと思ってしまいました。 途中、デニースを助けようとして何とグレッグが恐竜(肉食恐竜となると普通はティラノサウルスですが、この作品ではアロサウルスのようです。)に片足を食いちぎられた挙句頭から飲み込まれてしまいます。これは予想外の展開でしたね。デニースたちは今の時代へと戻ることができたのですが、そこが異変の直前の世界であることを知ったデニースはまだ異変が起きずにこの世界で生きてピザの配達をしているグレッグをピザの注文で呼び寄せ、オークストリートから離すことにより助けます。でも、オークストリートの町一帯が恐竜の時代へタイムスリップしてしまったとすれば、直前にそこから呼ばれたグレッグはともかく、そこにいたデニースや子どもたちはグレッグがいない中恐竜時代に飛ばされてしまったことになります。それを考えると、単純にハッピーエンドでめでたしめでたしというわけにはいきません。タイムスリップものは考えると難しいですね。 グレッグを演じるのはユアン・マクレガー、デニースを演じるのはアン・ハサウェイです。ユアン・マクレガーはもうすっかり中年オヤジという風貌ですが、一方、アン・ハサウェイは相変わらずきれいですね。ライフルをぶっ放すアン・ハサウェイがかっこいいです。アン・ハサウェイあっての映画と言っていいかもしれません。 |
| 時には懺悔を(2026.8.29) |
| 監督 中島哲也 |
| 出演 西島秀俊 満島ひかり 黒木華 宮藤官九郎 佐藤二朗 柴咲コウ 片岡鶴太郎 役所広司 塚本晋也 毎熊克哉 鈴木仁 烏森まど 山﨑七海 長井短 野呂佳代 唯野未歩子 しんすけ 山下舜太 諸角優空 |
| 非情に重い映画でした。心にどっと重くのしかかってきました。原作は打海文三さんの同名小説です。打海さんの未完に終わった「応化戦争記」シリーズが好きで、そちらを読んだついでに打海作品だということで読んだせいもあってか、内容はまったく覚えていませんでした。 悪徳探偵の米本が殺害される。佐竹は元上司であった寺西から事件を調べるよう頼まれ、ついでに助手として探偵スクールを出たばかりの女性・中野聡子を押し付けられる。やがて、米本がテレビに映った父親と障害児の二人を調べていたことがわかる。二人の家を盗聴する中で、一人の女性が浮かび上がり、その女性が9年前に誘拐されたまま行方不明となっている男児の母親である尋津民恵であることが判明する。男児は障害者であったため、男が面倒を見ている子どもが誘拐された子ではないかと考えるが、家の様子を盗聴している聡子は障害児の新の面倒を献身的に見ている明野が殺害犯だとはとても思えず、しだいに新と明野の二人に心を寄せていく。 佐竹を演じる西島秀俊をはじめ、妻役の柴咲コウさん、中野聡子を演じる満島ひかりさん、明野を演じる宮藤官九郎さん、米本を演じる佐藤二朗さん、民恵を演じる黒木華さん、そのほか役所広司さん、片岡鶴太郎さん、毎熊克哉さんと出演陣は芸達者な人ばかりで豪華です。特に、盗聴しているしんすけと明野の生活の様子を知り、探偵であることを横に置いて彼らに関わっていこうとする中野聡子を演じた満島ひかりさんの熱演は素晴らしいです。日本アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされるのでは。一方、最初は障害児を誘拐したことを後悔しながらも、次第に世話をすることに一生懸命になる明野役を演じた宮藤官九郎さんの淡々とした演技が何ともいい味出しています。 自らも、今は亡くなったが重い障害を持った子がいて、その子の世話を一人で行っていた妻が精神を病んでしまっている〇が妻が入院している病院に来たラストのシーンの先には彼らの家族としての未来があることを信じたいですね。 |
| ラスト・サバイバー(2026.8.30) |
| 監督 リドリー・スコット |
| 出演 ジェイコブ・エロルディ ジョシュ・ブローリン マーガレット・クアリー ガイ・ピアース アリソン・ジャネイ ベネディクト・ウォン |
| パンデミックにより多くの人類が死に絶えた近未来(設定では2035年です)が舞台です。妻をパンデミックで亡くし、元軍人のバングリーと愛犬・ジャスパーとともに飛行場跡地で暮らす整備士のヒッグ。時々セスナ機で町に出て物資の補給をしているが、世界は残った物資を巡って弱肉強食の世界となっていた。ある日、ヒッグらを襲撃してきた者たちによって愛犬のジャスパーを殺されたヒッグは、無線から聞こえた声の発信地を目指してセスナ機で飛び立つが、途中で故障のため不時着してしまう。そこで、出会ったジャックとシーマの親子の手助けでセスナ機を修理し、滑走路を整備して再び飛び立とうとするが・・・。 リドリー・スコット監督作品です。パンデミック後の世界が舞台といっても、病原菌によってゾンビ化してしまうというような伝染病の怖さは描かれません。パンデミック後の世界での生き残った者たちのサバイバルの戦いが描かれます。とはいえ、戦いのシーンはリドリー・スコット監督作品だからと期待したほどの派手なものではありませんでした。また、希望の地がそうではないのはよくあるパターンですが、あっけない展開です。 帰りにパンフレットを買おうとしましたが、販売がありませんでした。いま一つの映画でもパンフレットが製作されないのは寂しい限りです。 |