クルマバッタ

車飛蝗 (バッタ科)


地上にとまる♀
2002/10/12 千葉市緑区
クルマバッタ (バッタ科 トノサマバッタ亜科)
Gastrimargus marmoratus  (Thunberg, 1815)
分布 国内: 本土全域。平地~山地に汎く分布する。島嶼では佐渡、対馬、トカラ列島、奄美大島、徳之島、沖縄本島、久米島、慶良間諸島、大東諸島、宮古島、石垣島、西表島で記録されている。
県内: 市街地を除くほぼ全域に棲息する。北部低平地ではやや少なく、南部丘陵地域に個体数が多い。
国外: 朝鮮半島、中国大陸、台湾、東洋熱帯~インド、アフリカに分布する。
変異 形態: 地理的変異や個体変異は知られていない。♂♀共にすべて長翅であり、短翅型は知られていない。
季節:
性差: 異型。外見上の形質の差はないが、一般に♀は♂よりはるかに大きい。
生態 環境: 地上性。イネ科草本の繁茂する草原、林縁など。明るくやや乾燥した、開けた環境を好むが、市街地で見かけることはない。
発生: 年1回。7月~10月に見られる。南西諸島では多化性で、周年発生しているという。
越冬:
行動: 昼行性。♂♀共に日中活発に飛翔する。飛翔力は比較的強いがあまり長く飛び続けることはない。摂食時以外はあまり草の上などには上らない。
食 性 食植性/イネ科草本を中心とするが、とくにそれに限定されずに多くの草本を食べる。
類似種: トノサマバッタ、クルマバッタモドキに似るが、斑紋と体型が異なる。
保 護: 埼玉県:NT1(中川・加須低地/EX)。
その他: 普通種。トノサマバッタやクルマバッタモドキよりはるかに個体数は少ないが、山間部では比較的多い。和名は、飛翔する際にパタパタと軽快な音を出し、後翅の斑紋が回転しているように見えることに由来する。
天敵 捕獲: オオカマキリ、チョウセンカマキリ、コカマキリなどのカマキリ類、大型の徘徊性クモ類、造網性クモ類など。 幼虫はこのほかスズメバチ類、アシナガバチ類、サシガメ類。
寄生: アナバチ科のキアシハナダカバチモドキ(Stizus pulcherrimus  (F.Smith1856))、ジガバチ科のヌカダカバチ(Tachysphex nigricolor nigricolor  (Dalla Torre))が知られる。


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