真に持続的な競争優位投資家泣かせの文言11月のバリュー投資塾
情報の消費期限「高ROE企業」音声データオープンハウスグループの環境認識
良い会社の条件誰でも儲かった3年間

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ショートコラム(2023年11月)

■誰でも儲かった3年間(2023年11月28日)

ウイルプラスHD(3538)の決算補足説明資料に興味深いスライドが掲載されていました(下図)。

「直近3年間はどこのディーラーも儲かったけど、これからは厳しくなります。だからM&Aの得意な我が社のターンです」という主張です。

「投資全般に関しても同じことが言えるかもしれないな」と思いながら、この資料を見ていました。いよいよバリュー投資家の出番でしょうか。

ウイルプラスHD 決算補足説明資料


■良い会社の条件(2023年11月27日)

自分が「本当に良いと思う会社」の条件をあげてみました。これらのうち、なるべく多くを満たす投資先を探しています。

【定量面】

●資本利益率が高い。特に運転資本と固定資産の合計に対する利益率が高い
●キャッシュフローが潤沢。運転資本と固定資産の大幅な増加を伴わず、収益を拡大できる
●バランスシートが堅実かつシンプル。資本を吹き飛ばすほどの減損リスクを抱えていない

【ビジネスモデル等】

●製品・ビジネスの単価を自社で決められる
●特定の顧客(国や自治体を含む)や代理店の比重が高すぎない
●過度な広告宣伝に依存していない(TVCMを打ったときのみ販売増では困る)
●ローカルな市場でのシェアが高く、その分野における
「規模の経済」 で競合より優位な立場にある
●その市場に十分な成長余地が残されている、いわゆる「滑走路が長い」状況にある
●特許のような特定の優位性のみに頼らず、ノウハウやデータの蓄積が絡み合った、短期間での模倣が困難な(つまり新規参入が面倒くさい)競争優位を築いている
●顧客や代理店、サプライヤーと良好な関係にある
●業務に必要な人員を確保できており、マンパワー不足に陥っていない
●AIなど新技術の開発競争に参加する必要はなく、むしろ技術の進歩から恩恵を受けられる

【経営者】
●誠実で信頼できる
●相応の自社株を持っている(創業者かつオーナー経営がベスト)
●資本配分が適切である
●長期的な視点で経営がなされている
●自社の強みなどを必要以上にペラペラとしゃべらない(発言は競合他社に
もチェックされている)

現時点では以上のような感じです。これからも必要に応じ、都度追加していければいいなと思っています。


■オープンハウスグループの環境認識(2023年11月26日)

オープンハウスグループ(3288)のIRニュースに決算説明会の要旨が掲載されています。個人的に投資の参考となったのは次の3点でした。

●この10年間、不動産業界にとっては追い風が続いたが、これからの環境は不透明
●今後の環境変化に伴い、金融機関の不動産業に対する姿勢が厳しくなるかもしれない
●コロナ以降の3年間、住宅に対する購買意欲が上昇し、将来の需要まで先食いした

同社を創業した荒井正昭社長は、大胆さと慎重さを兼ね備えている経営者です。

決算説明資料には「今後、営業力のない企業、体力の乏しい企業は淘汰が進むと予想」という記述もあり、このような状況の中で、いかにして業績を伸ばしていくのか、その経営手腕に注目しています。


■「高ROE企業」音声データ(2023年11月20日)

11月18日(土)に開催したバリュー投資塾「高ROE企業」音声データが出来上がりました。

今回の音声データをお聞きになれば「高いROEをあげられるのは、どんなタイプの会社なのか」がある程度見えてきます。この視点を皆さんの銘柄選びに活用していただければ幸いです。

ご購入を希望される方はメールにて、氏名、電話番号(メール不達など、何かあった際の連絡にのみ使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座のご案内をいたします。

「高ROE企業」音声データ

セット内容

zip形式の圧縮ファイル約67MB(mp3形式の音声データ約288分、pdf形式のテキスト100ページ、資料付き)

2023年11月18日に開催した大阪セミナーの音声を収録・編集しました。映像は含まれておりません。

受講料

銀行振込 29,700円

Googleドライブ経由によるデータでの受け渡しです。メールに添付する形で行います。希望される場合は音声CDの送付も承ります。

テーマ

ROE25%以上、ROA20%以上、今来期増益組(いずれも四季報予想)15社の分析を行い、高ROEの源泉とその持続性について考察を試みます。

テキスト
目次

第1部 ROEランキング
1−1 ROE30%以上
1−2 ROE25〜30%

第2部 情報・通信業
2−1 ダブルスタンダード(3925)
2−2 メディカル・データ・ビジョン(3902)
2−3 ユークス(4334)
2−4 マークラインズ(3901)
2−5 ベース(4481)
2−6 デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916)

第3部 サービス業
3−1 ベイカレント・コンサルティング(6532)
3−2 KeePer技研(6036)
3−3 学究社(9769)
3−4 カカクコム(2371)
3−5 ジェイエイシーリクルートメント(2124)
3−6 シグマクシス・ホールディングス(6088)
3−7 ディップ(2379)

第4部 その他の業種
4−1 寿スピリッツ(2222)
4−2 SHOEI(7839)


■情報の消費期限(2023年11月14日)

一流投資家が人生で一番大切にしていること』の第6章「ニックとザックの大冒険」から引用します。

スリープとザガリアはまず、投資家の注意を奪う、短期間しか続かない情報をすべて無視することにした。

情報は食べ物と同じで消費期限がある。とくに傷みやすいものもあれば、日持ちが長いものもある。この保存期限の考え方は、貴重なフィルターとなった。

私が駆け出しだった1990年代は、株式投資の情報が限られていました。企業の決算に関しても、翌朝の日経新聞で売上高と経常利益が分かる程度でした。決算書を見たければ、関西では北浜の証券情報室まで出向く必要がありました。

それに比べれば、あらゆる情報を瞬時に入手できる現在は、ある意味で恵まれています。一方で、情報の消費期限もどんどん短くなっているように思います。とりわけ長期投資においては、情報の消費期限を意識して取捨選択する(大半は捨てる)必要がありそうです。


■11月のバリュー投資塾(2023年11月9日)

11月18日(土)に開催するバリュー投資塾のテーマを「高ROE企業」としました。

現時点で高いROE(好業績)をあげている企業を定量的に選び出し、定性的な分析を加味しつつ、その源泉は何か(競争優位を備えているのか、経営者はやり手なのか)、今後もそれを持続できるのか(十分な成長余地が残されているのか、景気の影響をどの程度受けるのか)を皆さんと一緒に検討するセミナーです。それぞれの視点がお互いの参考になればいいなと思っています。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名と電話番号(列車が遅れた際など、非常時の連絡に使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

なお申し込みの締め切りを11月15日(水)とさせていただきます。まだ残席がございます。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

11月のテーマは「高ROE企業」です

日時・場所

2023年11月18日(土) 10:30〜16:50 大阪・天満橋

人数

10名様程度

受講料

銀行振込 29,700円 当日現金 33,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。以後のキャンセルは音声データでの受講に振替させていただきます。

テーマ

ROE25%以上、ROA20%以上、今来期増益組(いずれも四季報予想)15社の分析を行い、高ROEの源泉とその持続性について考察を試みます。

テキスト
目次

第1部 ROEランキング
1−1 ROE30%以上
1−2 ROE25〜30%

第2部 情報・通信業
2−1 ダブルスタンダード(3925)
2−2 メディカル・データ・ビジョン(3902)
2−3 ユークス(4334)
2−4 マークラインズ(3901)
2−5 ベース(4481)
2−6 デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916)

第3部 サービス業
3−1 ベイカレント・コンサルティング(6532)
3−2 KeePer技研(6036)
3−3 学究社(9769)
3−4 カカクコム(2371)
3−5 ジェイエイシーリクルートメント(2124)
3−6 シグマクシス・ホールディングス(6088)
3−7 ディップ(2379)

第4部 その他の業種
4−1 寿スピリッツ(2222)
4−2 SHOEI(7839)


■投資家泣かせの文言(2023年11月7日)

久しぶりにSHOEI(7839)を調べてみて、次の文言にグッときました。

【決算説明会資料の生産戦略】

弊社はカイゼン企業であり、その大きな柱である現地現物の考え方を実行する。即ち、販売数量の伸びに対応し、設備投資は見込みや希望で行うのではなく、実際に需要が見えた時点でスピード感をもって対応する。新型コロナ終息やライダーの高齢化に伴う下振れリスクも存在し、冷静な対応を是とする。

【有価証券報告書の経営方針】

長期的視野での経営を可能にするためには財務的な独立が不可欠です。弊社は企業収益及びステークホルダーへの利益還元を重視するのと同様に、高い自己資本比率の維持を目指します。

公的援助や他人資本を当てにした経営では事業を長期にコミットすることは不可能です。

これはリーマン級経済危機、伝染病流行、大規模自然災害等に備えるという点においても例外ではありません。予期せぬ事情で市場規模が急に冷え込んだ場合、生産能力が落ち込んだ場合でも、ブランドを棄損することなく終息まで耐え抜くだけの体力を備えておくことが重要です。

こんなことを書かれては、同社への投資を検討したくなります。有価証券報告書の表現を借りると、リーマン級経済危機、伝染病流行、大規模自然災害等の発生により、株と言う株の売られたときが狙い目でしょうか。


■真に持続的な競争優位(2023年11月4日)

参入障壁に特化した競争優位の解説書『競争戦略の謎を解く』から引用します。

実際のところ、真に持続的な競争優位は、供給面と需要面の優位性が相互作用を産むところから創造されるものであり、具体的には、規模の経済と顧客の囲い込みが組み合わさったときに築かれる。

一流投資家が人生で一番大切にしていること』の第6章「ニックとザックの大冒険」にも、ほぼ同じ記述があります。

彼らはまた、長期的に成功する企業かどうかを分ける特徴は何か、についても考えはじめ、やがて、他のどれよりも強力なひとつのモデルに行きつく。彼らの言葉を借りると「規模の経済の共有」というモデルだった。

「規模の経済の共有」というモデルに該当する企業として、アマゾンやコストコがあげられています。私自身も、アマゾンに囲い込まれている消費者のひとりとして納得しました。

ちなみに日本企業では、神戸物産(3038)やコスモス薬品(3349)がこのモデルに当てはまるのではないかと、勝手に解釈しています。



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