私の家に来る女 もどる
私(浅野浩二)、は、SM小説を、かなり、書いてきた。
高校生の時、初めて、SM小説を、読んで、興奮した。
SM小説の大家といえば、団鬼六、であることは、間違いない。
その作品の質、作品の量からいって。
しかし、高校生の時は、性欲が旺盛だったから、別に、団鬼六、以外の、SМ作家でも、SМ小説は、何でも、興奮した。
私は、医学部に入った。
そして、医学部、3年のある時、「小説家になろう」、という、とんでもない、天啓が私に降臨した。
それで、私は、小説を書き出した。
自分には、何が、どんな、小説を書けるのかは、全く、わからなかった。
しかし、私は、書き出した。
私の、書きたい作品、そして、書ける作品は、プラトニックな、男女の恋愛小説だった。
なので、そういう、小説を書いてきた。
私は、SМ小説も、書きたい、し、書ける感性を持っていたので、書きたかった。
なので、SM小説にも、挑戦してみた。
しかし、なかなか、エロチックな、SМ小説は、書けなかった。
しかし、何年も、何年も、あきらめずに、書いていると、だんだん、書けるようになってきた。
そして、団鬼六先生の、SМ小説は、歳と共に、見方が、変わっていった。
団鬼六先生の、SМ小説は、パターンが決まっていて、上流階級の、夫人を、拉致監禁し、徹底的に、辱めて、一生、飼いつづける、という、ストーリーである。
もちろん、小説は、作り話の、フィクション、だから、どんな、ストーリーにしても、悪くはない。
団鬼六先生、自信、温厚で、良識的な性格であり、実生活では、犯罪じみたことは、一度もしていない。
団鬼六先生、の、SМ小説は、団鬼六先生、の、求める、欲求の表現である。
しかし、団鬼六先生、は、女性に対する、征服欲が、強すぎるのだ。
ここが、僕には、相容れなかった。
僕の、SМ小説は、どんなに、エロティックにしても、あくまで、「遊び」、であり、どんなに、女に、エロティックな、ことをしても、最後は、解放する、という、結末にしか、出来なかった。
その点、谷崎潤一郎の、マゾヒズム小説の方が、僕には、共感して読めた。
谷崎潤一郎、の、マゾヒズム小説も、犯罪的な要素は、入っていないからだ。
ともかく、僕は、SМ小説を、書き続けた。
しかし、僕は、小説を書きたいのであり、小説を書いていれば、幸せなので、別に、SМ小説だけ、書きたい、という、わけでは、全く無かった。
僕は、プラトニックな、男女の恋愛小説、や、ユーモア小説、など、書けるものは、何でも書いた。
僕自身は、SМプレイをしたいか、というと、はっきり言って、別に、したいとは、思わない。
そんな、ある日のことである。
ある女性が、僕の家にやって来た。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
玄関を開けると、きれいな女性が、立っていた。
「あ、あの。浅野浩二、さんですよね」
「え、ええ。そうです」
「私、浅野さんの、SМ小説を、ネットで、読んで、それで、浅野さんに、会ってみたくなったんです」
「そうですか。どうぞ。お入り下さい」
「浅野さんは、SМ小説を書いておられますが、浅野さん自身は、SМプレイをするんですか?」
「しませんよ」
「どうしてですか?」
「SМには、色々な、要素がありますね。世間では、SМ小説、や、SМプレイ、では、S(絶対支配者)、と、M(絶対服従者)、という、関係、を楽しんでいる人が、非常に多いと、思います。確かに、SМには、支配者、と、服従者、という、関係、が、あると、思います。谷崎潤一郎は、マゾヒストで、女性に対する、絶対的な、服従を、楽しんでいると、思います。谷崎潤一郎は、そういう感性の人です」
「そうですね」
と、彼女は、相槌を打った。
「しかし、僕は、SМの、支配と服従、という、要素が、大嫌いなんです。これは、SМに限りません。僕は、人間が、他人を、支配する、という、行為、が、大嫌いなんです。人類の歴史を見ても、ある国家、が、他の国家を、支配する、つまり、植民地にする、という歴史です。親、や、大人、は、子供、を支配しようとします。僕は、人間が、他者を、支配する、という、行為、が、大嫌いなんです。これは、SМにも、あてはまります」
「それでは、浅野さんは、SМの、どういう所に魅力を感じているんですか?」
「まあ、色々と、ありますが。僕は、マゾヒズム的嗜好を持つ、女性に、すごく魅力を感じているのです。マゾヒズムに酔っている女性は、すごく、美しいと思っています。ですから、僕が、緊縛された女の、SМ写真を見て、興奮するのは、自分が、緊縛されている女性に、感情移入して、興奮しているのです」
「それを聞いて、安心しました」
と、女性は言った。
「安心した、とは、どういうことですか?」
「実は、私、マゾなんです」
「そうですか」
「私の、マゾは、先天的なもので、子供の頃からです。いじめられ、みじめになりたい、と思っていました」
そう言って、彼女は、語り出した。
「それで、SМプレイの、パートナー、を、何人か、探して、付き合ったことも、あるんです。しかし、男は、みんな、奴隷になれ、と言ったり、ムチ、で、叩いたり、とか、フェラチオをしろ、とか、色々なことを命令したりと、女を支配したがるサドばかりなんです。なので、そういう行為をしても、私の、マゾヒズムは、満たされませんでした。そこで、浅野さんの、SМ小説、を、読んでいたら、女性を支配したい、という欲求が、感じられなかったのです。浅野さんは、男がМで、女に、いじめられる、SМ小説も、書いています。だから、浅野さん、なら、もしかすると、私の、マゾヒズムが、満足される、ことを、してくれる、のではないか、と、思ったのです。それで、来てしまったのです」
「そうですか。僕も、あなたのような方、との、出会い、を、望んでいたのです。しかし、そういう女性と、出会うことは、至難の業、だと、思っていました。あなたとは、相性が合いそうですね。嬉しいです。来て下さって、どうも有難うございました」
と、私は言った。
「あ、あの。浅野さん。さっそくですが、今から、プレイをして、頂けないでしょうか?」
「ええ。いいですよ」
「僕は、女性が、一番、して欲しいことを、したいと、思っています。しかし、それが、何かは、わかりません。ですから、京子さん、が、したいこと、を、言って下さい」
「有難うございます。では、浅野さん。ちょっと、後ろを向いていて、頂けないでしょうか?」
と、彼女は、言った。
「はい。わかりました」
そう言って、私は、クルリ反転し、彼女に、背を向けた。
パサリ、パサリ、と、服が、落ちる音がした。
「もう、いいです。こっちを見て下さい」
彼女が、そう言ったので、私は、体を反転し、彼女を見た。
彼女は、服も下着も、全部、脱いで、全裸になっていた。
そして、正座して、胸と、恥部、を、手で、覆い隠していた。
私が、彼女を見ると、彼女は、
「ああっ。いいわっ。気持ちいい」
と、叫んだ。
私は、何も、言わなかった。
私は、SМの、言葉責め、が、嫌いだった。
SМの、言葉責め、は、慎重に、言葉を、選ばないと、かえって、女性の心を傷つけてしまうからだ。
大体、男が、自分の欲求に、まかせて、女性を、侮蔑する、言葉を言うと、失敗する。
相手も、言って欲しい、侮蔑のセリフ、や、言って欲しくない、侮蔑のセリフ、というものは、あるものである。
しかし、男が、それを、察することは、出来ない。
なので、私は、黙っていた。
「下手な言葉責め、休むに似たり」、である。
「見て。浅野さん。みじめな私をもっと見て」
と、彼女は、言った。
そう言いながらも、彼女は、胸と、恥部、を、手で、覆い隠していた。
「言われなくても、見ていますよ」
と、私は、言った。
「ああっ。嬉しい。男の人、しかも、憧れの浅野浩二さんの前で、裸になって、見下されているなんて、なんて、気持ちいい快感なのかしら」
と、彼女は、言った。
彼女は、自分に酔っているのである。
マゾヒストにも、色々な、タイプがいるが、彼女は、自分に、陶酔する、ナルシスト、であることは、明らかだった。
「京子さん。僕は、何をしたらいいのか、わかりません。ですから、京子さんが、して欲しい、ことを、言って下さい」
と、私は、言った。
「有難うございます。こんな、わがまま、な、私の言うことを、聞いて下さって」
「いえ」
「では、浅野さん。すみませんが、また、少しの間、後ろを向いてくださいませんか?」
「はい。わかりました」
そう言って、私は、クルリと、体を反転し、彼女に、背を向けた。
何か、ゴソゴソと、音がした。
「あっ。あの。浅野さん。もう、いいです。こっちを見て下さい」
彼女が、そう言ったので、私は、体を反転し、彼女を見た。
彼女は、股縄をしていた。
彼女の腰には、ベルトのように、麻縄が、二巻き、巻かれてあり、そこから、褌のように、T字状に、縦縄が、しっかりと、女の、股間に、食い込んでいていた。
股縄は、女の股間に、縄を食い込ませて、女を責める、役割りを、果たす物だが、同時に、女の恥部と、尻の穴、を、かろうじて隠す、覆いの役割り、も、あった。
「あっ。あの。浅野さん。私、いつも、一人で、股縄をして、自分をなぐさめていたんです」
と、彼女は言った。
「そうだったんですか」
「あ、あの。浅野さん」
「はい。何でしょうか?」
「私を、後ろ手に縛って頂けないでしょうか?」
「ええ。いいですよ」
床には、彼女が、バッグから、取り出した、麻縄が、散らかっていた。
彼女は、自分から、両手を、背後に回し、手首を重ね合わせた。
「さあ。縛って下さい」
「はい」
私は、彼女に、言われた通り、彼女を、後ろ手に縛った。
「ああっ。いいわっ」
と、彼女は、喜悦の悲鳴をあげた。
「浅野さん」
「はい。何でしょうか?」
「胸縄も、して頂けないでしょうか?」
「はい。わかりました」
私は、彼女を、後ろ手に縛った、縄の余りを、彼女の、体の前に、回して、華奢な腕ごと、乳房を、挟み込むように、彼女の、大きな、乳房、の上下に、二巻き、ずつ、縄で、少し、きつめ、に、縛った。
大きな、二つの乳房が、胸の上下に、厳しく縛られた、狭い縄の間から、弾け出ているように見えた。
「ああっ。いいわっ。気持ちいい」
と、京子が言った。
「浅野さん。私、一度、SMモデルのように、胸縄を、されて、それを、人に見られたかったんです。夢が叶って、すごく、嬉しいです」
と、彼女は言った。
「京子さん。とても、セクシーですよ」
と、私は、感情を入れず、事務的に言った。
後ろ手縛り、胸縄、股間縄、の三つが、SМの、縛り、の基本である。
「浅野さん。私、いつも、一人で、股縄をして、自分の姿を鏡で見て、自分をなぐさめていたんです。あるいは、亀甲縛りを、したり、していました。そして、素っ裸、で、亀甲縛りを、して、その上に、コートを着て、デパートに行って、買い物をしたりしていたんです。人が見ていない所で、コートをとって、野外露出もしていました。それでも、精神的な興奮は、少しは、得られました。でも、やはり、さびしかったんです。人に、ハッキリと見られることは、出来ませんし。それに、できたら、後ろ手に、縛りたかったんです。ですが、自分で、自分を後ろ手に縛ることは、出来ません。後ろ手縛りだけは、誰かに、縛ってもらうしか、ありません。胸縄も。それが、すごく、さびしかったんです。今、こうして、後ろ手縛りされて、胸縄もされて、浅野さん、に、恥ずかしい姿を、見られて、私、最高に、幸せです」
と、彼女は、言った。
「それは、よかったですね。京子さん。すごく、セクシーですよ」
と、私は、事務的な口調で言った。
「浅野さん。なぜ、私が、自分で、股縄をしたか、わかりますか?」
彼女が聞いた。
「・・・わかりません。僕は、鈍感なんで・・・」
「股縄をしていれば、どんなに、脚を開いても、どんな格好をしても、恥部、と、尻の穴、は、かろうじて隠せます」
「そうですね」
「浅野さんに、全てを、見られてしまうと、浅野さんに、厭きられてしまうのでは、ないかと、思って、それが、こわかったんです」
「・・・・」
私は、何と言っていいか、わからず、黙っていた。
女は、全てを知られると、魅力が無くなる、とは、よく言われることである。
それは、男の方の理屈だが、女の方も、それを、気にしている人はいる。
だから、女は、夏、きわどい、ビキニ姿で、体を露出して、男を挑発するが、乳首、と、性器、だけは、ギリギリ、見えないように、隠すのである。
女は、乳首、や、性器、まで、見せないように、しているのである。
彼女は、その心理を気にしているのだろう。
しかし、全裸になって、肉体の全てを、見ても、女にあきない、ことは、あるものだ。
肉体は、物質であり、仮に、肉体の全てを知っても、女の心まで、全てを、知り尽くすことは、出来ない。
本当に、女に、あきてしまうのは、女の心の全てを知ってしまった時の方が、大きいだろう。
しかし、女の心を、全て知っても、その性格が、魅力的であれば、女にあきることはない。
しかし、彼女は、知ってか、知らないでかは、わからないが、ともかく、肉体の全てを知られることを、おそれていた。
「こうして、股縄をしていれば、恥ずかしい所は、隠せます」
そう言って、彼女は、壁を背にして、脚をМ字に、ガバッ、と、大きく開いた。
何も着けていなければ、女の性器が、丸見えに、なるところだが、彼女の言う通り、股間に深く食い込んでいる、股間縄のため、女の性器は、見えなかった。
大陰唇は、見えるが、粘膜の、膣前庭は、見えない。
ましてや、大陰唇が、性的興奮のため、膨らんでいるので、股間縄を、絞めつけるように、なっているので、股間縄は、両側から、ふくらんだ大陰唇の中に、埋もれてしまっている。
つまり、大陰唇が、ピッタリと、閉じ合わさっているのである。
私の感性として、女の、膣前庭、は、醜い、と感じてしまうが、大陰唇が、閉じ合わされていれば、それは、美しく、エロティクである。
「ああっ。気持ちいいわ。見て。恥ずかしい私の姿を」
彼女は、極度の緊張と、興奮で、全身が、プルプル震えていた。
「言われずとも、見ていますよ。とっても、セクシーですよ」
私は、ことさら、優しい口調で言った。
彼女は、私の言葉に、過度に、反応して、
「ああっ。いいわっ。最高」
と、叫んだ。
しばしして。
彼女は、開いていた脚を閉じた。
そして、体を反転し、私に背を向けた。
そして、膝立ちになり、ゆっくりと、上半身を、前に倒した。
そして、膝を大きく開いた。
大きな尻が、丸見えとなり、高々と上がった。
顔は、床にくっついて、頬が少し、ひしゃげた。
グラビアアイドルが、とる、セクシーポーズである。
もっとも、グラビアアイドルは、ビキニを着ているし、後ろ手には縛られていない、という違いは、あるが。
これは、SМで、女が浣腸される時に、とらされる、屈辱のポーズである。
彼女は、ことさら、膝を開いて、私に、大きな尻、や、尻の割れ目、それに続く、性器を見せつけようとした。
股間縄が、なかったら、確かに、尻の穴、も、性器も、丸見えに、なっているだろう。
しかし、かろうじて存在する、股間縄のため、尻の穴、も、性器も、見えなかった。
「み、見て。私の、恥ずかしい所を、うんと見て」
彼女が、叫んだ。
「ええ。見ていますよ。でも、股間縄のため、お尻の穴、も、性器も、見えませんよ。でも、とっても、セクシーですよ」
と、また、私は、ことさら、優しい口調で言った。
彼女は、私の言葉に、過度に、反応して、
「ああっ。いいわっ。最高」
と、叫んだ。
しばしして。
彼女は、浣腸ポーズを、やめた。
彼女は、床に、仰向けになった。
そして、膝を立てて、大きく、広く、股間を開いた。
さっきの、ポーズを、仰向けにしたような、ポーズだった。
足を、大きく開いているので、股間が丸見えである。
しかし、股間縄のため、女の性器は、見えなかった。
「み、見て。私の恥ずかしい所を見て。うんと見て」
彼女は、叫んだ。
「言われずとも、見ていますよ。とっても、セクシーですよ」
私は、ことさら、優しい口調で言った。
彼女は、私の言葉に、過度に、反応して、
「ああっ。いいわっ。最高」
と、叫んだ。
彼女の、股間縄で、かろうじて見えない、大陰唇からは、被虐の興奮で、プックリと、膨らみ、白く濁った、愛液が、ドロドロと、溢れ出ていた。
「京子さん。興奮しているんですね。愛液が、ドロドロ、出ていますよ」
私は、ことさら、優しい口調で言った。
「そ、そうです。私は、今、最高の、被虐の快感で、感じてしまっているんです」
と、京子は、言った。
「京子さん」
「はい。何でしょうか?」
「足を触っても、いいでしょうか?」
「はい。お願いします」
私は、右の彼女の足首をつかんだ。
そして、彼女の右足の、足の裏、に、指先を、スーと、滑らせて、くすぐった。
「ああー。いいー」
彼女は、全身をヒクヒクさせ始めた。
私は、彼女の右足の、足の裏、を、指先で、スーと、滑らせる、行為を、続けた。
しはしして。
彼女は。
「ああー。イクー」
と、叫んで、全身をブルブルと、震わせた。
そして、だんだんと、落ち着いて行った。
私は、女性の、オルガズム、というものが、どういうものなのか、知らない。
男の、オルガズムは、射精、という形で、はっきりと、わかる。
また、男の、マスタベーション率は、ほとんど、100%で、男は、みんな、マスタベーションを、しているから、マスタベーションの、快感も知っている。
しかし、女性の、オルガズム、は、射精、のように、何か、体から、液体が放出される、というような、目に見える、現象が、無いから、いつ、イッタのか、そして、それは、どういう、感覚なのか、は、わからない。
また、男の、マスタベーション率は、100%で、男は、みんな、マスタベーションを、しているが、女は、皆が、マスタベーションをしているわけではなく、その割り合いは、諸説あるが、60%、くらい、らしい。
そして、女は、マスタベーションをする時、クリトリス、や、Gスポット、を、刺激するらしく、それは、気持ちいいらしいそうだが、オルガズムに達することは、困難なようなのだ。
20歳まで、オルガズムを経験したことのない、女性も、めずらしくない、ということだった。
若い男は、女のエロ写真を、見て、オナニーすれば、容易に、射精できる。
しかし、女が、オルガズムに達するのは、かなり、複雑で、困難らしい。
男には、女のヌード写真、という、刺激、を、起こす物があるが、女は、オナニーする時、一体、どうしているのだろうか?
男の、ヌード写真を見ている、とは、考えられない。
そもそも、この世には、男のヌード写真、など無い。
つまり、女は、オナニーする時、刺激する物が無いのである。
そのことから、考えても、女が、オナニーしても、オルガズムに達することは、困難であることは、察される。
しかし、アダルトビデオ、などを見ていると、女が、(イクー)、と言って、オルガズムに達することは、間違いなく、あるのだろう。
京子さんは、今日、被虐の快感、を、味わう、ために、私の家に、やって来た。
京子さんが、被虐の快感、を、感じているのを、見ているうちに、私は、京子さんに、最高の、性欲の快感を感じさせて、やりたくなって、京子さんの、足の裏、を、刺激して、あげたのである。
幸い、京子さんは、オルガズムに達する、ことが、出来た。
私は、快感の余韻に浸って、じっとしている、京子を、見ながら、そんなことを、考えていた。
しばしして。
「浅野さん。有難うございました。とても、気持ちよかったでした」
と、京子が、口を開いた。
「それは、よかったですね。京子さん。今日は、このくらいに、しておいた方がいいのではないでしょうか?それとも、もう少し、プレイをしますか?」
私は、京子に聞いた。
「いえ。今日は、これで、終わりにしたいと思います。浅野さん。どうも、有難うございました」
京子が言った。
私は、京子の、後ろ手の、縛めを解いた。
そして、京子の、乳房の、上下に、かかっている、胸縄も解いた。
これで、京子は、股間縄、だけで、手は、自由になった。
彼女は、自分で、股間縄を解いた。
しかし、彼女は、私に、性器を見られないように、手で、性器を隠していた。
「では、浅野さん。すみませんが、また、少しの間、後ろを向いてくださいませんか?」
「はい。わかりました」
そう言って、私は、クルリと、体を反転し、彼女に、背を向けた。
何か、ゴソゴソと、音がした。
「あっ。あの。浅野さん。もう、いいです。こっちを見て下さい」
彼女が、そう言ったので、私は、体を反転し、彼女を見た。
彼女は、ここに、来た時、と同じように、ブラウス、に、スカート、を、着て、にこやかな顔で、座っていた。
「すみません。色々と、注文してしまって」
「いえ。構いませんよ」
「女って、脱ぐのや、服を着るのを、見られるのが、恥ずかしいんです」
「そうですか」
「今日は、本当に有難うございました。私のために、時間を割いて下さって。今まで、満たされないでいた、マゾの快感を、たっぷりと、堪能することが、出来ました」
「それは、よかったですね」
「正直、言いますと、浅野さん、は、どんな人なんだろう、と、不安も、ありました。小説では、ソフトな、SМ小説を書いていますが、作品と、作者の性格は、違う、ということは、ありますから。でも、浅野さんは、本当に優しい方ですね」
「そう言ってもらえると、嬉しいです。ところで、僕は、今の世のSМに、ほとんど、魅力を感じていません」
「どんな、ところがですが?」
「さっきも、言いましたが、僕は、SМの、支配と服従、という、関係が、嫌いなんです。僕は、SМが、セックス、と、結びついてしまうのが、嫌いなんです。男の、本番、とか、女の、フェラチ、とかも、大嫌いです。男は、絶対、服を脱ぐべきでは、ないと、思っています。SMでは、男は、服を着ていて、それでいて、一方的に、女を裸にして、辱めるというのが本筋だと思うんです。ムチで叩いたり、蝋燭を垂らしたり、という、ハードに責める行為をするのも、嫌いです。SМは、女の人が、主人公だと思います。SМ写真でも、裸にされて、被虐の陶酔に、浸っている女の人、の表情、や、精神が、美しいんです。僕は、SМ写真、を、見る時、被虐の陶酔に、浸っている女の人に、感情移入しています。僕は、女の人が、うらやましい。女性は、顔も、体も、美しく作られています。だから、SМの主人公は、女だと思っています」
と、私は、SМに関する、自論を述べた。
「やっぱり、浅野さん、って、優しいんですね」
と、彼女は、ニッコリと笑った。
「浅野さんは、セックスは、しないんですか?」
彼女が聞いた。
「そりゃー、年に数回くらい、たまには、しますよ。でも、セックスでも、女の人に、対する、僕の考え方は、同じなんです。セックスでは、お互いが、快感を得ようと、しますが。僕は、どうしても、セックスでは、女の人を、喜ばせようと、思うだけなんです。女の人に、何か、たとえば、フェラチオとか、されても、何も感じません。僕にとって、セックスにおける、男の役割りは、ひたすら、女の人を喜ばせる、奉仕者なんです。ですから、セックスにおいても、男は、女に、奉仕する、奴隷のような、感覚です」
「浅野さん、って、理想的な男性ですね」
彼女は、ニコッ、と笑って言った。
「また、会って頂けないでしようか?」
「ええ。構いません。僕も、あなたと、会えるのは、嬉しいです」
「浅野さん。携帯電話の、番号、と、メールアドレス、を、教えて頂けないでしょうか?」
彼女が聞いた。
「ええ。構いませんよ」
そう言って、私は、携帯電話の、番号、と、メールアドレス、を、メモに書いて、彼女に、渡した。
「私の、携帯電話の、番号、と、メールアドレス、も、教えましょうか?」
「いえ。いいです。僕は、京子さんの、性欲処理係り、ですから。僕の方から、(会って下さい)、なんて、電話したくは、ないんです」
「素晴らしい方だわ」
と、京子は、ニコッと、笑った。
「京子さん。本心を言いますが、僕は、あなた、に、マゾの喜び、を求めて欲しくはないのです。あたなには、明るく、健全に、充実した、人生を送って欲しいのです。世の人間は、女のマゾ、を、開眼させる、だの、自分の奴女を作るだの、調教するだの、SМプレイ、を、楽しむ、だの、という、ことに、何の違和感も抵抗も、持っていません。僕は、そんな事は、くだらない事だと思っています。SМプレイ、だの、セックス、だのは、所詮、一時の、刹那的な快楽に過ぎないと思っています。そんな事に、貴重な人生を、使うのは、時間の無駄、だと思っています」
「・・・・・」
京子は、黙って聞いていた。
「でも、浅野さん、は、SМ小説、を、たくさん、書いているでは、ないですか?」
と、京子が言った。
「ははは。それは、確かに、その通りです。しかし、SМ小説、を書く、ということは、創造的なことだと、思っています。谷崎潤一郎、は、生涯、女性崇拝の、マゾヒスティックなエロチックな、小説を書き続けました。三島由紀夫も、小説のテーマの一つに、エロティシズムの追求、があります。二人とも、ノーベル文学賞の候補になったほどです。小説、文学、とは、人間の、感性、と、想像力の産物です。そして、小説、文学、は、(人間とは何か)、(自分とは何か)、を、追求する芸術活動です。だから、僕は、エロティックな、小説を、一生懸命、書いているのです」
と、私は、言った。
「そうだったんですか」
と、彼女は、嘆息をもらした。
「僕は、SМ写真を見て、マスターベーション、を、することがあります。しかし、マスターベーション、をして、射精した後には、必ず、激しい虚しさ、が起こります。激しい、虚無感しか、おこりません。しかし、SМ小説を、書き上げた時、には、無上の喜びが、起こるのです。マスターベーション、をした後には、必ず、「性」、に対して、虚無感が起こりますが、書いてきた、SМ小説に対して、虚無感は、起こりません。そして、僕は、SМ小説、を、書きたいのではなく、(小説)、を書きたいのです。ですから、僕は、SМ小説、以外でも、プラトニックな、恋愛小説、も、かなり、書いていますし、ユーモア小説、も、書いています。小説を書く、ということは、自分の心の中にある、感性の、表現です。たまたま、僕には、SМ的な感性があって、SМ小説が、書けるから、書いているのです」
「そうだったんですか。いいですね。浅野さん、は、自分が、打ち込めるものを、持っていて」
「京子さん、には、何か、打ち込める物はないのですか?」
「そうですねー。無いですね。どうやったら、自分が、打ち込める物を見つけることが、出来るのでしょうか?」
「それは、わかりません」
「浅野さん、の、場合には、どうやって、見つけたのですか?」
「僕の、場合は、子供の時から、(自分は、何のために生きているんだろう)、という、疑問に悩まされて、来ました。それが、どうしても、わからなかったのです。しかし、あきらめないで、その疑問を、持ち続けていたら、ようやく、大学3年の時に、(小説家になろう)、と、自分の人生の目標が、見つかったのです。それは、僕の、心の中に、(出来っこない夢)、として、潜在意識、として、あったのです。しかし、一旦、目覚めて、決断した以上、それからは、ずっと、小説を書き続けてきました」
「浅野さん、は、理想が高いんですね。私なんて、(自分は、何のために生きているんだろう)、なんて、問題意識、を持ったことなんて、一度もありません」
彼女は、さびしそうに言った。
僕は、下手な同情など、言いたくなかったので、黙っていた。
「僕は、SМ小説、を書いていますが、変な、アドバイスになりますが、僕は、あなたに、SМなんて、ものに、悩まされずに、より良く、健康に、生きて欲しいんです」
「有難うございます。確かに、今日、浅野さん、に、心の中に、くすぶっていた、被虐心、が、満足されて、スッキリしました。被虐心、は、私の、欲求ですが、同時に、私を悩ませていた、苦しみ、でも、あったんです。これからは、前向きに、明るく、生きられそうな気が、今は、しています」
「そうですか。それは、よかったですね」
「今日は、本当に、どうも、有難うございました」
そう言って、彼女は、去って行った。
・・・・・・・・・・
それから、一カ月が過ぎた。
彼女には、僕の、携帯電話の、番号、と、メールアドレス、を、教えていたが、彼女から、連絡は、来なかった。
僕は、彼女が、長年、悩まされていた、被虐、の、悩みから、解放されて、活き活きと、生きているものだと、思った。
「便りがないのは良い便り」、である。
しかし、僕には、一抹の不安もあった。
マゾの女にも、色々なタイプがあるが、彼女のように、デリケートで、マゾヒズムに、ナルシズムの、欲求を、求めるタイプは、暗い性格であることが、多く、引きこもりがちになりやすく、引きこもって、自分の世界に、浸りがちな傾向があるからだ。
・・・・・・・・・・
一カ月、経った、ある日のことである。
ピピピッ、と、携帯電話の、着信音が鳴った。
私は、携帯電話をとった。
発信者非通知だった。
「あ、あの。浅野さん。京子です」
京子さんの声だった。
「やあ。久しぶりですね。元気ですか?」
「え、ええ。元気ですけれど・・・」
と、言って、彼女は、言葉を切った。
「元気なんですけれど、また、マゾの世界に、浸るようになってしまって、浅野さん、に、会いたくなってしまったんです。会って、頂けないでしょうか?」
と、彼女は、少し、ハアハア、と、喘ぎがちな様子で言った。
「ええ。いいですよ。いつ、来られますか?」
「今から、行っても、よろしいでしょうか?」
「ええ。いいですよ」
「では、行きます。今から、1時間、ほど後に、お伺いします」
「では、待っています」
そう言って、彼女は、携帯電話を切った。
ちょうど、一時間、経った頃である。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
「はい。はい。はい」
私は、すぐに、玄関に行って、戸を開けた。
京子が立っていた。
「こんにちは。浅野さん」
「こんにちは。京子さん」
「ささ。どうぞ、入って下さい」
と、私は、京子に勧めた。
おじゃまします、と言って、京子は、家に上がった。
彼女は、夏だというのに、冬物のコートを着ていた。
「久しぶりですね。一カ月、ぶりですね。あの後、どうでしたか?」
私は、彼女に聞いた。
「ええ。この前、浅野さんに、マゾの欲求を、満たしてもらって、しばらくの間は、気分が、スッキリして、過ごせていたんです」
「そうですか。それは、よかったですね」
「それで、浅野さんを、見習って、私も、何か、(生きがい)、を、求めようと、絵画教室に通ってみたんです。私。子供の頃、絵を描くのが好きでしたから」
「そうですか」
「でも、だんだん、つまらなくなって、しまったんです。それで、やめてしまいました。それで、やることが、なくなってしまって、ひきこもって、生活するように、なっていったんです。そうすると、また、だんだん、被虐心が起こってきて。SМビデオを観るように、なって、オナニーするになってしまったんです」
「そうですか。やっぱり、本当に、好きな事でないと、続かないと思います」
「そうですね。それで、毎日、オナニーばっかり、するように、なってしまって。また、浅野さんに、会いたくなって、しまったんです。それで、浅野さん、に、また、虐めて欲しくなってしまったんです」
そう言って、彼女は、コートを脱いだ。
彼女の、コートの下は、一糸まとわぬ全裸だった。
その全裸に、亀甲縛り、が、なされていた。
アソコは、きれいに、毛が剃ってあって、股間縄が、しっかり、股間に食い込んでいた。
「あの。浅野さん。私。裸になって、自分で、亀甲縛り、をして、その上に、コートを着て、電車に乗ったり、スーパー、など、に、行ったりしていたんです。そして、人に、見られているような、感覚を楽しんでいたんです。こんな、変態なことをする私を笑って下さい」
と、彼女は言った。
「いやあ。変態なのは、僕だって、同じですよ」
と、私は、ははは、と、笑った。
「いえ。私の被虐心は、激しくて、コートを着て、想像に、ふけっているだけでは、満足できなく、なって、本当に、人に、見られたくなってしまったんです。今、こうして、浅野さん、に、亀甲縛り、の裸を見られて、とても、興奮しているんです」
「そうですか。京子さんの、亀甲縛りの姿、とても、セクシーですよ」
「有難うございます」
彼女は、立ち上がって、クルリと、一回転した。
女の股間に、しっかりと、縄が食い込んでいた。
「京子さん。京子さんの、亀甲縛りの姿、とても、セクシーですよ」
「ああっ。いいわ。気持ちいい。夢、かなったり、だわ」
彼女は、すっかり、被虐の快感に酔い痴れていた。
彼女は、しばし、私に、亀甲縛り、の、立ち姿を、見せていだが、満足したらしく、また、座って、私を見た。
彼女は、今度は、体を、クルリと反転し、私に背を向けた。
そして、膝立ちになり、ゆっくりと、上半身を、前に倒した。
そして、膝を大きく開いた。
大きな尻が、丸見えとなり、高々と上がった。
顔は、床にくっついて、頬が少し、ひしゃげた。
グラビアアイドルが、とる、セクシーポーズである。
もっとも、グラビアアイドルは、ビキニを着ているし、後ろ手には縛られていない、という違いは、あるが。
これは、SМで、女が浣腸される時に、とらされる、屈辱のポーズである。
彼女は、ことさら、膝を開いて、私に、大きな尻、や、尻の割れ目、それに続く、性器を見せつけようとした。
股間縄が、なかったら、確かに、尻の穴、も、性器も、丸見えに、なっているだろう。
しかし、かろうじて存在する、股間縄のため、尻の穴、も、性器も、見えなかった。
股間縄が、しっかりと深く、女の谷間に食い込んでいるので、興奮のために、プックリ膨れた、大陰唇が、両側から、股間縄を、飲み込んでしまって、大陰唇が、閉じ合わさっていた。
「み、見て。私の、恥ずかしい所を、うんと見て」
彼女が、叫んだ。
「ええ。見ていますよ。でも、股間縄のため、お尻の穴、も、性器も、見えませんよ。でも、とっても、セクシーですよ」
と、また、私は、ことさら、優しい口調で言った。
彼女は、私の言葉に、過度に、反応して、
「ああっ。いいわっ。最高」
と、叫んだ。
しばしして。
彼女は、浣腸ポーズを、やめた。
もう、尻を突き出すポーズを、見られることに、満足したのだろう。
彼女は、起き上がって、私の方に向かって、座った。
「ああ。気持ち良かったわ。亀甲縛り、された、私の姿を、人に見られたかったのですが、そんなことは、出来ないですから、こうして、浅野さん、に、その姿を見られて、最高に、満足しています」
「しっかり、見ましたよ。京子さんの、亀甲縛りの姿、とても、セクシーですよ」
「有難うございます」
「で。今日は、何をしますか?それとも、亀甲縛り、を見られて、もう、満足できましたか?」
「い、いえ」
そう言って、彼女は、自分で、亀甲縛り、を、解いていった。
彼女は、縄のない全裸になった。
私は、その意味がわからなかった。
「あ、あの。浅野さん」
「はい。何ですか?」
「あ、あの。こんな事を言うのは、とても恥ずかしいのですが・・・」
と言って、彼女は話し出した。
彼女の顔は、火照っていた。
「私。オナニーする時は、肛門も、刺激するように、なったんです。肛門を刺激しながら、クリトリス、や、Gスポット、を、刺激すると、すごく、興奮する、ということがわかりました。始めは、ためらっていましたが、指を、お尻の穴、に入れて、刺激すると、すごく、気持ちいいんです」
「そうですか。わかりました」
彼女は、自分で、亀甲縛り、を解いた。
彼女は、一糸まとわぬ全裸になった。
「じゃあ、私を、責めて下さいますか?」
「ええ。いいですよ」
「あ、あの。浅野さん。後ろ手に縛って頂けないでしょうか?」
「ええ。いいですよ」
京子は、両手を、背中に回し、手首を重ね合わせた。
私は、京子を後ろ手に縛った。
彼女は、体を反転し、私に背を向けた。
そして、さっきと、同じように、膝立ちになり、ゆっくりと、上半身を、前に倒した。
そして、膝を大きく開いた。
大きな尻が、丸見えとなり、高々と上がった。
顔は、床にくっついて、頬が少し、ひしゃげた。
SМで、女が浣腸される時に、とらされる、四つん這いで、尻を高々と上げた、屈辱のポーズである。
彼女が、ことさら、膝を開いたので、私に、大きな尻、や、尻の割れ目、それに続く、性器、が、丸見えになった。
今回は、女の恥ずかしい、股間の谷間を、隠す、股縄がないので、尻の穴、や、性器も、全て、丸見えだった。
「み、見て。私の、恥ずかしい所を、うんと見て」
彼女は、もう、私に、性器を見られることに、躊躇していなかった。
京子は、声を震わせながら、叫んだ。
「言われずとも、見ていますよ。すぼまった、お尻の穴、が、見えてますよ」
「ああっ。いいわっ」
京子は、叫んだ。
私が、言葉を、かけたことが、彼女に、見られている、という、実感の、刺激、を、与えたのだろう。
「浅野さん」
「はい。何ですか?」
「あ、あの。何でも、浅野さんの、好きなことを、なさって下さい」
京子が言った。
「ええ。わかりました」
私は、京子の尻の前に、ドッカと座った。
そして、京子の、大きな尻を、触った。
そして、指先を立てて、京子の、尻、や、太腿、ふくらはぎ、足の裏、などに、指先、を這わせていった。
「ああー」
と、京子は、眉を寄せて、苦し気な表情で、切ない声を上げた。
私は、その行為を、念入りにやった。
そして、京子の尻の割れ目、を、指先で、すー、と、なぞった。
「ああー」
京子は、悲鳴を上げた。
京子は、必死で、尻の穴、を、すぼめた。
「京子さん」
「はい」
「お尻の穴、に、指を入れてもいいでしょうか?」
「はい。お願いします」
京子は、そう答えた。
私は、京子の、尻の穴、に、たっぷりと、ローションをつけた。
そして、尻の穴、に、中指を入れていった。
「ああー」
京子は、悲鳴を上げた。
指は、抵抗なく入った。
いったん、指が、入ってしまうと、尻の穴、は、京子の意志とは、関係なく、私の、指を、ギュッ、と、絞めつけた。
「ああー」
京子は、悲鳴を上げた。
京子の、マンコからは、白濁した愛液が、ドロドロと、出ていた。
私は、指を、京子の、マンコの、穴に、入れた。
そして、Gスポット、を、探り当て、刺激した。
私は、京子の、尻の穴、と、マンコ、の、二点を刺激した。
尻の穴、と、Gスポット、の二点を、刺激され、京子は、
「ああー」
と、悲鳴を上げた。
私は、尻の穴、に、指を入れたまま、京子の、マンコに入れた、指を、前後に動かした。
「ああー。イッチャいそう」
京子は、全身を、ブルブル、震わせながら、叫んだ。
「京子さん。この格好では、足が、疲れるでしょう。仰向けになりましょう」
私は、そう言って、京子の、尻の穴、と、マンコ、に、入れていた、指を、抜いた。
「はい」
私は、京子の、体を、仰向けにして、床に寝かせた。
そして、京子の、左横に座った。
「さあ。京子さん。脚を、M字に、大きく開いて下さい」
「はい」
京子は、カエルのように、脚を、大きく、開いた。
そして、さっきと、同じように、京子の、尻の穴、に、指を入れ、もう一方の手の指を、愛液が溢れている、京子の、マンコに入れた。
そして、尻の穴、に、指を入れたまま、京子の、マンコに入れた、指を、前後に動かした。
京子の、尻の穴、は、キュッ、と、私の指を絞めつけている。
マンコも、私の指を絞めつけた。
「ああー。イクー」
京子は、全身を、ブルブル、震わせながら、叫んだ。
京子は、オルガズムに達したようだ。
私は、京子の、尻の穴、と、マンコ、に、入れていた、指を抜いた。
京子は、しばし、快感の余韻に浸って、じっとしていた。
しばしして。
「浅野さん。有難うございました。とても、気持ちよかったでした」
と、京子が、言った。
「京子さん」
「はい。何でしょうか?」
「こうして、私が、京子さんの、SМフレンド、というか、性欲処理係り、をするのも、いいとも、思いますが、一度、普通の、デートをして頂けないでしょうか?」
「私も、それを、望んでいたんです」
と言って、京子は、ニコッ、と、笑った。
「じゃあ、いつ、どこへ、行きましょうか?」
彼女が聞いた。
「今週の日曜日、ディズニーランドに、行きませんか?僕、ディズニーランドに行ったことがないので・・・」
「じゃあ、そうしましょう」
こういう、成り行きで、私と彼女は、その週の土曜日、ディズニーランドに、行くことになった。
土曜日になった。
私と、彼女は、ディズニーランドに行った。
私は、ディズニーランドに行ったことは、なかった。
彼女も、高校生の時、女友達と、ディズニーランドに行ったことは、あったが、彼氏と、ディズニーランドに行ったことは、なかった。
薄いブラウスに、膝下までの、スカート、という、彼女の、姿は、爽やかで、美しかった。
彼女が言うのに、彼女は、今まで、「彼氏」、と呼べる、男と、長く付き合った、ことは、ないということだった。
彼女は、世の、スレッからされた男とは、どうしても、相性が合わなくて、つきあえず、つきあっても、長続きしなかった、ということだった。
私も、そうだった。
その日、私と彼女は、思うさま、楽しんだ。
「京子さん。僕は、こんなに、無心で、レジャーを、楽しめたことは、生まれて初めてです」
「私もです」
私は、女性と、一度で、いいから、世の中の、俗っぽい、楽しみ、を体験したい、と思っていたので、その日は、最高だった。
その日の帰り。
都内のレストランで、私と彼女は、豪華なフランス料理を食べた。
そして、私は、彼女を、見送るために、最寄りの駅まで、一緒に行った。
駅前には、ピアノが、置いてあった。
「京子さん」
「はい」
「京子さんは、ピアノを弾けますか?」
「え、ええ。子供の頃から、ピアノを習っていたので」
「今、何か、弾けますか?」
「え、ええ。でも、恥ずかしいわ」
「僕が、ついています。何か、弾いてみて下さい」
「わ、わかりました」
そう言って、彼女は、ピアノの前の、椅子に座った。
「じゃあ、何か、弾いてみて下さい」
「はい。じゃあ、サザンの、真夏の果実、を弾きます」
そう言って、彼女は、サザンの、真夏の果実、を弾き出した。
軽やかだが、哀調のある、しっとりとした、メロディーが、流れ出した。
通行人が、集まってきた。
弾き終わると、彼女は、「きゃっ。恥ずかしい」、と言って、すぐに、私の所に来た。
しかし、通行人は、パチパチと、拍手していた。
「京子さん。上手いですねー。もしかして、京子さん、は、絶対音感、というものを、持っていて、楽譜なしでも、メロディー、を、聞けば、何でも、弾ける、というタイプですか?」
「え、ええ」
「そうとは、知りませんでした。それは、素晴らしいですね。どうして、そんな、素晴らしい能力があるのに、それを発揮しないんですか?」
「だって、絶対音感を持っている人は、たくさん、いますし。音楽大学出の人は、私より、もっと、上手く弾きますし・・・。私でなければ、ならない必要はないでしょう?私は、家でピアノを弾いていますが、ピアノを弾いていると、心が落ち着くからです。ピアノは、個人的な趣味です」
と、彼女は、照れくさそうに言った。
「京子さん。僕は、ピアノの演奏は、言葉に出来ない、心の叫び、だと、思っています。ほんのちょっと、勇気を出して、もう少し、弾いてみて下さい。京子さん、が弾く、ピアノは、京子さんの、心、思い、の表現、そのもの、だと思います。きっと、共感してくれる人がいると思います」
私は、彼女に、そう催促した。
「わかりました。では、もう少し、弾いてみます」
そう言って、彼女は、ピアノの前の椅子に座った。
「では。ビートルズのメドレーを弾きます」
そう言って、彼女は、ビートルズのメドレー、を弾き出した。
彼女が、弾き終わると、みなが、パチパチパチパチ、と、拍手した。
彼女は、クラシック、から、J―POP、まで、楽譜を見ずに、何でも、知っている曲は弾けた。
私は、日曜になると、彼女を、都庁にあるピアノ、や、駅前、ファッションモール、など、色々な、所に連れて行って、ピアノを演奏させた。
彼女一人では、「こわい」、と、彼女が言うので、私が、ついて行った。
私は、スマートフォンで、彼女の演奏を、録画して、それを、You-Tube、に、アップした。
彼女の演奏の動画は、私の予想通り、受けた。
彼女の動画は、三カ月で、5000万回、以上、再生された。
彼女は、もう、自信を、持って、一人で、どこへでも、演奏に行くようになった。
また、色々な所から、彼女に、ピアノの、演奏の依頼が、来て、彼女は、もう、躊躇せず、どこへでも、行って、ピアノを演奏するようになった。
彼女は、ストリートピアニスト、として、Wikipedia に、名前が乗り、一躍、日本中の、アイドルとなった。
ある日。
私の所に、彼女から、メールが来た。
それには、こう書かれてあった。
「浅野さん。どうも有難うございました。私、みなに、愛されて、みんなから、褒めてくれる、コメントを、数えきれないほど、もらえるようになりました。私。幸せです。浅野さんとの、出会い、が、あったから、だと思っています。佐藤京子」
私は、もう、彼女に、被虐心が、起こって、それに悩まされることは、ないと、確信した。
私は、彼女の心から、マゾヒズムという、悪魔が、いなくなってくれたことを、心から祝福した。
令和2年3月5日(木)擱筆