THE WHO/WHO'S NEXT(1971)

全てにおいて圧倒的である。「フーズネクスト」を聴き終わった後に、他の音楽は暫らく聴けない。余韻が残りすぎるのである。前作のロックオペラ「TOMMY]の、ずば抜けた完成度はそのままに、さらにブラッシュアップされた楽曲が押し寄せ、オペラを作る程だ、トータルバランスも良い。この頃のピート・タウンゼントは天才他ならなく、恐れるものもなかったであろう。ドラムをリズムでは無く、メロディーパートと化したキース・ムーンの叩き出す打数とグルーブな音は必聴。1曲目の「ババ・オーライリー」の、何が始まるのかワクワクさせるシンセイントロから幕を開け、最終的に繋がる大曲かつ、背負い投げソング「無法者の愛」でNEXTを感じ終焉する。アルバムの発表は’71年と古いが、仮に明日の発売であろうが名作となるに違いない。それほどまでに、いつの時代に出ようが名盤になる運命。当時とは思えない先見性のある楽曲群と録音技術。THE WHO独特のポップなグルーブ感を損なわず、メンバーのセンスを全て出し切り、ぶつかり合って完成された珠玉の1枚。何故、日本での人気がイマイチであったのか?はい、それは全員馬面だからです。たぶん。