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サドスパンカー・トゥーリナ

 ここは第一者トゥーリナのお城。今までにないくらい乱れた王と呼ばれてしまっている彼は、寝室で、まさに乱れていた。

「この下手くそ!!」
 怒鳴られて身を竦めた。平手が頬に飛んで来て、ターランはベッドに倒れた。「ガキの頃から仕込んでやってるのに、少しは上手くなれないのかよ!?」
「トゥーリナ、ご免なさい。」
 ひりひり痛み出した頬を押さえながら、彼は必死でトゥーリナに謝った。でも、彼は険しい顔をして、首を横に振る。ターランは諦め、素直にお尻を向けた。そのお尻にトゥーリナの平手が振ってきた。いつものようにとても痛い。でも、すぐに暴れると、彼が激怒するので、何とか我慢する。下を向いているので頬を伝わらない涙は、シーツに染みを作り始めた。

 お尻をぶたれて、泣き声をあげているターランを横目で見ながら、第二者ザンは彼の代わりにトゥーリナの前に屈み込んだ。すぐに元気になる彼自身。
「ほら、ザンを見習えよ。お前と違って優秀だぞ。」
「ひっく、ひっく、ご免なさい…。」
 ターランは泣きながら体を硬くした。トゥーリナは彼と1つになりたがるので、もうすぐ嫌いなあれをしなきゃいけなくて…。
「嫌そうな顔をするな。」
 まだとても痛いお尻を高く上げさせられて、耳元に囁かれた。声は優しかったが、乱暴な扱いだ。怖くて震えているターランに、あれをやりやすいように、トゥーリナが刺激を与えてきた。心は嫌悪感で一杯なのに、体が反応してしまう。ターランは、また泣きたくなった。

 シャワーを終えたザンが浴室から出てくると、ターランが側に寄って来た。ずっと苛められていたらしく、目が真っ赤になっていた。
「もう帰るのかい?」
「第二者様は、仕事もしなきゃ。」
 ザンはにっこり微笑んだ。ターランが寂しげな表情をしたので、彼女は彼の肩を軽く叩き、窓から城へ帰って行った。
「ターラン。」
 声をかけられて、ターランはビクッとした。振り返ると、トゥーリナは、いつの間にか服を着ている。「俺等も仕事をするぞ。」
「はい、トゥーリナ。」
 ターランは急いで服の元へ走っていく。

 トゥーリナは第一者で、ターランは彼の二者であり、奴隷のような扱いをされている。ただそれは、ターランがそう思っているだけで、トゥーリナ本人は、彼を恋人として認識している。トゥーリナがサドスパンカーなので、ターランは気付いていないのだった。
 始まりは養育係とお坊ちゃまで、その次は、誘拐犯と被害者。それが暫く続いた後、今の関係になった。
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