ターランシリーズ M/F

目次
1 第一者としての夢。妖精王に会うトゥーリナ。


 第一者ターランには夢がありました。今、人間界は閉鎖されています。人間は妖怪や妖精や悪魔達が実在しているとは知りません。妖怪は人間界で暮らしているのに。それは魔界の神様が決めました。でもターランは気に入りません。人間達だけがそういう扱いを受けている事が。
 ターランはトゥーリナと分担して、まず聖魔界、悪魔界、妖精界の長達に自分の考えを理解してもらいに行きました。トゥーリナは、妖精界に降り立ちました。妖精は大人でも30センチしかありません。妖魔界は他の世界との交流が殆どなかったので、妖精達は突然の妖怪の出現に驚いています。
「妖精王を呼んでくれ。」
「何の用ですか?」
「妖魔界の王・第一者の命で来た。」
 妖精王の兵士がトゥーリナをお城に案内しました。
「妖怪さん、何ですか?」
 トゥーリナは吃驚しました。妖精王は小さな男の子だったのです。
「なんで子供なんだ?それに妖精王って女って決まっていなかったか?」
「王は血筋で決まります。母は、僕しか生めなかったんです。」
「で、お前の両親が早死にして、お前が男王か。」
「はい。」
 日本語で女流などと言うように、妖精は男が王になると男王と言います。
「そうか…。まだまだ甘えたい年頃だろうに。」
 子供がいるトゥーリナは可哀想に思いましたが、同情してもこの小さな王様が喜ぶ訳もないので、仕事の話をしました。


「でさ、なんか可哀想でなー。話が終わった後、撫でてやったら、喜んでた。王としてしか接してもらえないんだろう。まだ甘やかしてやってもいいと思うけど。」
 帰ってきたトゥーリナは、やたらリトゥナを撫でながら言いました。妖精男王は、ソーシャルよりも幼い子供だったので…。なんだか男の子のリトゥナを可愛がりたくなったのでした。
 それを見ていたターランは、妖精王の所へは自分が行くべきだったと後悔しました。父性本能を発して子供を可愛がっているトゥーリナは、彼にはとても情けなく見えたので…。


2  寝て見た夢の話


 第一者で強く自分を支配しているトゥーリナの夢。邪魔な百合恵達は出てこない。でも、何故かザンは出てくる。自分と一緒にトゥーリナに遊ばれたりしても、大人しく従う。ザンはターランに遊ばれる事もある。ターランはザンを認めているのかなと起きてから思う。


3 ターランの気持ちと百合恵の気持ち。


 ターランは、百合恵がトゥーリナにお尻を叩かれているのを見ていました。じぃっと食い入るように見つめていると、リトゥナが声をかけてきました。
「ターランさん、怖い顔をしてる。」
 リトゥナは、トゥーリナが家族を構っていなかった時期に、ターランが苛めたり可愛がったりしていたので、彼に懐いています。
「お母さんが構ってもらってるから?」
「それもあるし…。…。」
 ターランは今の気持ちを伝え辛くて黙りました。そのうちに、百合恵のお仕置きは終わりました。トゥーリナは恥ずかしい思いをさせるのと、自分で叩く為に下ろしたからと、彼がパンツを穿かせます。百合恵はそれを嫌がっていますが、強引に穿かせてしまうと、彼女を抱いて、撫でました。
「慰めるくらいなら、最初から叩かなきゃいいじゃない。」
「本にそうしろと書いてある。」
 トゥーリナは聞く耳を持ちません。百合恵は気に食わないようですが、あんまり逆らうとまたぶたれるので黙っています。ターランはその様子をじっと見ています。リトゥナは気になるので訊くのですが、抱っこされただけで教えては貰えません。


「お前は我が侭だよ。」
「どうしてですか?」
 少しして、トゥーリナが仕事に行ってしまった後、ターランは百合恵に言いました。
「トゥーに愛されているのに。」
「あんな子供扱いされる愛なんて要らないわ。」


 ターランは、仕事の進め方を考えています。『この仕事を終えたら次はあれをトゥーにやってもらって…あ、その前にそれをああして…。』彼は、第二者トゥーリナのとっても有能な秘書です。でも、トゥーリナは分かっていません。彼を過小評価していますので、今もやらなきゃならない書類を前にボケっとしている様にしか見えませんでした。
 トゥーリナはターランの頭をごんとやると、頬の突起物を指で挟んで四本とも引っ張りました。結構伸びます。放すとゴムみたいにばちんと頬に当たりました。
「なにすんのー…。(T.T)」
「真面目に仕事しろよっ。」
「…ああ、そうだね、ごめんなさい。」
 決してサボっていた訳ではないけれど、彼はそれを言いません。こういう態度が誤解される原因なんでしょう。トゥーリナは憤然と席に戻ります。


「どうしたんですか?その顔。」
「仕事をしてないって、トゥーにぶたれた。」
 仕事が終わった後、サボったと怒られて叩かれたのでした。
「羨ましい…。」
「どこが。」
「わたしみたいに、子供扱いされてお尻を叩かれるより、そっちの方がずっとましです。」
「俺にはお前の方が羨ましいよ。」
 ターランは百合恵と違って妖魔界の躾が分かっているので、彼女が羨ましいのです。自分もトゥーにああされたいと思うのです。でもトゥーリナにとって彼は、躾てやる相手ではないので、お尻をぶつ事はないのです。
「世の中上手く行かないよ。お互いにない物ねだりをしてるんだから。」
 でも、そのうちターランの望みは叶います。彼が第一者になった後に。
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