何気ない日常の話シリーズ
1 車椅子
ターランの(元々ギンライの、元トゥーリナの)部下が人間界で車椅子を見かけます。その部下は、技術者に頼んで人間界のなんて目じゃないくらい高性能の車椅子を作らせます。そしてそれをトゥーリナが、父ギンライと散歩を楽しむためにプレゼントしてくれます。優しい部下のプレゼントに皆は喜びました。ギンライは楽に過ごせる日もあるので、そんな時、トゥーリナと会話を楽しみながら、散歩します。
2 真に強い奴は…
トゥーリナが家族で幸せに過ごしているので、ターランは、トゥーリナが丸くなってしまって、つまらないと思います。それでも、彼を愛する気持ちが翳らないのは、辛い事だと思います。ザンにそれを言うと、「守るものがあると人は弱くなる。」と言われます。本当に強い者に守るものが出来ると弱点が出来る事になるからだと。普通は逆の事を言うのにと思いますが、ザンはそれは弱い奴の言葉だと言います。ターランは納得します。
3 妖怪になった人間百合恵
百合恵が鏡の前から動きません。トゥーは、何をしてるんだと思って声をかけます。百合恵は言います。
「妖怪に転生してから、十年以上経っても顔が変わらないのよ。…気味が悪いわ…。あなたは何とも思わ…ないわね、あなたは何百年もその顔なんだから…。」
「…。」
「いつになったら慣れるのかしらね…永遠に近い若さに…。」
百合恵は子供の頃に読んだ本を思い出します。不老不死の薬を手に入れた人が飲もうとして永遠の命の恐ろしさに気付いて止めるシーンを。
「くだらねえなー。もっと他に考える事あるだろ。妖魔界の料理を覚えるとか…。」
「だって、妖魔界の食材って気持ち悪い物が多いんだもの。目玉が一杯ある魚とか腐って溶けたような獣とか…。」
「そういうのが美味いんだよな。」
「絶対に嫌っ。あんなの触るくらいなら、あなたに子供扱いされて、お尻をぶたれる方が少しはましよっ。」
百合恵は怒りながら、夫は自分の小さな悩みを吹き飛ばそうとわざとこうしたのかしらと思いました。
4 ちょっとブラックなお食事風景
百合恵はある日、食卓を見回します。ターランと自分のお皿には無いお肉がトゥー達の前にあるのに気付きます。百合恵は夫に問い掛けます。彼とリトゥナは焦ります。ソーシャルは小さいので分かってません。ターランはちょっと考えれば思いつくのにと馬鹿にします。結局、百合恵は誤魔化されてしまいます。言えない理由は、それが人間の肉だからなのです。
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